「そして、バトンは渡された」を再読した日

きちんと1週間間隔でnoteを更新できそうだ…
読書は相変わらず続けているけど、感想を残すこともちゃんと習慣づけたいなぁと思っている。
毎日が忙しすぎて、本を読んでせっかく感じられたほかほかの気持ちを残さないのはもったいないですからね…

ということで、今週は大好きすぎてる瀨尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」を再読しました。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない〝父〟と暮らす。
血の繋がらない親の間をリレーされながらも、出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。

1年前くらいに読んでたけど、案の定記録に残していなかったので、改めて読んだら、1年前より涙が出て大変だった。

誰かのために、自分以外の誰かと生きていくということ

あらすじ通り、主人公の優子は幼い頃から家族構成が目まぐるしく変化しながら生きてきている。
読んでいくうちに、説明がなくても自然と理解できるくらい、優子はどの親にも大切にされて成長しているのだけれど。

優子とそれぞれのタイミングで出会う親のなかでも、やっぱり2番目の母親・梨花さんと、3番目の父親(物語では最後の父親になるかな)・森宮さんが、血は繋がっていないけれど、大切な子どもが出来た日々について話す言葉が暖かかった。

「梨花が言ってた。優子ちゃんの母親になってから明日が二つになったって。」

「自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくるんだって。親になるって、未来が二倍以上になることだよって。」

「優子ちゃんがやってきて、自分じゃない誰かのために毎日を費やすのって、こんなに意味をもたらしてくれるものなんだって知った。」

こんなに子どもへの愛が溢れた言葉があるんだなぁ。
私はまだ、結婚もしていないし、子どももいないから、どうしても優子の立場としてこの本を読んだけど、いつか子どもを持ったとき、この言葉を実感するのかなぁ。
明日が二つになる日っでどんな感じなんだろう。
その日が来たら、この本をまた読み返すのだけは、なんとなく想像がつく。

最後、優子にバトンを渡す森宮さんの気持ちを考えて涙が出た。あの日、優子の親になると決めた覚悟が、次の未来へバトンを繋いでいく眩しいラストだった。

作中にでてくるご飯たち

瀨尾まいこさんの本には、本当に美味しそうなご飯たちがたくさんでてくる。
本作も、サンドイッチ、カツ丼、餃子、ゼリー、チーズケーキ、と他にも色々がご飯たちが登場するけれど、本当にどれも美味しそうに表現されているのが特徴だよね。
食べることは生活の基盤だし、この物語の登場人物は、食べることを大事にしている人(特に優子ちゃんと森宮さん)が多いから、そんなみんながご飯を食べているシーンを読んで、平和で暖かい日常を覗くことができるのも、とってもよかった。


こんな感じで再読してみると、1回目読んで抱く感想と大きく違ったりして面白い。
さっき2回目を読み終わって、前と違って号泣していたし、これが本屋大賞2019か…としみじみ思ったりしたし。

明日からは何を読もうかな。
今日はこれでおしまい!

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