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あの日の月

463日目。

昨日、仕事帰りに見た月。
月の周りに、虹のような輪っかが現れていた。
美しかった。

12年前に見た月のことを思い出した。

2011年3月12日に見た月と同じようだった。

あの日の月も、同じように、周りに虹のような輪っかが現れていた。
悲しかった。
祈ることしかできなかった。

*

2011年3月10日にも月を眺めていた。

なんだか胸騒ぎがした。
どうしてそう感じたのかはわからない。

当時、自転車で30分ほどのところに職場があって、自転車通勤していた。
帰りが夜遅くになることが多かったので、月を見たときの胸騒ぎを「んー、なんかやだな。帰り道、気をつけて帰ろ」と思ったのだった。
翌日、あんなことが起こるなんて知る由もなかったから。

*

わたしは岩手県で生まれ育った。

2011年は東京にいて、当時はメールで家族や友人と連絡を取り合った。

当時、幼稚園に通うお子さんふたりの子育てをしていた友人からのメールを思いだす。

地震があって、急いで子どもたちを迎えに幼稚園へ行った。
子どもたちは落ち着いているように見えたけど、家に帰ってきた途端泣き出した。
わたしはそのことを一生忘れないと思う。

と、彼女は言っていた。

*

2018年〜2019年頃、被災地の方のお話を聞く機会があった。

報道では語られないこと、知り得ないことがたくさんあった。

*

12年経った。

今だから話せることって、12年経ったからようやく話せることって、やっぱりたくさんあるのだと思う。

今だから話せる。だから聞いてほしい。

そんな声が聞こえてきたなら、わたしは静かに耳を傾けたい。



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