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コラム

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随筆・散文・呟きなど
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#随筆

『純文学の先に‥』

病弱な喘息持ちの少年は、家にこもって、絵を描くことと、本を読むことが好きだった。 永くは生きられないと思っていた。 彼の父親は大の手塚ファンで、生まれてくる子供のために手塚漫画を全て揃えて、待っていた。 自然に、その生まれた子供は、手塚治虫が好きになり、漫画ばかり描いていた。 本の虫であった子供は、文学も読むようになった。 第六感官の弦が、震えた。 純文学の愛読者になった少年は、まもなく小説を書きはじめた。彼は青年になって、権威ある同人誌で作品を発表した。 青年ははじめて

【随筆】『少年の握りしめた夢』

仕事終わりの夕刻、スーパーのレジに並んでいると、私の隣で分厚い雑誌を不器用に抱えている、丸坊主の小学三年生くらいの男の子が立っていた。 私のレジの番になって、彼はようやくその雑誌をレジのテーブルに置くことができたようだ。子供の頃よく見た某コミック。 彼はその表紙をずっと見つめている。 彼の握りしめた右手に気づいた。 私の会計がはじまった頃合いに、彼はその右拳の中を数えはじめた。 10円玉の茶が多く目立つ、100円玉もあるか……。 たしかなことは、彼はこれを買うためにお金を貯め