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【日記】朝7時のテムズ川

はじめに:

バイトから帰ってきて、全てを脱ぎ散らかしてお風呂に入って寝て、次に目が覚めたら朝の6時だった。ロンドンは日の出が早くて、かつ私の部屋は日がよく差し込むので、アイマスクを忘れると日の出と共に目が覚める。あいにくアイマスクをつけ忘れて、日の出と同時に目覚めてしまった。

なんとなく二度寝するのが惜しい気がして、顔だけ洗って(目の中に入った睫毛も取り除いて)、スキニーとデニムジャケットという適当な格好で、カメラと最小限のものだけ手にして家をでた。

私の家の前の大通りを真っ直ぐ真っ直ぐ真っ直ぐ南下して行くと、テムズ川にかかる橋にたどり着く。西を向けばビッグベンとロンドンアイを、東を向けばSt .Paulsとロンドンのモダンな高層ビルたちを一手に眺めるベストポジションで、そこで朝のロンドンを撮ろうと思ったのだ。

レセプションの女の人が、「何しに行くの〜〜? (Where are you off to go?)」と声をかけてきた。私がコロナに罹った時に、ずっと愚痴を聞いてもらっていた人である(そんなことするな)。

「すっごいいい朝だから写真撮りに行こうと思って」
「あ、カメラ好きなんだ!いいスポットがあるよ、この道を真っ直ぐ行くでしょ、」
「あ、テムズ川の上の橋でしょ!!」
「そうそう、日の出と一緒に行くと、川面に光がキラキラして綺麗だよ」
「日の出は撮りに行ったことないや、でも絶対綺麗だ、今日は日の出にはもう遅いな〜〜」
「そうそう、仕事の終わりか始める前に行こうと思ってるんだよね。あとリージェントパークは今桜の季節だよ」
「桜!今だけだもんね、見に行かなきゃ」

私のスペシャルスポットはみんなに共有されていたらしい。

写真

カメラを買ってから、1年半くらいが経った。すごく高い買い物だったけれど、カメラがあることで毎日が豊かになっている感覚がある。ファインダーがついているモデルにしたことで3万円くらい高くなったけれど、ファインダーを覗くのが楽しいからいいんだよな。

お散歩に

ほのぐらい朝
この通りはロンドンバスが多く通る道。
ぼんやりとした空。
まだ空が少しくすんでいるけれど
少し引くとこんな感じ。川岸に木が茂っていて素敵。
ロンドンは自転車通勤の人が多い
St. Pauls (左側のタマネギみたいな形のもの)、Cheese Grater(右側の四角いの)
ムーミンだ!!!
昨日通った時に集まって何やらやっていたので、薬か…?草か…?と心配に思って避けていたけど、SOASの反戦運動だった ごめんなさい

ロンドンにはちらほら桜が咲いている
ちょっとピンクが濃いものもある

終わりに

ロンドンの朝はまだ寒くて、カメラを持って歩いていたら手が悴んできた。好きなだけ写真を撮って、ホットチョコレートを買って、手を温めながら、片手で写真を撮りながら歩いた。

2時間くらい歩いて、家の周りの取り逃がしていたお花を撮っていたら、どうしてもトイレに行きたくなったので急いで帰ってきた。たまにあると素敵な、すごく良い朝だった。

きっと大学を卒業したら、「ロンドンでの毎日」という4年間の記憶として、こういう朝のことも、授業のことも、いろんな不安に押し潰されそうなことも、何もかもぎゅっと圧縮されてしまうのだと思う。だけど、こういう自由で勝手な時間があったことを、いつまでも忘れずに覚えておきたいな、と思う。朝のロンドンの空気も、少し冷たい空気も、のぼりつつある太陽とテムズ川も、ホットチョコレートの暖かさも、何もかも。

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