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ヘンテコ帽子のエナジードームでつながった、DEVOとm-floのイケてるMVをご紹介(オススメMV #121)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の121回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回はエナジー・ドームというヘンテコな帽子つながりの2つのオススメMVを紹介します。
「エナジー・ドームってなんやねん?」ということですが、百聞は一見に如かずということで、そのイケてるMVをご覧ください。

まずは、本家エナジー・ドームのオススメMVはコチラ。
DEVOの「Whip It」です。どうぞ!

何でもアリという感じのMVですが、テイストが統一されているためゴチャゴチャ感があまりなく、パワフルさだけが際立つ映像となっています。
そして、スピード感のある楽曲とのマッチングが素晴らしく、一度観たら忘れえない名作MVとして仕上がっています。

DEVO(ディーヴォ)は、1973年に結成されたUSのバンドで、途中活動休止をはさみながらも現在でも活動しているご長寿バンドです。
ニュー・ウェイヴというカテゴリのようですが、ニュー・ウェイヴというカテゴリが私自身ピンとこず、何でもありの実験的バンドという認識です。

そして、彼ら(メンバーは男性のみです)のトレードマークとなっている赤の階段状の帽子が「Energy Dome(エナジー・ドーム)」といい、全世界のエネルギーをこの帽子をかぶるDEVOメンバーに集めることができるというワケの分からないアイテムですが、そのワケのわからないことをトコトンやり切っているのがいいですね。

もう1つのトレードマークが、メインの衣装となっている「つなぎ」です。
この「つなぎ」が、前回の話からつながり、今回DEVOを取り上げるきっかけになっています。
その前回のコメントが以下となります。

POLYSICSは、この「つなぎ」を着て演奏するスタイルが多いのですが、これは海外のあるバンドにあこがれたPOLYSICSのリーダーであるハヤシさんが取り入れたスタイルなのです。
そして、そのバンドも素晴らしいMVをリリースしており、ぜひ紹介したいところですが、今回はだいぶ話が長くなってしまったので、続きは次回にさせていただきましょう。

前回のPOLYSICSの回の最後の部分

「『つなぎ』つながり」と変なダジャレのようですが、今回紹介するMVでは肝心のDEVOがつなぎを着ていないということで、全く「つなぎ」でつながっていないのですが、ご容赦ください...
(ちなみに、前回のPOLYSICSの回はコチラ⇒「往年のPOLYSICSのイケてるダンスMV」

さて、この「Whip It」ですが、1980年リリースの3rdアルバム「Freedom Of Choice」からの2ndシングルとしてリリースされ、USで14位と、チャートにはほとんど縁のないDEVOでは最もヒットした楽曲になります。
アルバムタイトルの「Freedom Of Choice」は、直訳すると「選択の自由」ですが、邦題は「欲望心理学」とつけられており、なぜこの邦題になったのか調べたのですがわからず、もしご存じの方がおられたらぜひお教えいただければありがたいです。

DEVOは、その服装や振る舞い、そしてMVの内容からふざけたバンドという印象ですが、楽曲、特に歌詞の内容にはふざけた点はなく、逆に知性の塊ともいえるほどです。
この「Whip It」も、「問題解決のために自分を奮い立たせて立ち向かっていくんだ」というメッセージが込められた歌詞になっています。
(タモリさんの「狂気を演じることができるのは知性だけだ」という名言を、今更ながらに思い出されます)
しかし、MVの映像からは全くその意図はくみ取れず、タイトルや歌詞の「鞭を打つ」からの直接的なイメージを前面に出した、ある種お下劣な映像で構成されているのは不思議ですね。
これは、DEVO自身が楽曲の内容と全く違った下品な内容にしたいという意図で製作されたものですが、それに加えてこのMVにはもう1つの意図があるのです。
それは、映画的な背景やストーリーのある映像にしたいというもので、これを実現するには相当な予算が掛かってしまい、今でこそ楽曲の販促のためにMVに費用を投下するのは当たり前ですが、当時はまだその段階ではなく、企画がとん挫しかかったようです。
ちなみに、MVが楽曲の販促として一般的になったのは、1980年代の半ばで、そのきっかけのひとつでもあり黎明期の名作MVが私の大好きなヒューマン・リーグの「Don't You Want Me」となります。
(ヒューマンリーグ特集はコチラ⇒「MVプロモーションの先駆者」
しかし、予想に反してMVを製作する前に、楽曲のみの「Whip It」が結構売れたので、その収益を原資にMVが制作されたようです。
そして、MVも評判になり、さらに楽曲も売れた...といういい話です。
振り返ると、MVが楽曲販売に影響を与えた最初の事例かもしれませんね。

なお、この「Whip It」は本連載当初より紹介したかったのですが、他のMVと関連付けるテーマがなく、かといってDEVOで他にお気に入りのMVがないためDEVO特集も組むことができず、今まで紹介できなかったのです。
しかし、前回のPOLYSICSからの「つなぎ」ネタから無理やり話をつないで紹介したのですが、さすがに1つだけではダメですので、もう1つ「Whip It」とつながるオススメMVを探してきました!

それこそ、今回のテーマである「エナジー・ドーム」つながりの名作MV。
m-floの「SOUND BOY THRILLER feeeeeeeeeeat. LISA」です。

メチャクチャ楽しく、疾走感のあるMVですね。
少年のかぶっている帽子のインパクトがハンパないです。

m-floは日本が誇るHIPHOPグループで、変わったサングラスがトレードマークでラップ担当のVERBAL、ボーカル担当のLISA、トラック担当の☆Takuの3名で構成されます。
1999年にメジャーデビュー後、途中LISAが抜けましたが、今は戻って3名で活動されています。

このMVは以前に紹介したことがあり、m-floについてもご興味がある方はそちらをご覧ください。(以前の回はコチラ⇒「m-floやBBSなど邦楽MVにもイイのがあるよ」

さて、MVというか帽子の話に戻すと。
こちらの帽子は、飛行していたUFOが墜落し男の子の頭に乗っかったものなので帽子ではないのですが、私は絶対DEVOのEnergy Domeをリスペクトしたものだと確信しています。
若干の形状の違いはあるものの、4段の階段上の円錐形の帽子という点は全くそのままで、大きな違いはDEVOのEnergy Domeは主に赤色の単色であるのに比べ、m-floの帽子は下から「赤→黒→黄→白」と4色で構成されているという点ぐらいです。

また、m-floの10周年記念のアルバム「MF10」やライブの宣伝用の写真でVERBALさんがかぶっている帽子はまさしくDEVOの赤いEnergy Domeそのものですし、VERBALの2011年リリースのソロアルバム「VISIONAIR」の宣伝用の写真でもDEVOのEnergy Domeまんまの帽子をかぶっています。
ちなみに、その10周年記念ライブで、ステージ上の☆Takuさんのトラック台がこの4色の帽子の形状になっていて、これがDEVOのEnergy Domeをリスペクトしたものとすると、結構な踏み込み方のように思います。

しかし、m-floやVERBALさんとDEVOにはどんな関連があるのか、ネットで調べたのですが全く情報がなく、気になって寝れない日々が続いています。(もちろんウソですが...)
m-floとDEVOのつながりをご存じの方がおられたら、上のDEVOの「欲望心理学」同様に、ぜひ教えていただければありがたいです。

なお、このYouTubeの動画は、なぜサムネイルに主人公のヘンテコ帽子をかぶった男の子の画像を使わないのか、本当に残念でなりません。
ぜひサムネイルの画像を変更していただきたいと切に願う次第です。

さて、今回の「エナジー・ドーム」つながりのイケてる2つの名作MVはいかがでしたでしょうか。
DEVOの「Whip It」も、m-floの「SOUND BOY THRILLER feeeeeeeeeeat. LISA」の、どちらも超オススメの名作MVですので、未見の方はぜひご覧ください。

ではまた次回に。

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