「本を語る」2024/6/25「日本進化論」
❶[1BOOK]
「日本進化論」
落合陽一著 SBクリエイティブ株式会社 SB新書458
2019年1月15日初版第1刷発行 2019年1月19日初版第3刷発行
❷「今日の言葉」
「人口減少社会は、史上稀なるチャンスだ!」
ポリテックを推進していくためには、日本全体にはびこる閉塞的で後進的なマインドセットを変えていく必要があります。前時代的なマインドセットから抜け出せない人たちは、変化を起こせるだけの力をもっていたとしても、時流に沿って自らの基準で判断できず、行動を起こせません。
そうならないために個人が備えるべきは、今までの常識+固定観念にとらわれない柔軟でフラットな視点です。頭ごなしに否定するのではなく、相手がなぜそのように考えたのかまで思考が及ばなければ、向かうべき方角について議論できません。そのためには、どれほど非常識で受け入れ難い意見であっても、それが誰のものであっても、一度は飲み込むことです。イノベーションはいつだって、常識を疑うことからはじまります。
❸「本を語る」
[思いついたこと]
この本が発行されたのは、2019年1月です。この年、4月30日をもって「平成」が終了し、5月1日から「令和」が始まったのです。それまでは、「一世一元」という制度の元に、今上天皇が逝去されるまで、譲位はありませんでした。実はこの制度は、明治天皇の時代に作られ、昭和天皇まで継承されました。また、戦後の新憲法のもとでも、この制度は維持され、私たちは、「昭和から平成」への移り変わりを経験したわけです。
[そして]
世の中は、バブル景気に湧き立っていた最中、突然の崩壊をも目撃したわけです。それは、単に元号が変わったというだけでなく、経済的にも大きな転換期を迎えていたのです。その後、バブル崩壊の影響で、私たちはようやく「右肩上がり」という神話を捨てることができました。人によっては、「失われた20年」と呼ばれますが、もともと財産を持たない「無産者」である庶民にとっては、「お金に関するトラウマ」が強化されただけだったとも言えます。
[しかし]
平成の30年間で、劇的に変わったものがあります。それは、インターネットの世界です。「2000年問題」という懐かしい言葉も思い出されますが、電話回線、ADSL、光回線そして時代は無線の時代に突入し、コンピュータも、デスクトップPCから、ラップトップPCに。携帯電話はスマートフォンへと進化し、タブレットも加わって、「いつでもどこでも」世界につながることができる時代になりました。けれど、入ってくる情報は、「未来への希望」よりも「現実の厳しさ」「老後の不安」などネガティブなものばかりです。まさしく「悪貨は良貨を駆逐する」ですね。
[だからこそ]
「少子高齢化」「人口減少社会」において、ITをさらに有効に活用して、高齢者を支え、若年層が担ってきた「労働力」をできる限りITに置き換えることを進めていかねばなりません。そのために必要なのは「パラダイム・シフト」であり「発想の転換」です。いつまでも悲観的になって、現実逃避しているわけにはいかないのです。
ここで、問題なのは高齢者が置いてきぼりにならないこと。65歳以上の孤独死が増えている昨今、「時代にはついていけない」と言う人でも、スマホはもっているし、ラインには加入しているのです。身体は衰えて、動けなくなっても、それを補うには十分なリソースがすでに揃っているわけです。自分自身も「高齢者」に達した私だからこそ、それらの有効活用を広めていかなければならないと、切実に思うのです。
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