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自分の精神状態を自分で診断したい人/こころ検定2級合格体験記

自分自身の感情の起伏の激しさが常軌を逸しているという自覚が前数年間あった。しかし、医師という職業に対する不信感から精神系の病院へ行くという選択肢はなかった。

誰しも、自分自身について一番興味を持っていて理解したいと思っているはずだ。

科学が進歩して、それに付随して発生した心理テストなどは誰しもはまったことがあるだろう。私も学生の頃、この手の心理テスト、性格診断、IQ診断などありとあらゆるものを試した記憶がある。このような診断を繰り返すことにより、大体の自分の心や脳の状態を掴めた気がした。(精度の低いテストバッテリー)

しかし、ネットでの診断では十分に理解できない部分がもちろんあり、自分の精神状態をカテゴライズできないという障壁にぶちあたった。

生活環境の変化や人間関係でストレスを感じているという常人っぷりだった。体の外にある環境は人とほとんど同じでも、心の状態とそれに付随する生体反応は違う。(同じ反応が出たとしても、別の反応との組み合わせで完全一致の例はネット上では探すことができない。ネットの情報の危うさによるやつ。)

そこで、自分の心の状態を自分で評価し自分で改善する為にはまず心の知識を持たなければいけないと考えた。

勝手なイメージだが、精神疾患者はカウンセリングに行くものだと考えていた。そして、そこで働くのは心理カウンセラーという職業の人だ。精神系の医療で働く人の種類はたくさんあることを学んだが、一会社員が学ぶのに適していると判断したものは、「こころ検定2級」。実際に心理カウンセラーとして、働くのであれば大学で心理系の必要科目を取得する必要があり、コストと時間がかかる。そして、ただ勉強するよりも何か目標を作る方が効率的に学べると思ったのでこころ検定の勉強をすることにした。

こころ検定は市販でテキストを売っていないので基本的には、通信講座を取る必要がある。
しかし、私はメルカリで中古のテキストを購入し独学することにした。

検定の勉強は覚えることが意外と多かった。高校の頃に生物の授業で習ったこともある内容もあった。精神解剖学というもので、臓器の働きなどについて細かく覚える必要がある。
その他には精神医学についても学んだ。これが個人的に一番面白く、精神疾患の種類や病状などを学んだ。つまり、診断基準を知ることができたのだ。もちろん、私は医師でも何でもないので誰かを診断することはできない。しかし、自分自身の精神状態を鑑みてあたりをつけることができるのだ。幸運なことに私の心と身体の状態に合致した病気は見つからなかった。

自分の状態は、数年前からおかしいと思っていて心療内科や精神科へ行ったら何かしらの診断が下るだろうと思ってた。

特に、家に一人でいるときが顕著でいわゆる躁状態の典型的な反応で、「万能感」「易怒性」「異常な活動性」が表れてた。

しかし、精神疾患の種類を学ぶうちに「躁病」というものが定義されていないことを知った。つまり、「うつ」と抱合せの「双極性障害」でないと躁状態の説明がつかないのだ。

私はというと、希死念慮・断続的な抑うつエピソードがなく双極性障害の症状に合致しない。もちろん、疲労過多で絶望感を味わったり無気力な状態になることはある。しかし、それが日をまたいで続くというのはほとんどない。

では、自分の心の状態はどう表せるのか。自分への探究心は留まることを知らない笑

自分が導き出した答えは、「長い前駆期に自分は置かれている」ということ。

自分の心の状態と言動に違和感を覚えながらも、生きているし、社会に足を浸している。だから、万事健康とは言えないが精神疾患のど真ん中にいるわけではないと考えた。しかし、この前駆期が厄介なもので微妙なラインの人間の生活を補助する仕組みはほとんどない気がする。病名がついたり、明らかに普通ではない人へはそれなりに助成がある。しかし、前駆期の人間は自力でなんとかしなければ慢性化したり悪化したりしてしまう可能性がある。

私も、この状況が万全でないという自覚から心と体の健康に関する知識を全力で得てきたし、実行もしてきた。

知識と実行のサイクルは、必ずしも実を結ぶとは言えない。しかし、自分の状態を様々なケースと見比べることで主観的ではなく客観的に見ることができる。つまり、無駄に悩むことが減るのだ。

人間はモヤモヤしている状態をストレスに感じることが多い。テストもわからない問題に直面するからイライラするし、クリアな将来が見えないから学生は進路に頭を悩ます。

感情や認知に説明をつけれれば、ネガの時もポジの時も冷静に自分を見れる。

たとえば、「どうして泣いているのかわからない!!」と思うよりも、「生理前でホルモン異常で抑うつ傾向にあるから、しょうがない。」とした方が気が楽だ。

こころ検定の勉強は、精神状態を客観的に整理するのによかったと思う。

ここから、こころ検定2級の試験の話。

勉強自体は1ヶ月程度で3冊のテキストを読んだり、問題集を解いたりして臨んだ。試験前は覚えることが多く、合格できるか不安だった。しかし、試験問題は問題集よりも難易度は低く感じた。簡単に思え、試験を受けながら「満点きたかこれ」と思ったが蓋を開けると合格ラインよりちょい上の76点。断定的表現を省くなどの微妙な引っ掛けが多いのだと思うので、受ける方は文章を丁寧に読むことが必要だ。(私は昔から文章を一語一句丁寧に読まずに、重要なところや単語を抜き取って頭で理解するという読み方が板についているので「スピード◎質△」なのだ。)

勉強をして行くうちに、「私は心理カウンセラーに向いてないなぁ」と思った。優しくて冷静な人格を持ち合わせていないと持たないはずだ。

心についてしっかりと学びたいと思っていたので、こころ検定の勉強は為になったし面白かった。

この検定で資格が取れるわけではないので、完全に趣味の領域。でも、本で読むよりも体系的に学べるのでオススメだ。





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