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京都の休日 #42〜【平等院】蓮咲く夏の極楽浄土へ〜

「平等院(びょうどういん)」

そのあまりの有名さから
(十円玉としていつも持ち歩きながら)
知っているつもりになっていたのですが

丁寧に訪ねると
いろいろと面白い発見がありました。

ということで
今回は「平等院」をご紹介いたします。



場所は
宇治(うじ)。


駅から徒歩10分ほどの
ところにございます。


朱色の門をくぐり抜けると
美しいと噂の藤棚が。
(藤のお花の頃にもいつか
訪れてみたいものです。)


そして、
あの「鳳凰堂(ほうおうどう)」が
あらわれます。

鮮やかな建物が
その前の阿字池(あじいけ)に
見事に映っていて。



こちらが創建されたのは
今から970年前の
1052年(永承7年)。

藤原頼通(ふじわらのよりみち)が
お父様、道長の別荘をこの寺院に
改めたのです。

イメージは
「極楽浄土」なのだそう。


この季節(7月上旬)には
蓮や睡蓮の花がひらいているため

より浮世離れした宮殿といった
印象が強くなります。


鳳凰堂内の見学の前に

まずは
鳳翔館(ほうしょうかん)
と呼ばれるミュージアムへ。

こちらでは、
国宝となっている

初代の「鳳凰(ほうおう)」や
(現在の、鳳凰堂の屋根のものは二代目だそう。)

26躯の
「雲中供養菩薩像
(うんちゅうくようぼさつぞう)」
が間近で観られます。

とくに
鳳凰の豪華な翼と
雲中供養菩薩像の並ぶ姿には
ひどく感動してしてしまいました。


さらには、
鳳凰堂内部の壁画が
再現された空間があります。

こちらは、後で
本物と対面することとなるのですが

くっきりと描かれた
ミュージアム内の絵画を
覚えておくことで

より充実した見学となりました。



そして、いよいよ
鳳凰堂内へ。

(時間指定の入場券が別途必要となります。)

平安時代からの建築とのことで
中へ入るだけでも貴重な体験。

歩みを進め、
阿弥陀如来坐像の前へ。

穏やかなお顔をされておりました。

額には白い輝きが
その上には知恵が溢れている証の
赤い輝きがございます。

さらには
檜(ひのき)のいい香りが漂うのです。

阿弥陀様も、天蓋(てんがい)も
檜から生まれているのですね。



見上げると
ミュージアムにも展示されていた
「雲中供養菩薩像
(うんちゅうくようぼさつぞう)」が。

楽器を演奏されていたり、
舞を舞っていたり、
合掌されていたりするのです。

また、周りには
やはりミュージアムに
再現された空間のあった

壁扉画(へきひが)も
風情ある面持ちで
そびえております。

描かれているのは、
九品来迎図(くほんらいこうず)。

臨終の際の
阿弥陀如来様のお迎えには
九段階あり、

その9つの場面が
絵画となっているのです。

生前の行ないや信仰によって
どの段階となるかが決まるようなのですが

「悲惨なものはないですよ。」
と教えていただきました。

というのも、身に起きることは
本人だけのせいではないという考えが
仏教にはあるそうなのです。


今回の見学の前までは
平等院といったら十円玉と
恥ずかしながら言ってしまいそうでしたが

「極楽浄土」が表現された鳳凰堂、
鳳凰堂内の優しい檜の香り、
楽器を演奏する雅な雲中供養菩薩像、
阿弥陀様のお迎えの場面

と驚きの多かった
平等院でのひと時でした。

夏は参拝される方が
春や秋に比べると少ないようで
ゆったり拝観できたことが
とてもよかったです。

写真・文=Mana(まな)

平等院
住所:京都府宇治市宇治蓮華116
拝観時間:
 庭園 8:30〜17:30 (受付終了 17:15)
 鳳凰堂 9:30〜16:10 (受付9:00〜)
 鳳翔館 9:00〜17:00 (受付終了 16:45)
https://www.byodoin.or.jp


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