2022/04/17 2週間で読んだ本たちの感想

最近通勤中に本を読む習慣がやっとこさついてきた。

これで図書館で借りた本を読まずに返すこともなくなったし、

むしろ読むスピードが戻ってきて2日で1冊くらい読めるようになって嬉しい。

読み終わった日に感想を残そうと思っていたけど仕事で疲れすぎてため込んでたので今日記録を残します。


・「あと少し、もう少し」

陸上部の名物顧問が異動となり、代わりにやってきたのは頼りない美術教師。部長の桝井は、中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り練習をはじめるが……。元いじめられっ子の設楽、不良の大田、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介。寄せ集めの6人は県大会出場を目指して、襷をつなぐ。あと少し、もう少し、みんなと走りたい。涙が止まらない、傑作青春小説。

本当にこれ眩しすぎるくらいキラキラした青春で大好きな本の一冊になった。。

前の投稿でも書いた「君が夏を走らせる」に出てきた大田くん、投稿できてないけど読んだ「その扉をたたく音」に出てきた渡部くんの中学校時代を覗くことができて嬉しかった。

駅伝大会での区間順に主人公が入れ替わって話が進んでいき、襷を渡していく構成が素敵でした。

そしてその構成によって、あ、私この子の気持ちわかる、一番好きかも、が襷を渡すごとに更新されていくという。。。

自分では気づいていない力を見つけ始めた設楽くん、認めたくないけど走ることが好きで自分の鎧を外し始める大田くん、唯一無二の無邪気な明るさが周りの人を照らすジロー、なりたい自分と現実の自分を認めてあげることのできた渡部くん、憧れでもそれ以上の気持ちでも大切な人のために走る俊介、バランス良く生きることを取っ払って走り抜ける桝井くん、全員が素敵で全員が自分も経験したことのある気持ちを抱えて走っていて本当にキラキラしてた。

「桝井君さ、自分の深さ三センチのところで勝負してるんだよ。」

顧問の上原先生が言う、こういう鋭い胸を突く言葉は背筋をしゃんと伸ばすきっかけになって、大人になった今、自分は何センチのところで勝負してるんだろう、そもそも勝負できてるんだろうと考えたりしました。


・「傑作はまだ」

血はつながってる。だけど家族じゃない。「はじめまして」から始まった親子の同居生活。近くて遠い二人の物語の行方は――?
優しい涙が止まらない最高のハートフルストーリー。
そこそこ売れている引きこもりの作家・加賀野の元へ、生まれてから一度も会ったことのない25歳の息子・智が突然訪ねてきた。父は月10万の養育費を振込み、息子は写真を一枚送る、それが唯一の関わりだった二人。真意を測りかね戸惑う加賀野だが、「しばらく住ませて」と言う智に押し切られ、初対面の息子と同居生活を送ることに――。孤独に慣れ切った世間知らずな父と、近所付き合いも完璧にこなす健やかすぎる息子、血のつながりしかない二人は家族になれるのか? 

智はなぜこうも朗らかな性格に育ったのか、聖人なのか?と思いながら読み進めたけど、

智の生い立ちや、父親の加賀野の元に突然やってきた理由がわかるシーンより、加賀野が智との関わりの中で、自分がいかに人に興味がなかったのか、無自覚故に相手との関わり方を間違えてしまっていたことに気づいていく様が一番読んでいて胸にずしんと来た。

これはきっと加賀野のように自分も無自覚な発言で人との関わりにほつれを生んだり、それに気づいて反省したりした経験があるからだろうなぁ。

そして素敵な言葉がたくさん散りばめられたお話でしたね。

明日がもっとすばらしいことをきみはぼくに教えてくれた。今日はきっときみを知る日になる。

眩しすぎるくらい綺麗な文章で、最期、加賀野が美月の元へ走り出すシーンの情景にピッタリで胸が苦しくなるくらいでした。


本当はあと1冊、読んでたけど今日はここまで。

もっと自分の気持ちをすらすら文に残せる才能が欲しかったなぁ。


明日はまた1冊読み終えるだろうし、ちゃんとため込まずに感想を残そう。

おしまい。

この記事が参加している募集

#読書感想文

189,330件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?