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舞台「HIDEYOSHI」 #10 登場人物について③

こんにちは。
作・演出の鈴木茉美です。

HIDEYOSHI展まであともうわずか。
今日は、戦国時代組の人物についてお話しできたらと思います。


織田信長

まずはこの人でしょうか。
織田信長。
大河の「秀吉」の渡哲也さんの信長、素晴らしくて。
そのイメージはどうしてもありました。
優しく厳しく背負っているものが大きくそれを抱える覚悟もあり、まさに天下を取る器を持った人だなと。
現代でそれを演じておられることがとても凄いなと思いました。
脚本ではやはりそれを意識して加筆した部分は多いです。
演出でも、藤吉や他の人物との距離感や角度、立ち位置は意識しました。
国を背負う器を持つ人の覚悟、しかもこの戦国時代でとなったら、まともな精神ではいられないなと思います。
來河は劇団の主催や映画のプロデューサーなど役者だけではないことで私の知らない以上に色々なプレッシャーや覚悟、責任など、背負っているものがあると思います。
それはもちろん戦国時代に比べたらと言う話にはなりますが、織田信長をやる上で少なからず……。
脚本上だけにとどまらない、彼の人柄が含まれた織田信長になったのではないかと思います。


蘭丸

従順で真面目な蘭丸。
と言うのが私の作った蘭丸で。
でも少し愛嬌というか、幼さがあってもいいかなと、演出ではその辺を意識していましたが、信長同様蘭丸役ののすけも、人柄が良い方に出たなと。
彼自身の持つ真っ直ぐな部分が、蘭丸の従順さに生きていて、純粋な真っ直ぐさになっていました。
とにかく第一にも第二にもお館様。
彼のそのただ一つの真っ直ぐさに、本能寺の変での一人残り戦う箇所がいきていたなと。
藤吉との会話も、彼の真っ直ぐさが脚本を超えてくれていたなと。


おね

今回加筆に当たって、おねを理想の戦国時代の武将の妻にしようと思いました。
前にもお話ししましたが、彼女の哲学にはこだわりました。
感情を素直に出すことをせず、器の大きい、ただ見守ることの大変さを体全体心全体で持っている。
相手にどう思ってもらうかを常に考えている女性です。
笑顔も安心させるためだったりするわけです。
自身を語るのも、相手に何かを悟らせるためです。
秀吉の前でだけ、素直な一面が見せられるのかもしれません。


濃姫

強い女性ですが、その強さは我慢の強さです。
信長を支えるというよりは、信長に仕えるイメージです。
彼は正しい。
その気持ちが無ければ信長も妻にはしないでしょう。
歴史の上で濃姫が実在するかは定かではないですが、「HIDEYOSHI」の脚本上では、妻として側にいることを選択しました。
信長を恐れ敬い愛する女性。
現代ではなかなか難しい考え方かなと個人的には思ったりもします。
なので濃姫は信長の妻としての才能を持つ凄い女性だなと思います。


侍女たち

我慢と言ったら彼女たちもなかなか凄いですよね。
彼女たちの概念として我慢ではないのかもしれませんが。
侍女という概念が、もう凄い。
彼女たちは全てありがたいと思って生きているわけです。
「HIDEYOSHI」ではそういう風に書いています。
自分の立場に感謝しています。
武将の妻を支える役目ができること、側で仕えること、ご飯が食べられること、着る物があること、寝る場所があること、全てにおいて感謝しています。
宗教的な考え方ですが、対象が神様ではなく目上の方。
侍女3人の何か危険があったときの体の動かし方、心の有り様はとても丁寧に芝居してくれていました。
おねを、濃姫を、守る。
自分の命に変えても。
その覚悟は、私が描きたい戦国時代の侍女に必要な心のあり方でした。
危機感は常に演出でも意識していましたし、彼女たちも表現してくれました。


殺陣衆

一人一人が生きてくれました。
脚本上は殺陣衆で、台詞は殺陣とだけ書いてあって、その都度殺陣振り付けの來河さんと誰に台詞を言ってもらうか都合含め話して。
彼らは脚本上では殺陣衆。
だけど、演じる上で、一人の人間で、生きていて、死んでいく。
來河さんも私も、彼らの生き様を雑にしない事を目指していて、いつでも彼らが死に向かわないように、死ぬ芝居が結末だとしても、死を選んでいたとしても、最後までなんのために戦うのか、誰のために戦うのか、生きたいのか、死ぬ覚悟で挑むのか、一人一人が一回一回本気で戦ってくれました。
だから彼らはそこに居たのだと思います。



登場人物についてでした。

公演が終わって一ヶ月以上。
それでもこうやって言葉にしていくと、どうやらまだ彼らが私の中に居るようです。

これからHIDEYOSHI展示会が始まります。
23日と27日に私と來河さんのトークショーもあります。

まだまだ思い出しそうです。
まだまだ彼らは頭の中に居るようです。

舞台「HIDEYOSHI」展示会
公式HP:http://allen-co.com/hideyoshi2023-exhibition/
舞台の写真パネル、衣装や小道具、私の脚本一部など展示予定です。
パネルは販売もします。
■日程
展示日程:2024年1月23日(火)〜28日(日)
展示時間:10:00~19:00
入場時間:(1部)10:00~13:00
     (2部)13:20~16:00
(3部)16:20~19:00
※28日のみ展示時間が10:00~16:00になっております。
※本展示会は時間入れ替え制で行わせていただきます。
■会場
大泉学園ゆめりあホール7階 ギャラリー
〒178-0063 東京都練馬区東大泉1-29-1
(アクセス)
西武池袋線の大泉学園駅北口から徒歩1分


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