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盛り上がるコミュニティは、ここがちがう…過疎化を防ぐ、規模別4ステップ

個人的に運営に参加している、「AI×編集者コミュニティ」で昨日、コミュニケーションマネージャーとして活躍しているありぱんさんのお話を伺いました。

ありぱんさんはこれまでさまざまなコミュニティの立ち上げ・運営に携わってこられた方。

僕自身も以前から、FacebookやらDiscordやらで、さまざまなコミュニティに参加してきたものの、活発なところから、管理者一人の苦労がにじんでいるようなところ、ゴーストタウンのようなところまで、盛り上がりには差があることは認識していました・・・・が、「なぜそうなってしまうのか」という点についてあまり思考が及んでいなかったので、とても勉強になりました。。

いやはや。自分の見たことが「あるある」として整理されるとすごいすかーっとしますね。

以下、学びの整理をシェアさせていただきます。

※なおこの記事では、参加者の問題意識や興味関心をベースに作られるオンラインコミュニティのことを「コミュニティ」と表現しております

コミュニティと会社組織も基本的な考え方は「同じ」。でも…


結論としては「会社組織も、コミュニティも運営の原理原則は基本的に『同じ』
ただ、会社組織の場合、成果から逆算した報酬・コミュニケーション設計がなされる。それゆえ個々人の個性がどうしても「成果」に紐づけて考えられがちではある…というのはとても納得でした。

一方、今回の主題でもあるオンラインコミュニティには明確な報酬が設定されているわけではありません。「ほかの人から何かを学びたい」という人もいれば、「誰かとつながりたい」という人もいるだろうし、「誰かに対する貢献をしたい」という人もいるかもしれない。要するにモチベーションが多種多様であり、メンバー個々人に対する「人間的」なアプローチが求められるのだと。

コミュニティの規模別「活性化策」のポイント

「人間的なアプローチ」を考えるうえで、ありパンさんに教えてもらった「コミュニティの規模ごとのポイント」がマジで勉強になりました。前提条件となる「コミュニケーションの場」をどこに設定するかというポイントから、かいつまんでご紹介します。

0.そもそも「どこ」でコミュニティを開くか?

最近だと特に、SlackやDiscord、FacebookグループやLINEなどなど様々なツールがあって、どれを使ったらいいのかって何を基準に選んだらいいのかな…と思っていたので、個人的に以下の集約は助かりました。。

どのツールを選ぶかによって、ターゲットの「利用しやすさ」も変わってくるでしょうし、その後の体験設計にも大きな影響を及ぼしそうです。

Slack

  • フローコミュニケーションに適しており、情報ストックは外部ツールとの併用が必要。有料版は費用が高く、無料版の利用が推奨。

  • 例:スタートアップのプロジェクトチーム、部活動やサークルの連絡先として

Discord

  • 無料で複数チャンネル設定が可能。ゲームユーザーには馴染み深い。権限設計が重要。フラット組織に最適。

  • 例:ゲームのギルドやクラン、趣味のコミュニティ、オンライン学習グループ

Facebook

  • イベント中心のコミュニティ向き。若者より40代〜60代ターゲットに適しており、一方的な情報発信に利用可能。ビジネスコミュニティにも良い。

  • 例:地域のイベント情報共有、中高年の趣味グループ、小売店やレストランのプロモーション

note

  • 有料メンバーシップ。コンテンツ力があると効果的だが、コミュニケーションUIは劣る。発信者中心のコミュニティに適している。

  • 例:専門家やインフルエンサーによる情報提供、特定のテーマや知識を中心とした有料コンテンツの配信


1.少人数のコミュニティ(~30名)

ここからが具体的な「コミュニティの盛り上げ方論」ですが、原始段階の少人数コミュニティにおいて重要なのは、「基本をしっかりと押さえること」。「グラウンドルール」を設定し、それを実施するだけで盛り上がることができるそうです。

【グラウンドルール】
必須条件:人権関連、ハラスメント、情報漏洩関連(守り系)
そのほか:入会要件、Kick要件、推奨される/されない行動(バリュー)

この中で個人的に「なるほど!」と思ったのは、グラウンドルールに「推奨される行動」を盛り込むこと。
参加者を制限するルールだけではなく、「ほかの人の意見を否定しない」とか、「積極的なトピックの立ち上げはウェルカムである」とかとか。積極的に認めていく態度が事前に示されていると参加者も安心しますし、新しくそのコミュニティに参加してみようかな?という敷居も下がる気はします。

2.30人程度のコミュニティ

人数が増えると、参加者の比率が「2:6:2」に近づくため、特定の「盛り上げ役」の存在が非常に重要に。運営サイドだけではなく、やる気のあるメンバーが輝ける環境を作るかが大切に。

「2:6:2の法則」
組織内のメンバーが、意欲的に働く上位20%、普通に働く中位60%、怠け者の20%に分けられてしまうという法則。大学のサークルとかほんとそうなりがちだよなぁ・・・。

ちなみにコミュニティの性質によって、参加者のアクティブ度合いの黄金比(何%がドアクティブであるべき、ROM専をどこまで許容するかなど)は変わるので、「本来あるべき姿になっているかどうか」をもとにKPI設定&モニタリング設計していくことが大事、なのだそうです。

3.50人を超えるコミュニティ

このステージでは「サポート役」が非常に重要に。トラブルが起きやすくなるため、適切にサポートする運営の役割が増大する。
組織っぽくなってきて、人間関係が生まれ、「運営サイド」と「やる気のあるメンバー」の見えないところでのやり取りも増えていくんでしょうね。

すごい分かる。

こういうのって企業でも本当にそうですよね。徐々に階層っぽくもなっていくし、全体が見えなくなってくる人が増えてくるので、メンバー同士の溝を埋めてくれる人たちがめちゃめちゃありがたくなる。。ただそこの仕事って見えづらいから、どう報いていくかは大事なポイントだなぁと。

4.100人以上のコミュニティ

組織が大所帯になってくると、今度浮上するのは「パワーバランス」の問題。出来上がったパワーバランスをどうとらえるのかは「組織としてどうありたいのか」とも密接にかかわります。

中央集権的でよいのか、あるいは分散型自立組織的(DAO的)なほうがよいのかなどなど。中央集権的な設計をよしとする場合は、本格的な組織化が必要なこの時期に崩壊の危機が高まる。適切な組織設計の選択が求められる。会社でいうときちんと人事部を置いて統制を効かせて…みたいなことが重要になってくるんでしょうね。なるほどなぁ。。


参加者はなぜ、コミュニティを求めるのか


共通の興味や価値観、目的を持つ人々とつながり、そこで自分自身の個性を発揮できるような場がつくれる…というのは、オンラインコミュニティのだいご味でもありますし、「インターネットが発達した今の世の中に暮らしてよかった」と思うことの一つですよね。裏返せば、「参加者がコミュニティに何を求めているか」という提供価値をよく考えながら運営に落とし込んでいきたいものです。

部分的にでも、自分が運営に携わっている組織に持ち帰って、エッセンスを生かしたい…と思わされました。

ありぱんさんありがとうございましたっ!

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