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読書メモNo.16「戦略は「1杯のコーヒー」から学べ! /永井孝尚」


物語形式だったので小説感覚で読めました。
コーヒー店の経営を通して、商売を読み解く本📖


ブラック企業を勢いで辞めたさくらはふらりと立ち寄った喫茶店で1杯千円のコーヒーに出逢います「お、おいしすぎる」と思ったさくら。そこで、この店の社長からスカウトされることで、彼女の新しい生活が始まります。

缶コーヒーやコンビニコーヒー、スタバなどの経営について10話に分けて知ることができます。さくらには様々なミッションが与えられ、あの手この手を考えては出しますがことごとく上司の藤岡さんに論破されます。

気に入ったとこメモ📝

3話目UCC
自社のコーヒーについてアンケートを取ったらどうかと問うさくら。藤岡さんはUCC缶コーヒーが生まれた経緯について説明するとともに、ある結論を伝えます。UCCが成功した秘訣は開発者の実体験からきたものでした。また、なぜアンケートではダメなのかというと「隠れたニーズは顧客に聞いても分からない。なぜなら顧客自身が気づいていないからだ」と。
簡単なようで難しいと思いました。先見の名がないとそこに着眼できないような気はしますが、言い分に私も桜も納得😁

4話目スタバ
さくらのコーヒー店には社長の元学友が経営するライバルコーヒー店があります。外資系の企業と提携し、大々的に宣伝することで勢いを増すコーヒー店。しかし合理化を進めるあまり、名の知れたバリスタが去っていきました。同じような失敗はかつてのスタバにも。売れるためにかつてスタバは質を落としました。原価を抑えた代わりに、人材や信用を失い経営悪化の一途を一時はたどり「香りを失ったスタバ」と揶揄されていました。合理化を進めるあまり、店舗で豆を挽かなくなったことからこう言われました。
成長と効率性を負うあまりスタバの魅力が失われたのです。
さくら達のライバル店もまた同じ道を進んだのでした。
ムダと一緒に自分たちの強みも手放したのです


5話目セブンカフェ
実はセブンカフェは、過去に何度もチャレンジしていた。でもどれもことごとく失敗していく。初代セブンカフェはなんと1980年代だ。それから5度目のチャレンジで今のセブンコーヒーができた。
セブンが成功した秘訣は、仮説検証を愚直に繰り返したこと。仮説を立て実行し、検証しそこで得た学びを再び次に活かしてきた。
逆に失敗例として、電気メーカーが挙げられていた。失敗の原因は、「技術」ではなく「製品」に投資したからだ。と藤岡さんは言う。
今のセブン社長に聞かせてあげたいわ(笑)


そしてさくらたちは、新たな戦略を立て自分たちのコーヒーを売り出すプロジェクトを立ち上げた。なぜ今なのか問うさくらに藤岡さんは言う。
戦略は仕掛けるタイミングが何より重要だ。ベストタイミングであることが成功の絶対条件だ。
タイミング大事だよね。誰でもわかっていると思う。経営じゃなくても。私もかつてはそうでした。あれやりたいこれやりたいと口では言うけれどなかなか行動できなかった私も。やらない(できない)言い訳を自分で作っていました。でも、今年は、一念発起して、やろうやろうと思っていた英語の勉強を始めました🥸ベストタイミングだったかは分からないですが、踏み出すことはできました。後は続けるだけです🐢


8話目
ある科学者の話を藤岡さんが語ります。
ファンブラウンというロケット工学の父と言われるドイツ人の話。戦時中、彼は軍事ロケットを作っていた。そんな彼の子供の頃の夢は宇宙飛行士になることだった。敗戦後、アメリカに亡命した彼は、周りからは敗戦国のくせにと白い目で見られていたが、アメリカの威信をかけたアポロ計画に尽力し見事人類を宇宙へ送り出したのだ。国家に忠誠を尽くしたのではない。自分の夢に忠誠を尽くしたのだそして世界を変えた

9話目
さくらたちのプロジェクトを進める上で、藤岡さんは大事なことをさくらに伝える。
会社は金儲けのためにあるのではない。社会貢献するためにある。利益は社会貢献するための手段だ
この言葉めちゃくちゃ刺さりました。綺麗事を言っても利益が出なければ、働けない働かない会社は機能しない。なんのために働くのか。そして経営者はなんのためにお金を稼ぎたいのか。気に留めないと見失いそうですが、トップの人は大事にしてほしい言葉です。まぁ現実は地位と名誉な経営者が多い気がしますが。今のコロナ見たら思う。経営者が一斉にテレワークをすればいい。強制的に。正直に2度やったがバカを見たので3度目はやらないとの声を聞きましたが、綺麗事を言えば、バカを見たと思うところに承認欲求を感じてしまう。まぁ会社が潰れれば元も子もないので仕方ないですが。。。。
藤岡さんは松下幸之助氏の言葉も引用した(私は松下幸之助さんの言葉がどれも好きです)
利益追求が企業の最大命題ではない。企業に大きな利益が与えられるのはさらに大きな社会貢献を為せとの世の声だ


最終的にさくら達のプロジェクトは大成功をおさめます。
この本は今や私たちの身近なコーヒーを通して、さまざまな企業の経営や社会貢献についてを考えさせ、感じさせてくれるホッとする本でした。


おすすめ度:★★★★☆
コスパ  :★★★★☆
読了感  :★★★★☆
読みやすさ:★★★★★

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