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満を持してオリバーツリーの登場だ!イケてるDJとコラボしたイケてるMVをご紹介(オススメMV #110)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の110回目です。(連載のマガジンはこちら)

皆さん、「オリバー・ツリー」というアーティストをご存じですか?
音楽好きの若い世代の知名度はそこそこありそうですが、私のようなオッサンには全然知られていない、まさしく新世代のアーティストです。
いつ紹介しようかとタイミングを見計らっていたのですが、なかなか機会がなく、我慢できずに今回特集を組むことにしました。
しかし、単なるアーティスト特集では芸がないので、他アーティストとコラボしたMVで絞ります。
その名も「オリバーツリーのイケてるDJとコラボしたイケてるMV」の特集となります。

では、まず1つ目のMVはコチラ。
オリバー・ツリー&デヴィッド・ゲッタの「Here We Go Again」です。

それほど変化のないシンプルな構成の映像にもかかわらず、飽きることなく最後まで一気に観てしまうのは、優れたMVである証拠です。
ダンサブルだが変化が少なめの楽曲とのマッチングも素晴らしく、文句なしの出来栄えですね。

まずは主役であるオリバー・ツリーを紹介しましょう。
オリバー・ツリー(Oliver Tree)は、自分で曲を作ってプロデュースもし、MVのディレクションまでやってしまうという、「多芸な鬼才」とでもいうべきUSのアーティストです。
カッコイイとかスタイリッシュとはいいがたい風貌ですが、動画の総再生回数が20億以上、YouTube視聴回数が9億以上と、その実力は本物と言えます。
1993年生まれで、なんと6月29日が誕生日のようなので、今日めでたく30歳を迎えられました。
ということで、一応「おめでとうございます」と言っておきましょう。

かたや、デヴィット・ゲッタ(David Guetta)はフランスのDJで、押しも押されぬ世界のトップクラスのDJです。
多くのアーティストとコラボしており、私のお気に入りのシーアとコラボしたMVは過去の回でも紹介しています。
※デヴィッド・ゲッタの過去回はコチラ→「カンフーMVって勝手に命名」

さて、この「Here We Go Again」は、今年の3月にリリースされた楽曲でありMVですが、実は最新作ではありません。
つい先日、9月に3rdアルバム「Alone In A Crowd」をリリースすると発表されたのですが、その発表と同時に先行リリースされた楽曲「Bounce」が最新作となります。
もちろんMVもYouTubeで配信されているのですが、その「Bounce」のMVを観て、我慢しきれず今回の特集を組んだ...というのが経緯です。

話を戻すと、「Here We Go Again」は今年の3月3日にリリースされたシングルで、ツリーとゲッタが初めて組んだ楽曲となります。
楽曲としては、ゲッタの色が濃いように思いつつ、ツリーっぽい味も出ており、お互いの相乗効果でいい楽曲に仕上がっています。

楽曲だけでなくMVもいい仕上がりで、上にも書きましたがダンサブルですが変化が少なめの、つまり印象付けがそれほど強くない楽曲に組み合わされる映像は、味わいがあるもののシンプルな構成でそれほど印象付けが強くありません。
つまり、楽曲と映像のバランスがメチャクチャいいMVとなっています。

詳しく見ると、このMVの映像は3つのパートから構成されています。
1)オリバー・ツリーのソロダンス(冒頭約1分)
2)オリバー・ツリーに加えてピエロのペアダンス(約30秒)
3)オリバー・ツリーを筆頭としたグループダンス(約1分30秒)
つまり、極めてシンプルな構成であることがわかります。

それに加えて驚くべきは、3分あるMVの冒頭の1分をオリバー・ツリーのダンスだけで持たせている点です。
これはプロのダンサーでもなかなか難しいと思うのですが、ツリーのヘタウマというか味わいのあるダンスだからこそなせる業ともいえるでしょう。

そして、3つ目のYouTubeのサムネイルにあるメンバーとのダンスシーンも、特にすごい演出があるわけではないものの、不思議と印象に残ります。
メンバーがバラバラのリズムで顔を揺らす場面から始まり、そのあとのダンスも同じ振り付けがひとりもおらず、完全なる不調和が逆に調和を生んでいるという、見たことがないダンスシーンになっています。
かつ、通常はキレッキレのダンスにするところ、反対に全員がヘタうまっぽいダンスである点も、強くはないものの味わい深い印象付けに寄与しています。(そして、同様に不思議な調和すら生んでいます)

ちなみに、オリバー・ツリーの着ている服は、ツリーの制服ともいえる衣装のようで、他のMVにもこの服を着て登場するツリーが多く見られます。
多分同じ衣装をたくさん持っているんでしょうね。

まだまだ語りたいところですが、そろそろ次のMVに移りましょう。
2つ目の「オリバーツリーのイケてるDJとコラボしたイケてるMV」は、「Here We Go Again」のリリースから遡ること7ヵ月前の2022年8月にシングルとしてリリースされた楽曲でありMVです。
オリバー・ツリー&ロビン・シュルツの「Miss You」です。どうぞ!

これまたダンサブルな楽曲ですが、よりインパクトが強くなり、それに合わせて映像も印象付けが強くなっており、結果的にバランスの良いMVとして仕上がっています。

この「Miss You」で組んでいるのは、ロビン・シュルツ(Robin Schulz)というドイツのDJですが、2015年にリリースした「Sugar」がSpotifyで10億回の再生、YouTubeで7.8億回の視聴というとんでもないヒットを飛ばしたことでも有名です。

そして、そのロビン・シュルツとオリバー・ツリーが組んでリリースしたのが「Miss You」なのですが、実はオリジナルではありません。
オリジナルは2020年7月にオリバー・ツリー自身がリリースした「Jerk」という楽曲になります。
その「Jerk」をリミックスし、オリバー・ツリーとロビン・シュルツの連名で2022年8月にリリースしたのが、この「Miss You」になるのです。

しかし!
同じ「Jerk」を、ドイツ人のサウスター(Southstar)というDJがリミックスし、3ヵ月前の2022年5月にリリースした「Miss You」も存在するのです。
そして、その2つの「Miss You」は、アレンジの違いはあれど同じ曲ではないかと思えるほど似通っています。
もちろん、あとでリリースされたロビン・シュルツ合作版の「Miss You」のほうが洗練されてはいるものの、ここまで似ているのはマズいのではないかとネットでも炎上したらしく、少しググるだけで色々な記事や投稿が出てきます。
私としては、「確かに...」と思う反面、ロビン・シュルツ合作版の「Miss You」のMVの出来が良すぎるだけに、なんとかうまく決着がつけられなかったものかと悔やまれてなりません。

と、ヘンな方向に話が進みましたので、MVに戻しましょう。

「Miss You」のMVは、「Here We Go Again」よりは構成が複雑なものの、それでもまだシンプルで、以下の4つの場面で構成されています。
1)屋外(パトカーの上)
2)屋内(オフィス)
3)屋外(サッカー場)
4)屋内(スーパーマーケット)
※最後に1)と同じ場所に戻る(ただし、パトカーの中)

それぞれの場面での映像構成は複雑で、手の込んだ内容になっており、その分、印象付けも強い映像になっています。
しかし、楽曲自体の押し出しも強いため、バランスが取れたよいMVとして仕上がっているのです。

細かい映像のギミック(仕掛け)についてもお話したいのですが、だいぶ話が長くなってきたので、最後に余談の話を1つして締めくくりたいと思います。

今回紹介した「Here We Go Again」と「Miss You」の両方に出ている出演者がいるのに気が付かれたでしょうか。
主役のオリバー・ツリーはもちろんですが、もう1名います。
そうです、ピエロが両方のMVに登場しているのです。
このピエロ役をやっているのはウイル・ロバーツ(Will Roberts)という役者さんなのですが、プロのピエロとしても活動をされていて、どうりでピエロ役が板についているなと妙に納得した次第です。

と、軽めのネタが終わったところで、今回の「オリバーツリーのイケてるDJとコラボしたイケてるMV」の特集はいかがでしたでしょうか?
オリバー・ツリー単体のMVは毒が強すぎるのですが、それぞれのDJのトラックでいい具合に中和され、なじみやすいMVになっているかと思います。
ぜひ両方見比べて楽しんでください。

ではまた次回に。

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