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東京の休日 190〜【特別展:本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)の大宇宙】いよいよ今週末までとなりました〜

特別展「本阿弥光悦の大宇宙」
2024年1月16日(火)~3月10日(日)

東京国立博物館 平成館(上野)にて。


いよいよ今週末までとなりました!



「マルチアートの天才」
「異風者(いふうもの)」と称される

芸術家・本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)
(1558~1637)。

その名品、
刀、書、工芸品、茶碗…を贅沢に!堪能できる
展覧会となっております。



作品をご紹介します前にまずは
「本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)」
という人物のお話を。

1558年(永禄元年)~1637年(寛永14年)

室町時代から江戸時代(徳川家光の時代)に
生きた総合芸術家です。

生まれは京都の
刀剣の研磨や鑑定などを家職とする
名門・本阿弥家


家業で磨かれた審美眼をもって光悦は、

作品をつくり
またプロデュースしていきます。


日蓮法華宗に深く帰依(きえ)していたことに
よる信仰心は作品の礎に。



徳川将軍家や大名たちに一目置かれ

「京都を離れ、静かなところで暮らしたい」との
願いを聞いた徳川家康から

京都・鷹峯の地を拝領します。

「光悦村」として
芸術家たちを率い、移住。

現在も、光悦の眠る
「光悦寺」がそこにはあります。




そのような光悦のアイディア、審美眼、信仰心は
革新的な作品を創造し

今も何かしらの影響を与えている存在と、
本展担当研究員の松嶋雅人氏は語っております。


また、音声ガイドの語り手の
俳優・中谷美紀さんは
こちらのトークセッション内で
「(現代の方にたとえると)
アップルの(創業者)
スティーヴ・ジョブス
」とおっしゃられており
なんだか腑に落ちた気がいたしました。


それではとくに印象深かった
作品のご紹介を。

国宝
《舟橋蒔絵硯箱》
本阿弥光悦作
江戸時代・17世紀
東京国立博物館蔵


大きく張り出した硯箱(すずりばこ)。

平らでないこの形も
和歌をちらしデザインにしたことも
「鉛(なまり)」を装飾に使用したことも

当時は「斬新」だったそう。


こちらは国宝に指定されています。




続いて、

重要文化財
《鶴下絵三十六歌仙和歌巻
(つるしたえさんじゅうろっかせんわかかん)》

本阿弥光悦筆/俵屋宗達下絵
江戸時代・17世紀
京都国立博物館蔵

なんとも豪華なコラボレーション。

おふたりの名前が並ぶことも眩しいですが
みればみるほどに惹き込まれる作品です。

鶴の上を文字が舞う。

その優美な強弱に、
耳を澄ませばメロディーが
聴こえてきそうでした。



《蓮下絵百人一首和歌巻断簡(はすしたえひゃくにんいっしゅわかかんだんかん)》
本阿弥光悦筆
江戸時代・17世紀
東京国立博物館蔵

の穏やかな書も
前に立ち静かに向き合いたくなるもので。




そして、
会場のクライマックスにあるのがお茶碗。

お茶人であれば一度は耳にしたことのある
《赤楽茶碗 乙御前(おとごぜ)》を筆頭に
展示されています。

お多福を意味する
「乙御前(おとごぜ)」は
ふっくらとしていて
思わず手で包みたくなってしまうような
親しみやすさがあるのです。



またこちらも名碗の
《黒楽茶碗 時雨(しぐれ)》
雨シリーズのような形で

《黒楽茶碗 雨雲》
《黒楽茶碗 村雲》
と並び
展示されておりました。

ライトに照らされ
まるで空に浮かぶ星空のように輝く肌が
印象に残ります。



「こびへつらうことを嫌った
(一生涯へつらい候事至てきらひの人)」

この言葉で締めくくられる展覧会。


「刀」「信」「漆」「書」「陶」にて
光悦の才を目の当たりにしたひと時で
ございました。


明日、土曜日は
19:00(入館は18:30)までと
なっておりますので

どうぞごゆるりと光悦の世界、
いえ宇宙をご堪能くださいませ。


写真・文=Mana(まな)

特別展「本阿弥光悦の大宇宙」
会場:東京国立博物館 平成館

 東京都台東区上野公園13-9
会期:2024年1月16日(火)~3月10日(日)
 ✴︎会期中、一部作品の展示替えを行います。
開館時間:9:30〜17:00
 ✴︎2月16日(金)から、毎週金・土曜日は19:00まで
 ✴︎入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、2月13日(火)
 ✴︎ただし、2月12日(月・休)は開館
https://koetsu2024.jp


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