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実写ストーリー系でイケてるMVはコレ。トレーシーウルマンとフローライダーと、なんとカメオの登場だ!(オススメMV #16)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の16回目です。(連載のマガジンはこちら)

前回はSFアニメのストーリー系MVでしたが、今回は実写のストーリー系MVのなかからオススメを紹介します。

では、さっそく最初のMVに参りましょう。
トレイシー・ウルマン(Tracey Ullman)の「They Don't Know」です。

レトロチックでおしゃれなMVですよね。
この楽曲は1983年のリリース(古い!)ですが、MVの中では更に古く1960年代が描かれています。
つまり、主人公の女性の若い頃が1960年代で、アラフォーになった今現在が1983年...という設定なんですね。

このMVとの出会いはMTVの「懐かしのMV」的な番組で、最初に観た時はそれほど引かれなかったのですが、不思議とたまに観たくなり、そして観れば観るほど味が出てくる不思議なMVです。

トレイシー・ウルマンは、シンガーが本業ではなく、アメリカの有名なコメディエンヌで、映画に主演もされた俳優でもあります。
「トレイシー・ウルマン・ショー」というメジャー番組を20年以上も続け、映画ではウディ・アレンの「おいしい生活」にウディとともに主演しているという、とんでもないスゴイお方のようです。(私はこのMVでしか知らないのですが...)
このMVの後半にはビッグゲスト、なんとポール・マッカートニーが登場しているのですが、それぐらいこのトレイシー・ウルマンさんはスゴイ方なんですね。

最後にスーパーマーケットでちょっと生活に疲れた風のトレーシーが出てくるのですが、でも幸せ感満載で、それがまたいい味出しています。
ちょっと小品ですが、観ていて幸せな気分になるMVです。

タイトルの邦名は「夢見るトレイシー」ですが、ニュアンス違いますよね。
しいていえば「誰も私のこと知らないでしょ!」とか、更に踏み込んで「私の勝手にさせてよ!」とかでしょうか。
でも、そのタイトルじゃ誰も買わない気がします。
そう考えると「夢見るトレイシー」というのはいいタイトルですね。

どんどん行きましょうか。
2つ目の実写ストーリーでオススメのMVは、フロー・ライダー(Flo Rida)の「Sugar ft. Wynter Grodon」です。

いい味出してるMVでしょ。
ちょっとエッチですが、これぐらいであればいいですよね。

フロー・ライダーは、2007年にデビューしたラッパーですが、2009年にリリースしたセカンドアルバム「R.O.O.T.S. (Routes of Overcoming the Struggle)」からシングルカットされた「Right Round feat. Ke$ha」の超ビックヒットにより一躍スターダムに躍り出ました。

この「Suger」は、そのセカンドアルバムからのセカンドシングルですが、「Right Round」も両方別の楽曲をサンプリングしている楽曲です。
「Suger」は、Eiffel 65の「Blue (Da Ba Dee)」を、「Right Round」は、なんとかの有名なDead Or Aliveの「You Spin Me Round (Like a Record)」をサンプリングしています。

サンプリング元の両方の楽曲とも名曲ですので、まだ聴かれたことのないかたは是非聴いてみてください。
特にDead Or Aliveの「You Spin Me Round (Like a Record)」は、楽曲もすばらしいですが、MVもサイコーです。(また別の機会に紹介できればと考えています)

最後の実写ストーリー系でオススメのMVは、トリを飾るにふさわしいアーティスト、カメオ(Cameo)の「Word Up」です。

このMV、メチャクチャ面白いでしょう!
しっかりストーリーがありつつ、ちょっとコミカルで、ボーカルのラリー・ブラックモンの高い声と特徴のある風貌と相まって、脳裏に焼き付いて離れないMVに仕上がっています。

カメオは1970年代から活躍しているファンクバンドで、この「Word Up」は1986年のリリースです。
他にもいい楽曲がたくさんあるのですが、他の楽曲を聴くことはほとんどなく、この「Word Up」の、しかもMVばかり視聴してしまいます。
カメオの数ある良質の楽曲の中でも「Word Up」が断トツにすばらしい、というのもあるのですが、インパクトがあり完成度も高いMVが脳裏に焼き付いてしまっていて、他の楽曲を聴いてもなにか物足りなさを感じてしまう...というのがその理由です。
その結果、カメオはこのMVでしか視聴しない...というチョット悲しい関係性になっています。

なお、英語の発音的には「キャメオ」のほうが正確のようですが、昔から私のなかで「カメオ」と刷り込まれているので、ここでは独断と偏見で「カメオ」と表記させていただきます。

この「Word Up」ですが、カメオ・サウンドと称される音と音のあいだに「間(ま)」を作るテクニックがいい具合に差し込まれており、上にも書きましたがボーカルのラリー・ブラックモンの高い声も相まって印象的な楽曲に仕上がっています。
映像についても、同じくボーカルのラリー・ブラックモンの特徴的な風貌、具体的に言うと股間の真っ赤なカップ(チンカップ、と言うみたいです)のインパクトがあり、それに加えて筋肉質で高身長の体とその体から発せられる高音とのギャップが強い印象を与えています。
そして、友達や彼女、お母さんまでも途中で出てきたりしてウイットに富んだ演出もあり、楽しませてくれます。
カット割りや映像演出も凝っていますが、過度な視覚効果がないことが楽曲を前面に押し出すことにつながっており、良質なMVへと仕立て上げています。

決して潤沢な予算で制作されたとは思えませんが、様々な工夫で素晴らしいMVが作れる見本のほうなMVになっています。(もちろん、ベースの楽曲がすぐれているからこそ、ですが)
この「Word Up」のMVは、音楽史に残る名作MVの1つではないかと考えています。

さて、今回は「ストーリーがある実写のMV」を3つ紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
いずれのMVも、ストーリーを楽しみながらも楽曲のよさもしっかり聴くことができる、素晴らしいMVです。
ぜひお時間のある時に観てみてください。

ではまた次回に。

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