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なぜ名前を「まもりあいJapan」にしたのか


新型コロナウィルスから、大切な人を守りたい。誰もが思うこと。ところで、大切な人って、誰だろう?

ネーミングを担当した、コピーライターのHです。

この緊急事態宣言の日々は、私にとって「大切な人」を改めて考えるきっかけになりました。家族はもちろん大切な人。そして、友人も、同僚も、取引先の人も、よく行くお店の人も、そのお店に品物を届けてくれる人も、みんなが自分が生きる上で大切な人なんだ、と思いました。家族との時間。友人との楽しい時間。自分の仕事。生活を支え、彩ってくれるお店。全てなくなってほしくない、大切なものです。

多くの人のつながりの中で、私たちは暮らしています。自分は幸運にも自宅でテレワークすることができている。その一方で、今日も外で仕事を続けてくださっている方々がいます。医療現場を支えてくれる方。ECで買ったものを家に届けてくれる配達員の方。食料や生活物資を生産してくれている方々。エッセンシャルワーカーという言葉も使われるようになりました。全ての人たちが、自分にとって、大切な人なんだなあ、と思うようになりました。

そんな4月のある日、人のつながりから、声がかかりました。接触確認アプリを自主的に実装することで、提言する。素敵なプロジェクトだと思ったので、ボランティア参加を決めました。昼間は会社員をしているので、それとは切り離した形で参加したく、匿名として参加することにしました。

自分に求められることは、特にアプリのネーミングを何にするか。コピーライターは、言葉の技術者です。アプリに使い勝手(UX)があるように、言葉にも使い勝手があります。言葉の形をつくるにあたって、考える点はたくさんありました。アプリ機能との整合性。人に与える印象、語感が良いか。日本中で使ってもらえるスケール感があるか。老若男女に使ってもらうために、誰もが覚えやすく発音しやすい言葉か。

100案以上考えていくうちに、考えついた名前。それが「まもりあいJapan」でした。一人一人が、大切な人を思って、お互いに守り合えば、日本に住んでいるみんなが守れるはず。そんな思いを込めた名前です。自分の中で最終的に10案を選び、チームのエンジニア、UIUXデザイナー、PR、渉外の方々にお見せして、開発メンバーみんなで選んだ名前が「まもりあいJapan」です。

サムライJapan、なでしこJapan、って言いますよね。なので、アプリを使っているみなさんが「まもりあいJapan」という一つの大きな大きなチームになる。そんなイメージも込められています。

私たちが実装した「まもりあいJapan」が、あるべき接触確認アプリの形を提言し、その結果、より良い接触確認アプリがつくられ、使われる。そうなることを心から願っています。

実装することで提言する。こういった活動が、今後もっともっと広がって増えて欲しいです。中心になるのはテクノロジーを扱うエンジニア、UX/UIデザイナーになっていくと思いますが、テクノロジーを世の中に伝えるとき、コミュニケーションの専門家の力が、必ず必要になってきます。言葉やビジュアルや映像を扱う技術者が必要です。

英語でCIVIC TECHという言葉があり、解釈はいろいろあるようですが、個人的には「企業でも政府でもない市民の手によるテクノロジーで、人々と社会、人々と政府との関係をより良いものにしていく」ことだと考えています。

「まもりあいJapan」は、日本のCIVIC TECHの夜明けだったね。あとで振り返ったとき、そう言ってもらえたらとても嬉しいです。

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