見出し画像

コラージュMV第2弾!フランツフェルディナンドとスコットヘレンは、我々を異次元世界へと誘う(オススメMV #41)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の41回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回は「勝手に命名シリーズ」の4回目で、テーマは「コラージュ」。
以前にも「コラージュMV」と命名したオススメの2本を紹介しましたが、今回はその第2弾です。

以前のコラージュMVは「動画のコラージュ」でしたが、今回は「静止画のコラージュを動画にした」という、本来のコラージュっぽい手法のMVとなります。

まず最初のコラージュMVはこちらです。
フランツ・フェルディナンドの「Take Me Out」、ご覧ください!

いいでしょう!
これぞ「コラージュ」ですよね。
レトロチックで不思議な画像が組み合わされ、異次元にでも迷い込んだような気にすらさせてくれます。
それと、もちろん楽曲も素晴らしく、その楽曲自体もこのコラージュとも言えなくない...というMVです。(
詳細はまた後ほど)

フランツ・フェルディナンド(Franz Ferdinand)は2001年に結成されたイギリスのバンドで、インディーズで人気を博したのち、2004年にメジャーデビューした直後の1stアルバム「Franz Ferdinand」が本国のイギリスをはじめ全世界でヒットし、一躍スターダムに躍り出た...という驚異のバンドです。
今回紹介する「Take Me Out」は、その1stアルバムに収録されているのですが、メジャーデビュー直後からこのクオリティの楽曲で、かつMVもこのレベルとは末恐ろしいとはこのことですね。

この「Take Me Out」ですが、映像だけでなく楽曲が素晴らしい、というかMVと関係なく楽曲のみでも素晴らしく、名曲といっても過言ではないほどです。
そして、得てしていい楽曲の場合は映像は抑え気味にしたMVを制作しがちなのですが、「Take Me Out」では映像も凝りに凝っていて、これでもか!というぐらいチャレンジしています。

コラージュMVとして取り上げましたが、実はこのMVのアイデアは正真正銘コラージュからヒントを得て制作されました。
マックス・エルンスト(Max Ernst)というドイツ人の芸術家が出版した「Une semaine de bonté」(邦題:慈善週間または七大元素)というコラージュの画集というか小説がきっかけになっています。

この「Une semaine de bonté」のコラージュは不思議な世界観で、体は人間で頭が鳥だったり、爬虫類や花、訳の分からないモノと組み合わさった人間が山盛り出てきますが、どちらかと言えばダークな印象です。
それに比べると「Take Me Out」のコラージュは、同様に不思議な世界観ではあるものの、ダークではなくおしゃれ感すら漂わせています。

この「Take Me Out」のMVは、映像がコラージュであるだけでなく、楽曲自体も変わっています。
4分ジャストの楽曲ですが、最初の1分とそのあとの3分が全く別の楽曲と言っていいほど違うテイストになっています。
細かく言うと、最初から55秒までが1つ目の楽曲、55秒から1分5秒までがつなぎの部分、そして1分5秒から最後の4分までが2つ目の楽曲となっています。
つまり、楽曲自体もツギハギ、いわばコラージュとも言えます。
2つの組み合わせでコラージュと言うのはチョットこじつけっぽいので、そろそろ次のコラージュMVにいきましょう...

続いてのMVは、同じコラージュMVでも映像もそうですが楽曲も全く違うテイストでチョイスしました。
テイストは違うものの、「Take Me Out」に勝るとも劣らない優れたMVであり楽曲です。

スコット・ヘレンの「The Class of 73 Bells」です。どうぞ!

これまたシブイ!
スローな映像にダウンビートな楽曲が完全にマッチしています。
スクール・オブ・セヴン・ベルズの歌声がどこかの異次元の世界に誘っているかのようです。
インパクトや押し出しが強くないのですが、精神を侵食されるようなMVになっています。

この「The Class of 73 Bells」は、スコット・ヘレンの数あるソロプロジェクトのひとつ、プレフューズ73(Prefuse 73)名義でのリリースです。

スコット・ヘレン(Scott Herren)は米国のアーティストで、エレクトリック系の音楽がメインですが、振り幅が広く、前衛的な楽曲からメロディアスなものまで多様です。
スコット・ヘレンの代名詞は「ボーカルチョップ」という技法で、DTM(デスクトップミュージック:パソコンでの音楽作成)ではポピュラーなその技法を編み出したのが、この人、スコット・ヘレンです。
その手法は、ボーカル(スコット・ヘレンの場合はラップ)を分解し、再構成するというもの。
ある種、楽曲のコラージュとも言えなくもありません。(結構、これもこじつけですが...)

実はこの「The Class of 73 Bells」、楽曲もMVも素晴らしいのですが、そのシングルEPのアナログレコードジャケットが素晴らしい!
私の敬愛する竹中英太郎という画家の画風とも少しに通っているところも、またお気に入りの理由です。
(竹中英太郎さんについては、別に連載しているレコードジャケットの楽しみで掲載しているので、こちらもぜひご一読ください)
いずれにせよ、この「The Class of 73 Bells」のMVは、まごうことなき名作MVであることは間違いなく、まだご覧になっていない方はぜひご覧ください。

さて、今回のコラージュMVの第2弾はいかがでしたでしょうか?
2つのMVとも、テイストは違えど素晴らしいMVであり楽曲です。
未見の方はぜひ一度ご覧ください。
不思議な空間に迷い込むこと、確実です。

ではまた次回に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?