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和洋のヘンテコMV対決。SAKEROCKとGymClassHeroesのキワモノ具合は甲乙つけがたし(オススメMV #55)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の55回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回は「このMV、なに?」と思ったヘンテコなMVを、邦楽と洋楽それぞれ1つずつ紹介します。
もちろん、ただ単にヘンテコではなく、「ヘンテコだが、素晴らしい!」というオススメMVですので、期待してご覧ください。

では、まず最初は邦楽のヘンテコMVです。
SAKEROCKの「ホニャララ」です。

「なんじゃ、こりゃ?」と思ってしまう、ヘンテコ極まりないMVです。
というか、これがMVと言えるのかどうか...
しかし、脳裏に焼き付き、何度も見てしまう中毒性があるMVです。

この楽曲を作ったSAKEROCK(サケロック)を皆さんご存じでしょうか?
私はこのMVを見るまでSAKEROCKの存在を知らず、MVで「星野源」というキャスト名が表示されても全くピンと来ず、完全スルーしてしまいました。
そうなんです、このSAKEROCKは、かの有名な星野源さんを含めMVでキャスト名として表示されている4名の方で構成されるバンドで、2000年に結成し既に2015年に解散してしまっています。

この「ホニャララ」は、2008年にリリースされた同名の3rdアルバムのタイトルチューンなのですが、「ホニャララ」の楽曲だけを聴いてもMVの映像が脳裏によみがえり、かつ物足りなくなり、結局MVの「ホニャララ」を見てしまう...という、まさしく中毒症状を引き起こすMVです。

私の「MVは楽曲のためにある」というポリシーに全く反するMVで、楽曲よりも映像の押し出しが明らかに強く、かつ楽曲が始まる前の映像だけ(というか、映像+ナレーションというルール無用の構成!)が1分近くもあるのですが、そんなことはどうでもよくなる程、理解の範疇を超えた神がかり的なMVとなっています。

「こんなMVを制作したのは誰なんだ!」と思って調べてみたところ、「山田一郎」という聞いたことの無い方がディレクションされていました。
この「山田一郎」ですが、なんと個人名ではなく星野源さんと映像作家の山岸聖太さん、そしてデザイナーの大原大次郎さんの3名からなる映像制作ユニットの名称だった...というオチが付いています。

「他にもスゴイMVをリリースしてるんじゃないか!」と思ってひと通りMVを観てみたのですが、それが私の嗜好には全く合わず、SAKEROCKとはこの「ホニャララ」のMVだけを観る、という関係になっています。

さて、あまりに「ホニャララ」が凄すぎるので、それに対抗できる洋楽のヘンテコMVとなると全世界を見渡してもそんなにありません。(ただ単にヘンテコなだけのMVは、もちろん山のようにあるのですが...)

そんな中、違った方向性で際立った「ヘンテコMV」が洋楽でありました!
Gym Class Heroesの「Guilty As Charged ft. Estelle」です。

ワケがわからないのですが、この満足感と高揚感、何でしょうか?
タランティーノの映画のような雰囲気すら醸し出しています。
楽曲、映像、出演者のキャラクターの三位一体が生み出した奇跡のMVです。

Gym Class Heroes(ジム・クラス・ヒーローズ)は、1997年に結成したバンドですが、HIPHOPをベースとしながらもPOPSやR&B的な要素もあり、イケてる楽曲を数多くリリースしています。(個人的にはもっと売れてもいいと思うのですが...)
中心メンバーのトラヴィー・マッコイ(Travie McCoy)がセンスの塊のようなアーティストで、まだまだ40歳なのでこれからが楽しみです。

この「Guilty As Charged」は、2008年にリリースされた4thアルバム「The Quilt」に収録されシングルカットもされた楽曲ですが、楽曲もいいのですがMVが素晴らしすぎます!
ストーリーがあるようですがキッチリとしたものはなく、場面ごとの映像もワケがわからないものばかりですが、全く違和感がないばかりか出演者のキャラクターと絶妙にマッチングし、高い満足度と高揚感を与えてくれる奇跡のMVとして仕上がっています。

客演に迎えているエステル(Estelle)もMVにガッツリ出演し、いい味を出しています。(エステルは、以前この連載でも紹介していますが、雰囲気がぜんぜん違いますね)

さて、今回の和洋2つのヘンテコMV対決の結果ですが、私的には「ホニャララ」のほうがMVとしてはぶっ飛びすぎているので、キワモノ具合としては勝ち!と判定させてもらいます。(観る方の嗜好によって変わると思いますので、あくまで私の主観としての感想です)

しかし、今回紹介した2つのMV、「ホニャララ」と「Guilty As Charged」の両方に言えることがあります。それは「真面目にそして真剣にふざけている」からこそ優れたMVとして仕上がったのではないか、ということです。
これは、タモリさんの名言「狂気を演じることができるのは知性だけだ」にも相通ずるものがあると思いますが、皆さんはどう思われますか?

今回はヘンテコだが素晴らしいMVを2つ紹介しました。
2つとも観てソンはない名作ですので、ぜひご覧ください。

ではまた次回に。

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