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ペルノリカール社がアイラ島に新しい蒸留所を建設か…

 このところ10月15日に行われるコニサークラブ、コニサー有資格者向けイベントの1部・2部で私がやる基調講演の内容について考えていた。さらに今週初めに『ウイスキーコニサー倶楽部』の入稿を済ませてしまったが、その中で私が書いている〝ウイスキーニュース”のため、ここ1~2ヵ月の世界のウイスキーにまつわるニュースを読み返していた。コニサー倶楽部ではインチデアニーのライローに次ぐ、ポットスチルウイスキー(!)や、北アイルランドのベルファストのタイタニック蒸留所のことなどを書いているが、昨日、とんでもないニュースが飛び込んできた。それが、ペルノリカールがアイラ島のガートブレックに新しい蒸留所をつくるというニュースだった。

 ガートブレックはボウモアの先にある海に面した土地で、目の前にロッホインダールの砂浜が迫っている。実はここに新しい蒸留所を建てるという話は今から7~8年前くらいにあり、私も一度、その現場を見に行ったことがある。古い農家の建物が1つポツンと建っているだけで何もない。計画していたのはフランス人の夫婦で、ボウモアのクリスティーンに聞いても、あそこでは無理という話だった。というのも大型のトラックなどが入れる道はなく、そして何より水源がないからという話だった。

 あれから6~7年。今回ペルノのこの計画を知って、やはりフランス人つながりかとも思ったが、ペルノであれば資金面では何の問題もなく、道路も水源確保もやってのけるだろう。なにしろディアジオに次ぐ、世界第2位のスピリッツメーカーである。そのペルノがやるというのだから、世界中のウイスキーファンの注目が集まるのも当然だろう。

 ペルノがスコットランドに所有するモルトウイスキー蒸留所は現在12ヵ所。オークニーのスキャパを除いて、そのすべてがスペイサイドに集中している。スキャパではスモーキーなモルトは造っていないので、シーバスにしろ、バランタインにしろ、ペルノはアイラの蒸留所からスモーキーな原酒を買って、それをブレンドに入れていた。今回ガートブレックを創業するのは、そんなところにも理由があるのだろう。年々、アイラのモルトが手に入りづらくなっているからだ。

 まぁ、そんな最新の情報も交えて、15日のコニサーイベントでは、今スコッチやアイリッシュで起こっていることを1部では述べようと思っている。もちろん2部はジャパニーズの最新事情。特に大麦のテロワールや、日本産大麦の可能性についても、触れようと思っている。世界の蒸留所だけでなく、今日本の蒸留所も、大麦のテロワールに高い関心を寄せいているからだ。

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