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「読書の力」1000日1000冊1000文字チャレンジ 第16日「頭は『本の読み方』で磨かれる」



「読書の力」1000日1000冊1000文字チャレンジ 第16日

❶[1BOOK]
「頭は『本の読み方』で磨かれる」 見えてくるものが変わる70冊
茂木健一郎著 (株)三笠書房 
2015年7月15日第1刷発行 2021年6月25日第11刷発行

❷[3POINT +1]
◎「はじめに」〜本は、あなたを映す「鏡」である
ぼくはこれまでに膨大な量の本を読んできました。この本ではその中から、人生の貴重な時間を費やし、手間ひまをかけてでも読むに値する、宝物のような本をご紹介します。
「本なんて必要ない」と思っている人は、いずれ人生の深みや喜びに差がついて、絶対に後悔することになる。

①「読んだつもりの本」も教養の一部である
☆買っただけで、頭脳はもう進化している
当然、本は読むことで脳に情報が入ってきて脳に変化を及ぼしますが、興味を持った時点で脳は少し変わっているのです。

②「自分を成長させてくれる本」の見つけ方
☆「本」を「語るもの」として読む
「ジョブズは歩いて決断していた」などというのは、試験に出る知識でも何でもないかもしれないですが、ぼくにはこういう話が「いいネタを見つけたぞ!」と映るし、講演会などで脳の働きをわかりやすく説明するためにも重要なキーワードになるのです。このように本を読むときに、自分で「語る」ことを意識してみましょう。

③膨大なデータを血肉にする「7つの絶対ポイント」
☆コピペは脳を劣化させるという事実
文字を自分の脳の中から絞り出すという行為は、負荷がかかってヘトヘトになるし、効率も悪いかもしれないけれど、だからこそやり遂げたときに脳は本当に喜び、成長するのです。

❸[1ACTION]
[実行すること=自分との約束]
「本」を「語る」ものとして読む。

❹[1episode]
☆大学では教えてくれないこと〜「人間の複雑さ」をのぞく一冊
『ファウスト』(第1部)(第2部)ゲーテ/相良守峯[訳](岩波文庫)
「すべての学問を修めても、人生のことなど何もわからない」というのはこの物語の作者であり、「色彩論」を書くなど自然科学者でもあった、ドイツの知の巨人・ゲーテ自身の実感です。彼はこの戯曲を24歳で書き始めて、亡くなる前年の82歳で完成させました。彼自身が生涯をかけて人生で学ぶべきものを探ったのです。
現代では大学への進学率も上がり、多くの人が「将来役に立つであろう」学問をしていますが、そこで学んだことは、人生をよく生きるためになるのかどうか。
英語では「University of Life(人生という大学)」という表現もあるくらいで、本当は大学ではなくて自分の人生の中で学んでいくべきことがある。
その「人生の大学」の先生になるのがこの『ファウスト』だと思うのです。『真の学び』とは何か、ということを知るための最高の教科書だと言っていい。まずはこの本のスケールの大きさに驚いてほしいのです。

❺「本を語る」
かつて、私の大学時代の恩師「三浦和男教授」がこう言っていました。
「自分も小説を書こうと思っていたが、「ファウスト」を読んで、それを諦めた」
本書の最後に紹介されている本が『ファウスト』だったことに触れて、ふと思い出しました。私は、通常の大学受験に失敗し、上京して4年間、まさしく「人生の大学」で学んだと言ってもいい青春時代を送っています。その後、必要性を痛感して、通信課程で16年かかって、慶應大学を卒業しました。三浦教授に出会っていなければ、とうてい達成できなかったことです。
[そして]
ここで紹介されている本の大半は、我が家にすでに存在し、あるいは存在していたものです。私の教える「速読」は、「要点だけを押さえればいい」本と「じっくり読みたい」本を仕訳するところから始まります。「積ん読」にも価値はある、とこの本にも書かれていますが、実際問題、「場所」の制限は容赦ありません。1行も読まずに手放すくらいならせめて「自分に役立つ」ところだけでも読んでおきましょう、という訳です。
[しかし]
「場所」の制限以上に、「時間」の制限の方が切実です。人生100年時代と言われても、毎年膨大な数の新刊が出版され、捨てがたい良書が世に出回ります。ここでまず問われるのは、「どの本を買うのか」という選書眼です。街の小さな書店が次々と消え、大型書店の大量の本棚に、圧倒されてしまいます。図書館とはまた違った「威圧感」を覚えます。「ふらっと立ち寄った本屋で人生を変える一冊に出会った」という光景は、今では過去のものになりつつあります。
[だからこそ]
良書を紹介するメルマガや、新聞の書評欄、要約サイト、「本を紹介する本」、SNSなどの「感想文」、Amazonのレビューなど、多様な方法で「本を選んだ」上で、Amazonで注文するか、書店で「探す」しかありません。いわゆる「決め打ち」です。
そういう意味で、この本は、「迷える子羊」には必読の書かもしれません。
すでに数年前に「1日1冊読めるかなチャレンジ」で取り上げていますが、「いつかまた手に取る日が来るに違いない」と、目につく場所にずっと待機させていたのです。

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