東京の休日 144〜【アーツ・アンド・クラフツとデザイン展】ウィリアム・モリスの世界に誘われて〜
芸術の秋。
また素敵な展覧会と
出逢うことができました。
「アーツ・アンド・クラフツとデザイン
ウィリアム・モリスから
フランク・ロイド・ライトまで」
2022年9月23日（金・祝日）〜12月4日（日）
「生活と美」が
テーマとなったこちらの美術展。
現在、府中市美術館にて
開催されております。
その主役は、
「ウィリアム・モリス」。
イギリスを代表するデザイナーとして
草花や小鳥のあしらわれた
文様を数々世に送り出してきました。
それらを通して
彼のつくりあげたかった
「美しき」世界。
今回の展覧会ではこれを
わずかながら知ることができた
気がいたします。
また、その意志に共感した
デザイナーたちの作品も
鑑賞することができました。
そのストーリーをこの記事では
ご紹介してまいります。
始まりは、ウィリアム・モリスが
新婚時代に建てた家「レッド・ハウス」。
心地よく暮らせる家にしようと
友人たちと力を合わせ
手づくりで装飾をほどこしました。
のちにモリスはここを
「世界でいちばん美しい家」と呼んだそう。
こちらは、《格子垣》。
レッド・ハウスの薔薇の垣根が
イメージされた壁紙です。
ここから、モリスは
仲間たちと「生活のデザイン」を
生み出していきます。
これが今回の展覧会のテーマ
となっている運動
「アーツ・アンド・クラフツ」。
その背景にはこのような
「影」がありました。
モリスの生きた時代は
産業革命期の終盤。
近代化により多くの人々の生活は
豊かなものになっていました。
その中で行なわれていた
「大量生産」。
安くものが手に入るという
メリットの一方
質が悪く、格好の悪いデザインの
品物が世に出回るようになって。
すべての人が
「生活の中で、美を享受できる社会」を
実現したいと考えていたモリス。
大量生産とは対極の
「レッド・ハウス」を原点とする
ものづくりを始めたのです。
美術品に負けないほど
上質で美しいものを
自然を愛する心
仲間との信頼関係
手仕事の喜び
をともなうものとして。
具体的には、
・壁面装飾
・装飾彫刻
・ステンドグラス
・金属製品
・家具
を制作の柱としました。
これに共感したデザイナーたちにより
この運動は瞬く間にイギリス全土に
広がっていきます。
その中では、
手仕事を大切にするがゆえに
制作した商品が「貴重品」となり
掲げていた「すべての人々のため」
という理想と矛盾するような
壁もあったのだとか。
それでも、この運動は
アメリカまで発展していきます。
百合（ゆり）の形のランプを制作した
ルイス・コンフォート・ティファニー、
風景になじむ
ステンドグラスを制作した
フランク・ロイド・ライト
といったデザイナーたちも
今では当たり前に考えられている
「よいデザインのものは
美しいだけでなく、使いやすい」を
作品を通して示していきます。
今、家の中を見渡し
「美しい」と感じるものがあれば
それはもしかしたら
モリスの「アーツ・アンド・クラフツ」から
来ているのかもしれない、
そう考えながら
めぐることがとても愉しい展覧会でした。
「アーツ・アンド・クラフツとデザイン
ウィリアム・モリスから
フランク・ロイド・ライトまで」
会場：府中市美術館
東京都府中市浅間町1丁目3番地（都立府中の森公園内）
会期：2022年9月23日（金・祝日）〜12月4日（日）
開館時間：10:00〜17:00（入場は16:30まで）
休館日：月曜日（10月10日は開館）、10月11日（火曜日）
http://fam-exhibition.com/artsandcrafts/
そして、鑑賞後は併設のカフェ
「府中乃森珈琲店」にて
企画展のコラボレーションメニューを
いただきました。
ウィリアム・モリスの代表作
《いちご泥棒》からイメージされた
「モリスの庭のプレートセット」
食べられるお花、きのこ、チキン、
季節の野菜/苺ソース/
きのこのクリームスープ/ブレッド
苺とバルサミコ酢の合わさった
ソースが美味しい一品でした。
「いちご泥棒ティーセット」
選べるハーブティー（hotのみ）/
ひとくちスイーツ
食べられるお花と自家製ストロベリージャム
自家製のストロベリージャムを
お茶にまぜいただきます。
スイーツは、レモンのチーズケーキでした。
ハーブティーはこちらから選べます。
・ビューティーブレンド
（ローズやハイビスカスのブレンド）
・ウーマンズリズム
（アンゼリカやラズベリーリーフのブレンド）」
・月桃
・紅茶（アールグレイ）
開放的なテラス席も
展覧会に合わせた飾りの可愛い
店内もどちらも素敵で。
「府中乃森珈琲店」
営業時間：10:00〜17:00（LO16:30）
https://fuchunomoricoffee.com
ということで今回は、
「アーツ・アンド・クラフツとデザイン
ウィリアム・モリスから
フランク・ロイド・ライトまで」
をご紹介いたしました。
皆さまの秋も
麗しいものとなりますように！
写真・文＝Mana（まな）
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