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明日巣立つ我が子の、18年育った家での最後の晩餐

一つずつお別れ行事が終わっていく。
そしてとうとう、次男が出ていく最後の夜がやってきた。

子どもが望んだ未来。
「こういう勉強がしたい」
「可能性を広げたい」
親に忖度して、自分のやってみたい気持ちに蓋をした自分と違い、思いを語ってくれて挑戦し、見事その道の入口に立った我が子。

私は寂しくない。
寂しがってはいけない。
この子たちが望むように生きれることが私の望みなのだから。

卒業してからの1か月、地元の友だちとの別れ行事ややってみたかったアルバイトやちょっと大人ぶった変身。コロナ禍で制限があるなかでもフルで予定をこなしていた彼。

今日はしおらしく引っ越しのに作りにいそしむ。

「お昼ご飯はあれね」

あ、あれね。

私が作ったのはオムライス。
幼稚園の頃、早帰りの日には、「何食べる?」と聞いたら「オムライス」と答えてて、毎週水曜日に食べてたから、あれと言えばそれだろう。

玉子が失敗してうまく包めなかったんだけど、「食べれば一緒」といって美味しく食べてくれた。

仕事に出ている間に荷作りは進んだようだ。
辛うじて明るみのある夕方、長男と3人で、荷物を車に積み込んだ。

「あとは明日にしよう」

家に入り、私は最後の晩のご飯作りに取り抱える。
午前中に下ごしらえしていたポテトサラダは、彼が仕上げをしてくれた。

今日の晩ご飯は牡蠣フライとチキンカツ。
家を出ると揚げ物はしないだろうから、との思いと、地元の名産品、牡蠣は子どもの大好物。

よく考えたら、私も多分、夫婦二人暮らしになると揚げ物はしない気がする…。
そうか、こうやってバット並べてフライの下ごしらえするのも、今後しなくなる作業だわ…。

色んなことが想像つかない。
だけど慣れていくんだろうな。

なんて色々考えていたけれど、
「最後、最後って、また帰ってくるよ。そん時作ってよ」

そうそう、そうだよね。

また食べに帰っておいで。
好きなもの、たくさん作って待ってるから。

めっちゃうまい!!

300gの牡蠣は一瞬でなくなった。

私の演出が効いたのか、
「いろいろ作ってみたものを写真撮って送るね」
と言う次男。

「多分作らなくなるから」
なんて意地悪いう兄の言葉は無視していいから。
映えてなくてもいいの。
写真、待ってるよ。


注)あ、でも、引っ越しと入学式などの行事で私は明日ついていきます。
もうしばらく一緒に過ごします。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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