『純文学の先に‥』

病弱な喘息持ちの少年は、家にこもって、絵を描くことと、本を読むことが好きだった。
永くは生きられないと思っていた。

彼の父親は大の手塚ファンで、生まれてくる子供のために手塚漫画を全て揃えて、待っていた。
自然に、その生まれた子供は、手塚治虫が好きになり、漫画ばかり描いていた。
本の虫であった子供は、文学も読むようになった。

第六感官の弦が、震えた。
純文学の愛読者になった少年は、まもなく小説を書きはじめた。

彼は青年になって、権威ある同人誌で作品を発表した。
青年ははじめて、文学は人々には難しいものだと、知った。

人々に分かりやすく伝えるためには、やはり漫画が必要だと思った。

つまらない大学の講義の最中、配られた冊子の隅に、何となく落書きした。
マンモス先生。

マンモス先生がきっと、信じている美を代弁してくれる、と青年は確信した。

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