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新曲とか、CDに入れなかった歌

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新しく作った歌とか、昔作って録ってあった歌とか、昔の歌を作り直してみた歌とかです。
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死ぬのが楽しみ

Capo=-2 G D C G 43歳になった 父親が死んだ歳だ G D C G それを思えば僕はもう いつ死んでもおかしくはなくて G D C G だからか死ぬことについて この頃よく考える G D C G 死にたいわけではない 死にたくはないけど G D C G 僕はなんだか それを楽しみにしてる  Em Bm7 C D7 G ような気もする 死ぬのが楽しみ Am7 D7 G D C G じゅうぶんに生きたとは まだ思わないけれど やりたいことはやって来たし わがままに生きて来た まわりに迷惑をかけて そのお礼もできず 借りを返せなかったことは 残念と言えば残念 けれどこのまま 逃げてしまいたい ような気もする 死ぬのが楽しみ そのとき僕のそばには 誰がいるんだろう そのとき僕は何を 思い出すんだろう 子どもが生まれて来るのを待つ 親の心にも似た  不安と期待が入り混じった 複雑な気持ちで 僕はなんだか それを楽しみにしてる ような気もする 死ぬのが楽しみ 死ぬのが楽しみ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ずいぶん前に作った歌なんですけど、不謹慎なような、縁起でもないような気がして、ほっぽらかしていました。石田衣良さんのYoutube番組見て、録ろうと思いました。 https://youtu.be/d6h02dqVtUE?si=nMrcTMFbg4dmED5h

あなたのすべてを好きになるまで

僕の歌に「ラブストーリー」というのがあるんですけど、もともとはこんな歌でした。 あなたのすべてを好きになるまで Capo=2 僕はあなたの声が好きです C 初めて電話をしたときから Fmaj7 C それは気持ちよく晴れた春の朝でした Fmaj7 C Am うしろで小鳥のさえずりが聴こえました Dm7 G7 僕が「おはようございます」と言うと Fmaj7 C あなたは「おはよ」って言いました E7 Am とてもすがすがしい声でした Fmaj7 G7 あなたの声は C 僕はあなたの脚が好きです はじめてドライブしたときから あなたはショートパンツをはいてました 僕の助手席に座った初めての女性でした それはセクシーというよりも 少年のように健康的で まぶしいほどまっすぐな脚でした あなたの脚は 僕はあなたのしぐさが好きです いっしょにモス・バーガーを食べたときから あなたはこんもり挟まったレタスのかたまりを 崩さずきれいに食べようとがんばっていました 雀みたいなかわいい口もとが もぐもぐとお行儀よく動いて ハンバーガーごと食べてしまいたいほどでした あなたのしぐさは 僕があなたのすべてを好きになるまで Fmaj7 時間は要りませんでした C C7 そばにあなたがいれば他には何もいらない Fmaj7 そう思えるまで C いっしょに図書館へ行って Dm7 G7 いっしょにビリヤードをして Em A7 いっしょに夕陽をながめて D7 G その日一日で充分だったんです F G C あなたのすべてを好きになるまで Dm7 G7 C 僕はあなたのぬくもりが好きです 今でもソファに寝っころがって 背中や足をくっつけて本や映画を 観て過ごす休日が一番やすらぎます もちろんはだかのあなたのぬくもりも好きです あなたはパジャマ越しに伝わる ぬくもりの方が好きだって言うけど あなたのぬくもりが好きです 僕はあなたのまじめさが好きです 二十歳のあなたに愛してるって言ったとき そんな言葉は一生に一度言われればいいんだと 「ありがたみがなくなるじゃない」って怒られました 二人が初めて出会ったときから 20年目の誕生日おめでとう 僕はとってもうれしいんです 誕生日おめでとう 僕はあなたの顔が好きです こないだ電車で見かけた若い子に 惹かれてしまって見惚れていたら あなたに似ていることに気づきました 今もう一度出会ったとしても またあなたを好きになるんだなって思うと うれしくなってにやけていたら その子ににらまれました 僕があなたのすべてを好きになるまで 時間は要りませんでした そばにあなたがいれば他には何もいらない そう思えるまで いっしょに図書館へ行って いっしょにビリヤードをして いっしょに夕陽をながめて その日一日で充分だったんです あなたのすべてを好きになるまで 僕はあなたの思い出が好きです いつか僕の頭が呆けてしまったり 心が石のようにかたくなって 何も感じなくなってしまっても あなたへの気持ちとあなたの記憶を 失わないようにこの歌を作りました 歌えば僕は思い出します あなたのすべてを そのときに言ってもいいですか? 愛してますと

さよならライブ

いつもライブが始まると G Bm7 Em 君がどこかで C D7 見ていてくれるからって Bm7 Em Cmaj7 思っていたよ B7 君の姿をみつけたら 曲を変えて いつもあの歌うたって みつめていたよ そんな君をさがす癖が C G 今も身について離れない F#m7-5 B7 Em Em7 君がくれたこのタオルも Cmaj7 G 色があせてさえ使ってるのは F#m7-5 B7 Em D バカだな Cmaj7 D7 夜毎 街をさまよっては 歌える場所を 探してる 君にもう一度 会える気がして 最後に別れの歌ひとつぐらい 僕に歌わせてくれたっていいじゃない 涙で喉をつまらせたり 声をふるわせたりしないように 歌うから 今もライブが始まると G Bm7 Em 君がどこかで C D7 見ていてくれるかなって Bm7 Em Cmaj7 思っているよ B7

再生

お金だけがない

友だちもいるし 恋人だっているし そのうえ妻もいる 子どもまでいたりする という歌詞は、クスッとでもニヤッとでも笑ってもらえればいいのだけど、もしかしたら不寛容な今のこの世の中では怒られてしまうのかもしれない。そう思いつつ動画を上げたのだけど、今のところイイねが74、ダメだねは0だ。良かった。こう書いたからと今からbadボタンを押したりはしないでほしい。 たぶん「お金だけがない」ということについても、それを楽観的に捉える人もいれば悲観的に捉える人もいるんだろう。この歌を貧乏人の歌と捉えるのか、心豊かな人の歌と捉えるのか分かれるだろう。 お金は何かを得るための手段であって目的ではないはずなのだけど、今の世の中では何より一番の目的になってしまっている。宵越しの銭は持たねえって感じの江戸時代とは違うのだ。宵越しの銭があったら積立NISAへどうぞと言われそうだ。けどもしかしたらバブルの頃はそんな江戸っ子のような感じだったかもしれない。給料日が近くなるとみんなパーッと使い切っていたような気がする。そのお金を積立NISA(なんてなかったけど)にでもしておけば今頃はホクホクだったかもしれないが、それは後から言えること。あの頃が楽しかったのだからそれで良かったのだ。お金は貯められても喜びはとっておけない。

バッティングセンターに通って

バッティングセンターに通って 今日もまた G バッティングセンターに通って Cm 135キロのボールを打ち続ける G フェンスの向こうのネットに G 156センチの君の面影を重ねている Cm G 的を狙って D 来た球を打ち続けている C Em A7 ひとりごとを言いながら C D7 B♭ 君しかいないんだよ A♭ G 僕には君しかいないんだよ B♭ A♭ G 今日もまた 街を歩いていても 気がつけば君の姿ばかりをさがしている 後ろをついていったりしてさ ふと我に返る 君がここにいるはずはない 麻薬のような中毒を紛らわすために 僕は打ち続けている 君しかいないんだよ 僕には君しかいないんだよ やっぱり君しかいないんだよ 激しく君しかいないんだよ この悲しい気持ちを Em D まぎらわすために C Cm G 今日もまた

そしてひとりになる

浮気だろうが不倫だろうが その人を好きになったなら それまでずっと付き合っていた あの人と別れなくちゃ さよならごめんね かくかくしかじか 「あなたが嫌いになったわけではありません」 なんてグレープの古い歌みたいなこと言うと あの人はわーんわーんと さみしいよーって大泣きした それは予期せぬことだったから 自分でしたこととはいえショックだった 頭を殴られたように ギャグマンガのように 星が目から飛び出てぐるぐる回った 恋人であると同時に あの人と僕は友だちだったから 悲しませて僕ひとりだけ 幸せにはなれない さよならごめんね かくかくしかじか 「あなたが嫌いになったわけではありません」 けどつきあうことはやっぱりできません かと言ってあの人と 元のさやに収まるというのでは 虫の良すぎる話なので ひとりになろうと思います それはそれとて 身勝手な話だから ビンタを食らった 星が目から飛び出てぐるぐる回った そして僕はひとりになる 二兎を追うものは一兎をも得ず っていうよりはひとりになりたかった 星が目から飛び出てぐるぐるまわった

スッカラカンな日々

朝早く起きて 弁当を作って 子どもを送り出す 洗濯は好きな時間だ メダカにえさをやり 紅茶を飲みながら チャートを起ち上げて 今日のゆくえを占う スッカラカンな日々 かわりばえのない毎日 今 俺は誰に向かって歌ってるんだ? まっしろな画面に 文字を書き出す 感動のないところに 生まれた言葉はクソだ 何もしないまま 歳だけはとっていく 誰よりも自分が うんざりしている スッカラカンな日々 かかわりあいのない毎日 今 俺は何のために歌ってるんだ? 取り戻せ 俺の日々を 取り戻せ 俺の夢を 取り戻せ 俺の欲望を 取り戻せ 昨日も今日も 同じ気分だ さえない気分だ 早く抜け出さなくちゃ

若いなお前ら

下北は今日も若者が多くて 終電の時間も近づいてくると お酒もまわって青春エナジーも 最高潮 気恥ずかしくなるほど 若いなお前ら 若いなお前らって感じで うらやましくなくもない 男と女が道ばたで群れてる あの子とあの子はあいつを狙ってて 見え見えの気配ただよう 介抱 しようと背を向けてしゃがみこむジーンズ パンツだけではなくて お尻の谷間まで見えている お酒で赤く染まり 発情期の猿みたい だけどそれに目が釘付けに なってる僕もオス猿さ 俺は売れないミュージシャン いくつになっても下北でライブをしている 単独でホールライブができないから これはこれで楽しいけれどトイレで お客さんと鉢合わせするのが嫌だから ホールでライブをしたい 下北は今朝も若者が多くて 始発の時間も近づいてくると お酒も抜けて 青春エナジーの 残り火ばかりがくすぶって ゾンビのよう

僕はお金で動いている

長電話をした 2時間以上 電話をしたのは 25年ぶり 四半世紀ぶり LINEで話した 無料通話で 有料だったなら すぐに切っただろう 短かっただろう 僕はお金で動いている お金が僕を動かしてる 僕はお金に左右されている 無料だからって電話してる 話の中身は 昔と変わらない 何を話したか 思い出せないような 内容 内容

桐谷さんを映画館で見た

MOVIXで桐谷さんを見かけた 娘に付き合って観た アイドルが出ている映画で 娘は桐谷さんのファンでもあるので 恥ずかしがる娘の代わりに声をかけたかった けれどはばかられたので 声をかけられなかった 翌朝桐谷さんのツイート(ポスト)がトレンドに 上がっていた 昨日映画を観たことが書かれていた やっぱりあれはご本人だったんだ ファンの人たちにまじってツイートに返信したいと 思ったけれど やっぱりできなかった 裏垢を作る人の気持がはじめてわかった 娘にリンクを送って 昨夜お見かけしましたよって 返信しなよと言ったら お父さんしつこいよ もうどうでもいいよと言われたので少しモヤった 桐谷さんは座席にからだを沈めて 上映が終わった後でスマホに何かを書いていた 映画の感想でも書いていたのかな 僕は桐谷さんを見かけたことをスマホに書いた

よろしくたのむと彼は言った

並んで立ちションをした仲じゃないか お金か何かで困っているのなら 何でも言ってくれてかまわないと おそるおそる彼にたずねてみた 彼が打ち明けたのはお金のことじゃなく 仕事でもなく病気のからだのことだった もしかしたらこの一杯が 最後の酒になるかもと彼は言った からだの心配はしても しかたがない 心配なのは あとに残す息子と妻のことだ 二人を守ってやれないことだ よろしくたのむと よろしくたのむと彼は言った 言われて僕はわかったと言った 瞳の奥に静かな海が見えた 何度足を運んだだろう 彼の病室へ そこにはいつも奥さんと息子くんがいた 薬品の匂いの憂鬱さを 吹きとばすほどあたたかい団らんがあった 僕には手に入れられなかった 幸せを彼は手にしている それが命と引き換えなのだとしたら 人生はなんて残酷なのだろう よろしくたのむと よろしくたのむと言われて僕に 彼の魂が入ってきた気がした 彼の瞳で妻と子をながめていた よろしくたのむと言われても どうすればいいのかと聞くと 大丈夫 俺が導くから 何も考えずにいればいいと よろしくたのむと よろしくたのむと彼は言った 言われて僕はわかったと言った 僕のからだで妻と子を彼は見ていた 僕のからだで妻と子をながめている

若者引退

僕よりみんな楽しそう 僕よりみんなかっこいい 僕よりみんな足が長く 僕よりみんな声がでかい 誰の視線も感じない チラ見しても目が合わない 声をかけたいわけじゃない 女は見ているだけがいい 引退します若者から 渋谷で道に迷った 街より家が落ち着きます スイカをもっといっぱい食べたかった 夏が終わって行く 金より髪を増やしたい 友より子どもといたい 古着を着るとみすぼらしい 映画よりドラマが気楽でいい 引退します若者から 新しい歌が歌えない カラオケで耳が痛くなる 花火をもっと打ち上げたかった 夏が終わって行く 引退します若者から 恋して夢を語って 小指と小指からめあって 夜空をもっと見上げていたかった 夏が終わって行く 夏が終わって行く

え、なに?わたし何かした?的状況

朝 みんながよそよそしかった おはようと言っても誰も こっちを向かなかった 朝 うつむいたまま声だけを 返してくれた友だち こっちを向かなかった おはよう おはよお おはよー おはよ〜 おはよぅ おはよ わたし何かしたかな?的状況 女ばかりの社会はめんどくさい みんな迷える子羊 何が正しくて 何が正しくないとか関係ない 戦わない 朝 みんながよそよそしかった おはようと言っても誰も こっちを向かなかった

再発見された女の子

僕はくよくよと後ろ向きに 過ぎさりし日々を振り返り うまくいかなかった恋や 実を結ばなかった愛を ああすればよかった こうすればよかったと うじうじ思い返していたけど ある日気がつけばそんな過去への 未練たらたらはすべて消えていて 自分でも驚いた つきものが取れたようだった 僕の中で過ぎた日々への思いが一旦リセットされた 前向きになったわけではなくて かつてとは違う視点で 過去を振り返るようになったということかな たとえて言えば それまでの歴史においてあまり顧みられなかった 史実や人物が時代が変わり再発見されて 脚光を浴びるようなものなのかもしれないな 再発見された女の子 昔好きだったわけでもなく 告白されたわけでもなく 密かにかわいいと 思っていたことはあったかもしれないけど 相性が良かったと 簡単に言ってしまったらつまらないんだけど 当たり前な存在で それ以上のことは考えなかった ひかれなかったのはたぶん 僕に欠けていたものを 彼女が持っていたわけではなくて 自分が持っている同じものを 互いに持ち合わせていたから ないものねだりな年頃の僕には見えていなかった 一番大切なものが 恋人にパートナーであることを求めるような恋は 大人になってしまってからするもので 若かった頃の僕らは それを恋とは言わなかったんだろう あえて「つきあって」と言う必要もなかったし 彼女を懐かしく思い出す ある日夢にまで見てしまった あの頃あの子のことを こんなふうに求めることができていたなら 僕はこんなにつまづかないで もっと早くどこかへたどり着いていただろうか 歴史は変えられない 過去の教訓を未来に活かすしかしかたがない だから君をさがし出したんだ そして君もまだひとりだって聞いたから 思い切って連絡させてもらった 「会ってくれてありがとう」 こんなこと言(歌)ったら気持ち悪いよね 再発見された女の子