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アイアム マッドファーザー2

前回の文章を打ち込み、公開した前後くらいに、マッドファーザーの製作者であるせんさんから「英語音声の追加をお願いしたい」とのお話を頂きました。
つまりその時には「決まっていた」ということさ。

という事で、今回は英語音声の追加、笑い声の追加について。その辺りのことをつらつらと語ります。

実は、英語音声をやりましょうか?というのは、Steam配信が決定した時点でポツリと話してはいました。
ただ、どう演じたもんかな、という迷いやら練り込みの無さがあって、モヤモヤしていたんですな…。
当時録ったのは、鬼ごっこに該当する部分。
大空スバルさんが実況でキッチリ聞き取られた通り、「今から(捕まえに)行くぞ」という音声。そして、扉から現れる場面での、日本語だと「ばぁっ!」と脅かす所ですが、これが英語だと"Boo!!"となっている、この二つを録音しました。
で、当時、例によって英語圏ではどんな発音なのよ、と調べてみたんですが、これ、赤ちゃんをあやす、日本で言う所の「いないいないばぁ」、つまり"Peek a boo!"に該当するわけでして…マジで赤ちゃんをあやすヤーツしか見当たらない。
これ、当時は大変困りました。確かに、娘に対して「遊ぶ」感覚で演じるならば、明るいboo!というのも考えられたのですが、緊迫した場面ならば水を差すばかり。じゃあ怖く演じるならどうなる…?と思案しまして。
他に映画のパロディとかがないかなーと数少ない引き出しを開けてみるも、シャイニングの有名な"Here's Johnny!"でジャック・ニコルソンが顔を出してるシーンしか思い浮かばない。あれはアチラで昔流行ったテレビ番組ネタなので、英語音声とは言えドイツが舞台の場では不似合いに思えました。
結局、不安まみれで"Boo!"を決定稿としたのですが、後年、とある映画で「アレで良かったんだ…」と安堵したんですな。
映画「デッドプール」(2016年公開。めっちゃ好き)の冒頭で、まさに主役のデッドプールが素顔を明かす場面が、まんまコレと同じというね。
いやー、アレはホント安心した。数年越しの答え合わせですよ。
当時の俺、もっと調べようぜ、マジで。合ってて良かったけどさ。

とは言え、同じような表現をしている映画には、まだ当たってないです。もしこの映画の他に見た事ある!って方は教えて欲しい、ホントに。マジで。

さて、時は流れて今年2020年。
三度、せんさんからの依頼が舞い込みます。
最初のマッドファーザーは20代。次はアラサー。
そして今回はアラフォー!まさにドンピシャの年齢となったわけです。

「おっしゃ、やったるで!」

謎のヤル気でそう意気込んだのは良いんですがね、そこからまさかの引越しとか録音環境の再構築とかやる羽目になったわけです。どこぞの若白髪Vじゃないですが、自分の見透しの甘さを思い知りましたね…まぁ、そこで生まれた時間で、色んな海外映画を見て勉強出来たわけですが。
いや、良い勉強になりました。

今回大きく影響を受けたのは、ダークナイト。不朽の悪役・ジョーカーです。
名優・ヒース・レジャーによるこの作品のジョーカーは、他のバットマンに登場するジョーカーよりも印象深い、近年のジョーカー像を代表するものになっています。少なくとも俺はそう思う。

最近見た「JOKER」(2019)も良かったけど、アレはアレでジョーカー本筋の設定的には蛇足感凄すぎてね。
映画のビジュアル、逃れられない貧困という描写から、周囲や街をKHAOSに落としていく一種のカタルシスというか、そういうのは面白いとは思ったけども。
いざ現実に帰ると、仕掛けやらなんやらが見えてきて、いささか興が冷めたんですよね…
Twitterで語ろうとして、自分の中で思い起こして練り直している内に、「これはバットマンやDCヒストリーの中で、一体どういう位置づけなんだ?」という問題にブチ当たってしまい。
映画のベースになるコミックを所持している自分としては、それと付き合わせながら「コレってジョーカーの質の悪い嘘オリジン語りじゃん…」となってしまい…

というのは置いといて、だ。マッドファーザーなのにジョーカーの話になっとる!それは別の機会に!あったら話す!

ともかく!俺の中で燦然と輝く?いやさドス黒く歪んだジョーカーは、やはりダークナイトだったわけですよ。
あの狂気に少しでも近づきたい!と思い、結構な数を見返しました。
Netflix万歳。

モロに、と言えるほど演技は寄せていません。俺はヒース・レジャーじゃねーし。
今回調べてたら、生きてたらメッチャ年齢近いって分かってビビったけど。あの歳であのジョーカーやったのかよ。天才か?そうか天才か。
というわけで、狂気を演じるために死の底を覗いた名優をリスペクトして、とある台詞がお父さんの狂気とバッチリ噛み合った事もあって、オマージュの台詞を組み込みました。
何処のどれ?とは言いません。興味を持ったら探してみてね。

そんな個人的感情マシマシの台詞より力を入れたのは、笑い声です。
以前は高笑いのワンパターンしかなかった笑い声ですが、今回で相当増えると思います。
それこそ、妄執に囚われた狂気を実現するお父さんの、「目的」を果たすためだけの不快感極まりない笑いのバリエーションをお約束します。
今までにない極上の不快感をあなたに!

…これ普通の商品の売り込み方じゃねぇ。

ともあれ、アップデートをお楽しみに!

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