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園子温の性加害と身近な性加害

映画監督の園子温さんが、性加害で告発されました。

ネット上では「やっぱり!」みたいな話も多々出てますけど、私としてはショックでしたね。

この方の作品は何作か観てますし、講演も聞いたことあるし、著書も読んだことあります。
ファンではないですが、才能は高く評価せざるを得ない。
そんな存在でした。
もっとも、最近はあまり観たくなるような作品は出てないですけどね。

講演や著書から判断する限り、昭和のアングラカルチャーを現代に変換して生きているような方で、作品もそういう感じはありましたね。
ハチャメチャ(死語?)な生き方をされているんですが、それがヒールを装う自己演出なのか、本当にそういう人なのか、ちょっと判然としないところもありました。

いま、後者だったことが判明したのですが、女児を救った悪役プロレスラーみたいな人だった――ということもなかったですね。実際のところ。

いま、周辺で色々な暴露がされていて、園氏は、外堀から徐々に追い詰められている感があります。

ハリウッドでは、大規模な告発がありましたが、日本映画界もかなりヤバいな――と思います。

「映画業界全体がそうではない」というのは真実かもしれませんが、表に出ている人たちだけが関わっていたわけでもないようなので、水面下でどれだけのことがあったんだろう???と疑問を持ってしまいます。

ただ、映画界に限らず、自分の日常生活を振り返っても、「性被害」と言える出来事は結構ありました。

大学生の頃、同じ研究室の同級生と雑談していたら、「女友達(彼女ではない)が下宿に遊びに来た時、勢いでセックスしたら、その後会ってくれなくなった」みたいなことを、唐突に話しだしました。

「それ、レイプじゃないの!?」と思ったんですが、同級生は悪びれる風もないし、「ちょっとケンカしちゃった」くらいの様子だったんですよね。
それ以上のシチュエーションは聞いていないし、聞いても男側からの言い分になるので、真相はわからないんですが……

その同級生はイケメンでモテたし、大学院卒業後は一流メーカーに就職しました。「結婚を考えている彼女がいる」とも聞いています。
その後は消息は聞いていないので知りませんが……

その時代は、「男女が密室で2人だけになるようなシチュエーションになるような場所に行った女も悪い」と見られていましたので、そこで何があっても、女性は泣き寝入りするしかなかったと思います。

身の回りの女性で、ストーカーや痴漢にあった人は、たくさんいますし、昔は会社の飲み会で酔っぱらって同席している女性の体を触ったりしても(僕が触ったわけではないですよ!)罰せられることはなかったです。

会社でのセクハラ行為もいくつか聞いていたし、その多くは処罰されることなく終わっています。
会社を辞める直前くらいになって、急激にコンプライアンスが厳しくなって、多くの社員が懲戒処分を受けました。

話は過去に遡りますが、大学に入って間もなく、銭湯(下宿には風呂がなかった)で知り合ったおじさんに、公園に連れていかれて、そこで襲われそうになったことがあります。
屈強な男ではなく年齢も50代くらいだったので、戦ったら勝てたでしょうし、実際、その場で逃げて何とか貞操の危機(?)を回避することができました。にしても、かなりの恐怖体験でした。

新入社員の頃、満員電車で男の痴漢に触れたこともありました。
鞄で相手の腕をバンバン叩いて防衛しました。
乗換駅で撒いたと思ったら、乗り換えた電車のドアが閉まる瞬間、痴漢男が同じ車両に乗り込んできて、僕の方に近づいてきたので、思わず戦慄しました。
満員電車の中、奥の方に逃げ込んで、追跡されないようにして、最終的に撒きましたが。

自分は男だし、2回とも、戦えば勝てるくらいの相手に痴漢をされたわけですが、トラウマになりそうな恐怖体験だったし、その程度の事でも、自分の体が汚れたような気分になって、体を何度も洗いました。

性被害者の心身のダメージは甚大なものがあると思うのですが、これまでは軽視されていたし、加害側の倫理意識も希薄過ぎたと思うんですよねぇ。

これをきっかけに、どんどん日本社会も変わっていってもらいたいものです。

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