見出し画像

バスとダンスって相性イイの?シガーラとギャランティスの違ったアプローチをご紹介(オススメMV #102)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の102回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回は「バス+ダンス」というテーマでお届けします。
バスが登場するMVはそこそこありますが、バスの中でダンスをするMVはあまりなく、その中でもバスとダンスを中心に据えたオススメMVを2つ紹介します。

このテーマを取り上げたのは、昨年2月にYouTubeにアップされたMVを観て、同種のお気に入りのMVとの比較分析をしたことがきっかけです。
まず最初に昨年2月にアップされた「バス+ダンス」のMVをご覧ください。
シガーラの「Melody」です。どうぞ!

凝りに凝ったMVですね。
バスの中でのダンスを中心に、様々な要素が詰め込まれながらも楽曲とのマッチングがいいので最後まであっという間に観ることができます。

シガーラ(Sigala)は英国のDJで、大学で音楽を学んだあと他のアーティストのプロデュースをおこない、2015年にデビューしました。
そのデビューシングルがUK1位になり、2018年にリリースした1stアルバムもUKダンスチャートで1位になっている新進気鋭のアーティストです。
ナイルロジャースはじめ様々な大物アーティストとのコラボもしており、今後の更なる飛躍が楽しみです。

この「Melody」は今年2022年2月にリリースされたシングルですが、シガーラの特徴であるピアノを中心に据えたエレクトロニックサウンドの色が少し薄いものの、ノリのいいダンサブルな楽曲になっていて、その分ダンス中心のMVとのマッチングもイイ感じです。

では、さっそくMVに話を移しましょう。
MVを観ると、上にも書きましたがモリモリの内容になっています。
バスに乗った女性がもうひとつの違う世界(パラレルワールド?)と交互に切り替わりながらダンスをする内容ですが、各ダンサーの違う世界とのキャラクターの切り替えや、違う世界でのバスなどのデザイン、乗客というかダンサー全員でのダンスシーン、場所を移したスタジアムのダンスや夜のダンスシーンなど、よくもこれだけ詰め込んだな...というほどです。

しかし、その細部までのこだわりが逆に裏目に出ている感もあり、私などは通してみるよりも何度も一時停止してダンサーのキャラクターの変化やデザインの違いを確認することが多く、音楽を楽しむために映像があるというMVの基本から外れた視聴になってしまっています。
また、ストーリーがあるように思わせながらも、突然スタジアムでのダンスや夜のダンスシーンがあるなど、バラバラ感も否めず、さらにはカット割りが細かいのでせっかくのダンサーの素晴らしいダンスを味わえないという点もあります。(狭いバスの車内でのダンスも、色々なバリエーションを見せてくれるのですが、無理矢理感があるのも事実です)
もちろん素晴らしいMVであることは間違いはないのですが、素晴らしいだけにもったいないという感じも否めません。

この「Melody」のMVを観て、お気に入りのMVのひとつを思い出しました。
それが2つ目に紹介する「バス+ダンス」のMVとなります。
ギャランティス&ドリー・パートンの「Faith」です。

シンプルで楽しいMVですね。
ダンサーのダンスの印象付けもありつつ、ドリー・パートンのキャラクターもしっかり生かされていて、いいMVのお手本のような仕上がりです。

ギャランティス(Galantis)は、この連載で過去3回も登場している私のお気に入りのアーティストで、ご興味ある方は以前の連載をご覧ください。
(以前の連載はコチラ⇒実写にイラストを重ねるって面白ダンスMVと勝手に命名ジャパニーズ洋楽MV第二弾

そして、ドリー・パートンとミスター・プロブズは、このMVで初めて出会ったアーティストになります。
ドリー・パートン(Dolly Parton)はUSのカントリー・ミュージックの大御所で、1955年から活動を開始されグラミー賞を8回も受賞しているというスゴイお方ですが、私自身カントリー・ミュージックと縁がなくこのMVを見るまでは恥ずかしながら存じ上げませんでした。
しかし、1980年の大ヒット映画「9時から5時まで」の主題歌が、このドリーさんの楽曲と知り、驚いたことを覚えいます。
この「9 to 5」はドリーさんの楽曲のNo.1ヒットなのですが、カントリー・ミュージックっぽくなく、どちらといえばポップスよりの楽曲となっていて、映画のテイストに合わせて作られていることがわかります。
そして客演(featuring)として参加しているミスター・プロブズ(Mr. Probz)はオランダのシンガーソングライターで、2013年リリースの「Waves」という楽曲が多くの国でチャート1位となり、翌年のリミックス版も同じくビッグヒットとなったようです。
しかし、こちらも当時は全く存在を知らず、この「Faith」のMVをきっかけに聞いてみたところ、結構イケてる楽曲で、さすがにヒットしただけのことはあるなと思った次第です。(特にリミックス版がイイですね)

では、「Faith」のMVの解説に参りましょう。
この「Faith」のMVは、めちゃくちゃシンプルです。
草原に1台のバスが到着し、止まった車内で乗客が次々に踊り出します。
最初は車内で踊っていたのですが、踊りがエスカレートし、とうとうバスを降りてバスの前の草原でみんなが踊りまくるのです。
と思っていると、バス前方のドアが開き、運転席のドリー・パートンが歌い出す、というサプライズ!
この時点で1分40秒と、全体の3分27秒のほぼ半分となり、ここからはドリー・パートンを前面に出した映像構成になっています。
そして最後はまた全員バスに乗って、バスの中で踊りながらバスは動き出し去ってゆく...という捻(ひね)りも何もないのですが、それが逆にダンスやドリーの印象付けにつながり、無駄のない洗練されたMVとして仕上がっているのです。(しいて言えば、もうちょっとダンスシーンのカット割りが長めなら文句なしなんですが)
また、ドリーさんがご高齢にもかかわらず(撮影時には、なんと75歳!)元気ハツラツで、ドリーさんのあふれんばかりの笑顔と躍動感がこのMVのクオリティアップに寄与していることは間違いありません。

しかし、ギャランティスのMVのクオリティは本当に高いですね。
このMVでもイイ感じでギャランティスのふたりが登場し、前面には出ないのですが存在感はしっかり出しているのには脱帽です。
上にも書きましたが、ギャランティスは楽曲だけではあまり聴かないものの、多くのMVはお気に入りでヘビロテしており、それだけMVの映像がギャランティスの楽曲の良さを最大限に生かしている証拠だと考えています。

今回は「バス+ダンス」をテーマにした2つのMVをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
両方ともオススメですので、見比べながらぜひご覧ください。

ではまた次回に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?