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言語習得をする上で一番大切なこと。

 第二言語、第三言語を習得する上で、一番大切なことってなんでしょうか。僕は言語学者でも先生でもないですが、実際に体験して感じたことを書いてみました。

 こんにちは。写真家のMiNORU OBARAです。今日は、「母国語と違う言語を話す上で最も大切なことって?」というテーマで、言語には全くの素人の僕がお話します。

 ご存知の方も多いかもしれませんが、僕はカンボジアに大切な家族がいます。感染症パンデミックの前には、毎月のようにその村に帰り、彼らと寝食をともにしていました。

 カンボジアでは、「クメール語」という言語が話されていますが、それはとても難解な言語です。

 でも、村の家族とともに暮らしたり、村人たちとコミュニケーションをとっているうちに、僕も少しずつではありますが、クメール語を話せるようになってきました。

 もちろんすぐにそうなった訳ではありません。

 当時はこの本を常にポケットに入れていました。(今やボロボロ)

 そうです、本格的な言語学習の参考書には程遠い、旅のお供に的なガイドブックです。

 この本の良いところは、たくさんの単語が載っているところ。目に付く物や、色や数字はこの本を参考に、わからない時は村の人に聞くという日々でした。

 それでも、なんとなく会話が成立するところまでは漕ぎ着けました。

僕は村の子どもたちに「好き」をたくさん伝えたかったし、子どもたちも僕にたくさん話をしてくれていました。

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 そんな中、訪れたコロナ時代。僕のカンボジアの村への航路は突如として断たれてしまいました。

 それでも連絡用のスマホを渡しているので、テレビ電話やボイスメッセージのやりとりは続いていました。

 さて、日本にも遅ればせながら緊急事態宣言が発出された2020年4月。あまりにもすることがなくなってしまったので、僕は、クメール語の学習に本腰を入れることにしました。

 しかし、クメール語はとてもマイナーな言語のため、教材がない。日本の言語教育が染み付いてしまっている僕は、「基本的な文法から的思考」に囚われていたのです。

 そんな中で見つけたのがこの本。 

 物語の登場人物の会話を例にとって、単語やイディオムを拾っていくというスタイル。

 基本的な文法書には程遠いものでしたが、これに結構ハマりました。なにしろ、音声CDがついている。何よりも難解なクメール語の発音を耳で確認できるのはありがたかった。

 でも、気がつきました。

「この本で教えられているクメール語、僕が今まで村で話してきたクメール語と全然違うじゃん!」 

ということに。

村のみんなが話すクメール語は、色々と省略されたり、そもそも発音すらしなかったり・・・。

 本の中で示されている模範的クメール語とはまた違った、村のクメール語の存在を知りました。

 例えば、「いま何時?」を、僕は「ムォマ?」と言っていたし通じていた。でも、実は本当は「ムォンポンマーン」

 こんな例が出るわ出るわ。

 あ、僕が言いたいのは、この本が正しくないという話ではありません。実際にいまだにこの本で勉強をしているし、この本のおかげで表現できる引き出しもかなり増えました。間違いなく正しいクメール語です。

 僕が言いたかったのは、

正しくないクメール語でも、ちゃんと通じていたということ。

そして、

「言語は伝えたい気持ちファースト」

だということ。

 村の人に「ありがとう」「好き」伝えたい。「ご飯がとても美味しかった。」とか、「明日もまた遊ぼうね。」伝えたい。

 全く何も話せなかった時から、ずっとその気持ちは変わっていませんでしたから、ヘタクソでも必死に伝えようとした。必死に聞こうとした。

 きっと、それが一番大切なことだったんですね。

 そして、現地言語を全く知らないまま、村に飛び込んだ時も、不思議と怖れはなかった。それだけ村の愛を感じていたし、僕もみんなを愛していた。

 結局は、心と心。言語なんて心を表現するためのただの道具に過ぎないと思い知らされました。

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 そんな折にタイミングよく見つけたあるスピーチ。

 少し前に、記事にしていますね(忘れかけてました笑)。

 この記事の題材は、TEDxでのスピーチ。TEDトークの舞台に上がり、アーカイブが残るほどのスピーチですから、僕の話なんかよりこちらの方が説得力があるかもしれませんね。笑

 その記事で取り上げたスピーチはこちらです。せめてスピーチだけでも聞いてみてくださいね。

 ということで、結局最後は昔の記事に丸投げしてまとめるという本日の記事でしたが、文末までお付き合いいただきありがとうございました。

 でもね、これ、母国語でも同じですよね。

たとえ口下手でも、伝えたい気持ちがあれば、きっとそれは伝わるもの。

 大切なのは、やはり「心」ですよね。

 それでは、また次に記事でお会いしましょう!

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