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高校一年の「ビューティフル・サンデー」
高校一年の頃、女の子と九段下で待ち合わせたことがあった。どうして九段下だったのかは思い出せない。地下鉄の改札を出て地上に上がると武道館が見えたのでそちらに向かった。行くあてはなかった。ただ歩いた。
この歌の通り、芝生を抜けて、お堀を抜けて、オフィスビルの建ち並ぶあたり(それが丸の内だと知ったのは大人になってからのことだった)をただただ歩いた。
どれぐらいかかったかは忘れてしまったが、新橋駅に着いた。あっという間だったような気もするし、2〜3時間かかったような気もする。
駅に着いてしまうと、もうそれ以上何をしたらよいのかわからなくなってしまった。「いっしょに歩く」ということ以外に、デートのアイデアを持っていなかったのだ。お茶するとか、買い物をするとか、そういう大人びたことをしたことがなかった。つい何ヶ月か前までは中学生だったのだ。友だちと遊ぶと言えば自転車で遠出をするとか、コロッケやパンを買い食いするかぐらいだ。当時はカラオケやショッピングモールはなかった。ヴィレヴァンもGUもスタバももちろんなかった。
せめて新宿か池袋で待ち合わせていたなら、映画館に入るとかサンシャインシティに行くとか、僕にでも何かできることがあったかもしれない。九段下〜新橋は難易度が高すぎた。
何をしていいかわからず、何もすることがなくなって、じゃあまたねと別れたんだった。
ビューティフル・サンデー
千鳥ヶ淵の 坂を上がると D A
汗がひたいから流れた Bm A G
きみは笑って アイロンのかかった Em A
ハンカチを ぼくに 差し出す D A
芝生をぬけて お堀をぬけて
日曜の丸の内を行く
車も人も いないからきみの手を取って
道路の真ん中を歩いた
大人たちの要塞都市を D G D G
二人で占領した気分さ Em F A
ああ このままずっと D
なんにもしばられずに きみと F# Bm E7
ああ このままずっと D
誰にもしたがわずに きみと F# Bm E7
永遠の休日を歩いていたいよ G7 D Bm A
ビューティフル・サンデー A7 D
明日になれば 行き交う人で
にぎわう舗道に座りこみ
缶コーヒーを 分けあって飲んだ
口紅をぬぐう しぐさにみとれた
いくつになっても
子どものままでいられる
きみと二人でいれば
ああ このままずっと
なんにもそこなわずに きみと
ああ このままずっと
誰のためでもなく きみと
永遠の休日を歩いていたいよ
ビューティフル・サンデー
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