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【日記】アジア人であり女であること

珍しく英国紳士と会話をした時のお話。どこでの話かは秘密。

発端

外に出た時、4人の集まりのうち、一人のおじさまに話し掛けていただいたことがあった。最後の方がなかなか出てこなくて、そのまま会話がダラダラと続いた。視界の端で知り合いが苦笑しているのが見えた。「捕まっているねえ」というような。最後に、こんな会話になった。
おじさま1「いつからロンドンにいるの?」
私「2年前です、大学生なので」
おじさま1「大学を卒業したらどうするの?日本に帰って結婚するの?」
私「日本には帰りますけど働きますよ」
おじさま1「未来がどうなるかはわからないからね、結婚するかもよ」
おじさま2「わからんからね」
私「働きますよ、それじゃあ良い夜を」
話をしながらずっとむかついていて、帰った後もしばらくムカついていた。
「結婚するの?(What you gonna do after university? You go back to Japan and get married?)」と言われた時点で相当イラッときて、「働きますよ(I’m gonna work after going back to Japan)」と答えたのだが、その後も働くこと、つまり職種とか、働き方とかに話が移らなかったことがすごくもやっときて、3日経った今でもちょっとムカついている。

ブレイディみかこ氏の名作「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」にも、英国男性にとっての「アジア人と結婚すること」についてのエピソードがある。はっきりと思い出せないのだが、ブレイディ氏が「日本のGDPは世界2位だし日本はイギリスより豊かな国なんだぞ」と反論するエピソードである。

このむかつきには、二つの面がある。一つ目は、「Go back to Japan」と「Get Married」がつなげられていること、そして二つ目は、「結婚すること」を前提に話を進められたことである。
一つ目、日本に帰ることと結婚することの距離が近すぎる。アジア人の女性は、家に入るものだと、いつの間にか刷り込まれているのだろうか。私が知らないおじさまに「結婚すること」を前提として話しかけられたのは、私が女で、かつアジア人だからだろうか。例えば私が同僚のフランス人(英語と日本語がペラペラ)だったら、同じことを言われただろうか。例えば私が日本人男性だったら、同じことを言われただろうか。

二つ目、私の将来と結婚することの距離が近すぎる。私は生物学的にも性格的にも女性だけれど、身長が高いこともあるし、意志が強めなので、日本国内であんまりジェンダーに偏ったことを言われないで生きてきた。あんまり結婚する未来は見えていないし、結婚したり子供を育てるために生きているわけではないし、将来しばらくは自分の力で生活を紡ぎたいと思っている。

終わりに

散々ムカついたけれど、私の拙い英語を聞いてくれていたことには感謝しているし、おじさまが自分の娘さんのことを愛しそうに話していたことは素敵だった。だけどね、私だって、あなたの娘さんと同じで、自分の力で自分の生活を紡いでいける、一人の人間なんだよ。それだけ気がついてくれるといいな。いつかね。

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