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【スウェーデン日記】#3: 着いた

7月3日:スウェーデンという国に来た。

前日の21時くらいに寝て、夜の1時に目が覚めた。というか、目を覚ましたのである。イギリスの日の出は4時半なので、朝の4時くらいからだんだんと明るくなる。冬に出る時は朝がもっと薄暗いので、その点において夏の移動はいいなと思う。家を出る頃にはだいぶ明るくなっていて、ゴロゴロとスーツケースを運ぶ。23kgを優に超えたスーツケースはすこぶる重くて、途中で捨ててやろうかと思った。

駅の前で駅が開くのを待っていたら、女の人に話しかけられた。この電車、ヒースローに行くよね?行くいく。携帯がどのポケットに入っているのかを強く意識しながら答える。マレーシアから、姪がやってくるのを迎えに行きたいらしい。マレーシア人なのかと思ったら、彼女はソマリア人なのだという。13年間イギリスに住んでいるというから、すごいなあと思う。電車でポツリポツリと話をしながら、40分の道程を共にした。一人にしてくれ。

ヒースロー空港は、いつも通りだ。流れで荷物をドロップして、保安検査に進む。ピークの時よりもちょっと空いているかもしれない。いつも使うトイレが使用禁止になっていたけれど、別のところを見つけた。今年だけでヒースローから飛行機に乗るのは4回目なので、ルーティーンができつつある。いつも朝ごはんを食べるWagamamaで朝食を食べて、飛行機に乗った。

乗った瞬間爆睡して、気がついたら飛行機は着陸しようとしていた。コスパがいい。窓際から覗いた景色は針葉樹林の森という感じで、雨が降ったり霧が出たりして機体がガタガタ揺れる。揺れるけど、着陸はやたらスムーズで、いつ着地したのか本当にわからなかった。プロだ。

入国審査をしたら、出口で大学のピックアップサービスの人がいる。英語がネイティブではないけれど、Welcome!という感じですごく嬉しい。スウェーデン🇸🇪とEU🇪🇺の国旗が翻っている。ドイツと一緒だ。スウェーデンはEUに1995年に加盟しています。

大学のスタッフが、「親切であろう」という雰囲気を醸し出そうとしているのがいいなあ、と思う。「初日なのに雨降っちゃってごめんね!チョコレートあげるよ!!」とか、ちょっと冗談を言ってみるとか。ロンドンのでっかい大学の事務の人たちには、そういうのはない。別にそういう人情がある方がいいね、というのではなくて、まあ給料に見合ったことをするのは当然ですよね、と思っていますよ。

大学寮に着いたら、枕と掛け布団が支給された。IKEAの薄地、夏用掛け布団という感じだ。ついでに「サマースクール」と書かれたTシャツも与えられた。

スーパーマーケットを求めて団地を出た。6分くらい歩くと一つ目のスーパーマーケットがあって、10分くらい歩くと2つ目のスーパーマーケットがある。一つ目に入ってみて、まあもう一個も見てみるかと思って、二つ目にも向かった。お店のど真ん中にサラダバーみたいなのがある。このサラダいいな、と思ったのだけれど買い方がわからない。わからないのでしばらく周りをうろうろしていたら、地元の人っぽいおばさんがトングを手に取った。よっしゃ。棚の陰からそっと覗いて買い方をマスターした。外国に行った経験が長くなると、そういう空気を読む能力だけがどんどん上がります。ケースに好きなだけ入れて、野菜売り場の秤に行って「フリー・サラダ」みたいな選択肢にして買うらしい。実際に近寄ってみたら、野菜類(レタスっぽいミックスベジ・トマト・きゅうりのダイス・コーン)だけではなくて、色々なバリエーションの味付けペンネがあったり、チーズがあったり、バジルオイルが染み込んだクルトンとフライド・オニオンがあったりしてすごく良い。これはこの国の良いランチだな、と思った。

ホラー映画の小道具?

スーパーからの帰り道、寮に来ていたハンバーガースタンドで、小さいポテトフライを買う。馬鹿みたいにお腹が空いていたのである。お兄さんが、「中国から?」と聞いてきたので、「日本だよ」と答えた。髪にインナーカラーを入れて、そのあと色が抜けたまま放置していると、中国人扱いされる確率が上がる。「日本には行ったことないな、中国には6回くらい行ったんだけど」と言うので、ちょっと珍しいパターンかもしれないな、と思う。スウェーデンという国の立ち位置が俄然面白くなってきた。

坂の多い街だと思う。寮の周りも坂が多いし、遠くを望めばかなり高いところに山があったり、逆にだいぶ下の方に高速道路が通っていたりする。スーパーに行くだけで登ったり降ったりして、老人は息が切れた。それから、街に人が全然いない気がする。それは平日の昼間だからか、そういう街なのかわからないけど、歩いていてなんだか不思議だ。

街の中心地までも遠くないらしい。
https://skyticket.jp/guide/106298
ここに書いてあるものは巡れたらいいなと思っている。

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