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舞台「HIDEYOSHI」 #9 登場人物について②

こんにちは。
作・演出の鈴木茉美です。

今日は前回に引き続き、登場人物についてお話しできたらと思います。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。



佐奈

佐奈というキャラクターは自分の中にはいない存在で。
厳密に無意識下で言えばいるのかもしれないけれど。
なので村井と同じくなんとなくのモデルがいます。
何かのドラマの、男たちの中に一人いる女性だったかな。
そこから派生して今の佐奈になりました。
今までの佐奈には哲学を特別入れていませんでしたが、今回脚色に当たって、少しだけ入れました。
持論を語っているような箇所がそれです。
この佐奈だったらを想像して書きました。
哲学を持っていて自由で、学生という制限された空間の中であれだけ自分を通せる佐奈は本当に凄いな〜と思います。
それでいて純粋なのがまた。すれてなくていいなと。
なので佐奈はお気に入りのキャラの一人です。


津山

登場人物には脚本家の代弁者がいる。とはよく言われることですが、どの人物にもそれは当てはまったりもしますし、この人だけ、と決められている人もいます。
HIDEYOSHIでは何人かいると思いますが、津山がやはり1番の代弁者なのだと思います。
これを意識しているかといえばまだ最初に書いた時にはそれはなく、今回加筆に当たって、「ああ津山なんだな」と気付いた感じです。
性格が、とか、人との関わり方が、とかではなく、これもやはり哲学が、という感じですね。
あの頃は意識していませんでしたが、私は人間というものにとても興味があり、知りたいんだと思います。
なぜ知りたいかと言えば、理解したいからでしょうね。
悪いことでもいいことでも、なぜその人はそれをしたのか、その言葉を選んだのか、その行動をとったのか。
理解することで、嫌いにならないで済むのかもしれません。
逆に嫌いになってほしくないから、嫌われない理由が存在するということを知りたいのかもしれません。
この辺は舞台「いい人間の教科書。」含め、私の作品の根底にあるものだと思います。
どちらにしろ津山のような人物に、私は人間らしさを感じるのです。


小泉

彼と明は味方同士です。
そういう描写は台詞上でしかありませんが、小泉役のたまと明役の栗田は、インナーを作るためにいろいろ話していたようです。
なのでお互いの話をする時には、しっかりとお互いのことが思い出されているのだと思います。
小泉という役は、一番最初の脚本上では味方のまま終わったんじゃなかったかな。
最初は女性でした。
本当に純粋な助手の。
再演にあたって、未来チームを3人にしようとなった時に、津山の妻を出そうと思い、女性枠をそこに持っていったので、小泉が男になりました。
未来人を静観させるのではなく何か物語を作ろうと思い、小泉が裏切っていることにしようとなったのでした。
三つの時代でそれぞれバタバタしているというのは個人的に好みで、それ以降その流れでいっています。


山田

何かに夢中になる、今で言う「推す」という感覚が、私にはまだなくて。
山田はそういう意味で苦労した人物です。
想像でしかないというのは少し怖くて。
私が過去教師という職業に近かったというところでしか寄り添えなかったところがありますが、それはもう役者に委ねるしかないなと。
フィクションの人物をよりノンフィクションにする、そのジャッジする必要のある私的に一番なポジションなのかもしれません。
あ、現代人の中ではになりますね。戦国時代とかになってくるとまた想像上でしかないですしね。
山田役の桜は私が信頼する役者の一人で、長い付き合いですし、考え方が深い中でも「推す」感覚を年齢的にも含めてわかってる人なので、その辺は預けていました。
先生ということについてとても考えてくれていました。何かを教え導く人ですが、一人の人間であって欲しいということは伝えていました。



さて。
少しでも楽しんでいただけていたら幸いです。
次回は戦国時代組ですかね。
よろしければぜひ。

HIDEYOSHI展も迫ってまいりました。
トークショーもあるのでそこでも色々お話しできたらと思います。

日々いろいろなことが起きる世の中で、それは想像していなかったことだったり急だったり、心の置き所がわからなくなる中で、少しでも、心が落ち着ける時間を作れたらと、演劇はそういうことのためにもあるのかなと、思います。
できることからするしかないので。今日もパソコンに向かいます。


舞台「HIDEYOSHI」展示会
公式HP:http://allen-co.com/hideyoshi2023-exhibition/
舞台上でのパネル、衣装や小道具、私の脚本一部など展示予定です。
パネルは販売もします。
■日程
展示日程:2024年1月23日(火)〜28日(日)
展示時間:10:00~19:00
入場時間:(1部)10:00~13:00
     (2部)13:20~16:00
(3部)16:20~19:00
※28日のみ展示時間が10:00~16:00になっております。
※本展示会は時間入れ替え制で行わせていただきます。
■会場
大泉学園ゆめりあホール7階 ギャラリー
〒178-0063 東京都練馬区東大泉1-29-1
(アクセス)
西武池袋線の大泉学園駅北口から徒歩1分

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