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東京の休日 148 〜【竹内栖鳳(たけうちせいほう)展】うぐいすの歌声、猫の匂い、五感で愉しむ動物たちとの秋〜

絵と心で向き合いたい。

そんな時に訪れたくなる
「山種美術館」(広尾)。


現在開催されている

『【特別展】没後80年記念
竹内栖鳳(たけうちせいほう)』
2022年10月6日(木)~12月4日(日)

がとても素晴らしかったので
ご紹介させていただきます。


まずは、主役の
竹内栖鳳(たけうちせいほう)
(1864-1942)のお話から。

明治から昭和にかけて
京都を中心に活躍した日本画家。

日本の伝統を受け継ぎつつも、
1900(明治33)年に
パリを訪れたことをきっかけとして
西洋絵画の技法もとりいれるようになります。

さらには、
水墨画、東洋画などの影響も受け
独自の画風を確立し

近代日本画に革新を
もたらした人物です。


今回の展覧会では
初公開も含め

40点近くの
竹内栖鳳の作品を鑑賞できたのです。

その豊かな展示に
感動してしまいました。


竹内栖鳳といってイメージされる
動物たちももちろんのこと

風景画に人物画と
充実していたのです。


それでは、作品のご紹介を。

まずは、
重要文化財に指定されている

《班猫(はんびょう)》。

ポーズに、毛並みに、目の色、
そしてたっぷりの余白と。

観る人の心を掴んでやまない
魅力に溢れた作品です。

こちらを観られただけでも
入館した価値があるように感じられました。

モデルとなった猫とのエピソードも
面白いのでぜひご覧くださいませ。


《緑池》

《班猫》の猫の目の色が
そのままお池に反映されているような。

その中を泳ぐ蛙の生き生きとしていることが
印象にのこる作品です。


《白菜》

白菜の筆のタッチが目を惹く一枚で。
大胆さと繊細さを兼ね備えているのです。

またねずみの存在が
さらにこの作品を美しいものに
しているようでした。


《秋夕(せきしゅう)》

こちらは、タイトルと題材に
ため息が。

夕方になり感じる寒さを
このように表現する
竹内栖鳳にさらに魅了されてしまって。

その他にも、
お顔の優しい
《立雛図》、

この時期らしい
《干柿》、

横山大観(たいかん)、
川合玉堂(ぎょくどう)との
豪華な合作
《松竹梅》

なども竹内栖鳳の
描写の素晴らしさと
独自の画風の趣に
ふれることができ

出逢えて嬉しかった作品でした。


そして、
最後にご紹介したいのが
竹内栖鳳の言葉。

「動物を描けばその体臭までも表す」

それほどに丁寧に
対象を観、描いたということだと思うのです。

ぜひ皆さまも「目」だけでなく
五感のすべてで作品を鑑賞してみてください。


わたくしは、《梅園》を拝見している時に
「ホーホケキョ」の声が聴こえたようで

描かれている
うぐいすをまじまじと見つめてしまいました。

『【特別展】没後80年記念
竹内栖鳳(たけうちせいほう)』
会場:山種美術館

 東京都渋谷区広尾3-12-36
会期:2022年10月6日(木)~12月4日(日)
開館時間:10:00~17:00 (入館は16:30まで)
休館日:月曜日
 [10/10(月)は開館、10/11(火)は休館]
https://www.yamatane-museum.jp/exh/2022/takeuchiseiho2022.html

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