地球少女アルジュナ 「なぜ主人公を女子高校生にしたのか」
いまなら、自分なりのひとつの解があります。
競走に勝ち、頑張ることに価値があるとされてきた生産性優位な集合無意識のことを、男性性というそうです。
自然界のただ巡る命のリズムに委ね受け入れ感じることを、女性性というそうです。
心を鎮め、深く大地に息を吐き…
これは、本作に度々に出てくる台詞です。
我々は競争に勝つため、裕福になるため、
呼吸を浅くして目や耳を塞いで満員電車に乗り、必死に頑張ってきました。
ですが、環境は破壊され、貧困や差別を生み、何ひとつ解決出来ずにいます。
樹奈という少女は、五感と子宮でこの星の命に共鳴します。
現在の社会問題として、柔軟剤等の人工香料の毒性に反応し化学物質過敏症を発症する人の7割が女性だといいます。
本来、男女平等とは政治や経済の男性性に女性を合わせることではありません。
女性性の視点も人間社会には必要であると認めることだと、あらためて気付かされるのです。