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NHK取材メモ流出問題を整理してみる(+Colabo問題おさらい)

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NHKで「取材メモ流出」が起こったというが

『首都圏ネットワーク』という、関東甲信越ローカル番組の取材メモがNHKから流出した。

「取材メモ」というよりは「インタビュー記録」「内部メール」といった感じである。ブツは下記に行けば見られる。

 

時系列で整理しておこう

①流出(取材後~11月下旬 日時不明)
②暇空茜氏が「真偽不明」として報じる (2023/11/28)
③ネット上で論議を呼ぶ
④NHKが謝罪会見(2023/12/01 19時頃)
⑤NHKがWebサイト『NHK NEWSWEB』で事件を報道(2023/12/01 21:47)
⑥NHK、首都圏ネットワークの担当者が、一般社団法人Colaboの事務所を訪問して謝罪(2023/12/14 毎日新聞ほか)。

ネットで論議を呼んだのは、昨年秋からずっとX(ツイッター)で話題になってきたColaboとの関りがあるからである。

とうとうNHKを巻き込んだ騒動になってきた。

ぶっちゃけ、このWBPC問題をずっとウオッチしていた人でも、把握が難儀になってきたというところである。さて、整理しよう。

【事柄】NHKのものであるような企画書やメモが流出した。その内容はというと

  1. 東京都での住民訴訟及び、民事でも係争中の案件に関連し、「係争中の支援団体への誹謗中傷案件」扱いで、係争当事者ではない男性A(カルピス軍団自称)へのインタビューを実施。

  2. 首都圏ネットワークでの放送を目標に調整。 

といったもの

【意味】 浮上する問題群

当初真偽不明だったが、企画も取材も実在したようで、NHKが記者会見を開いて謝罪ということになっている。

  1. NHKのセキュリティ問題orガバナンスの問題となりうる。

  2. 放送された場合、住民訴訟の原告である一般男性Bに対する私刑的な意味合いが生じうる。

  3. NHKの取材態勢の中立性が問われうる。

 大問題だわねえ…、そういえば、こういうのも流れてきた↓

どう関係しているのかは不明だが、往年のメディアメディアアクティビスト津田大介氏が、明言はしていないものの言及している。

NHKの謝罪記者会見(2023/12/01)

NHKの首都圏ネットワーク向けの取材情報流出事件に関して、NHKが流出があったと認めて謝罪した。  

NHK広報は報道資料として、ニュースウェブ以外にも、こーいうのだしてます。

発掘したページはこちら https://nhk.or.jp/info/

pdf↓
https://www.nhk.or.jp/info/otherpress/pdf/2023/20231201.pdf

文書プロパティを見ると、作成と最終更新同時刻、謝罪会見の約1時間弱前のようである。

とにかく位置関係がわかりにくい

今回の流出案件とインタビューを受けた人がどういう位置にいたかだけ、ザクッと把握する目的だけの図。


冒頭でも書いたが、この問題は法廷で係争中の問題が複数関係するし、取材対象者は、事情は知らぬが、その一方からもう一方への転向が見られる。このため、単にセキュリティやガバナンス以外の問題が発生する。

  1. 取材情報の流出に関するセキュリティ問題&ガバナンス問題

  2. 企画自体に私的制裁の要素がなかったか?

  3. 取材対象者の選択が偏向していなかったか?

記者会見時点で、NHKが手をつけているのは 、1)の取材情報の流出に関するセキュリティ問題&ガバナンス問題 だけだ。

ここで安易に幕引きしてしまうと、NHKの記者さん、プロデューサーさん、ディレクターさんの情報リテラシーや社会常識が疑われてしまいますね。 

情報リテラシーが高く、発掘力のある方たちの名誉のためにも、NHKはきちんとした対応をとられた方がよいようにおもうのだが…。
 

国会で浜田聡議員がNHK会長に質すも 

例によって、NHK会長は「個別の案件については差し控える」といった逃げを打ったようではある。

 

2023年12月14日、NHKは協力者に謝罪の報道。

さて、この案件は2023年12月14日に若干の進展を迎える。

実に盛り上がっているところだが、いくつか興味深い点がある記事である。

【事象】
①NHK幹部がColabo事務所を訪れて謝罪のため、Colabo代表仁藤夢乃氏と面談
②毎日新聞が、面談後に、仁藤夢乃氏に取材して速攻で記事化

さて、注目ポイントをピックアップ

記事見出しと本文から

取材メモ流出 NHKが協力者に謝罪 「匿名情報公表で放送中止」

https://mainichi.jp/articles/20231214/k00/00m/040/215000c

さあ、ここで「協力者」って誰よ?という問題が出てくるが、それは記事ですぐに明かされている。

一般社団法人Colaboだった

NHK子会社の派遣スタッフが、首都圏局の記者が作成した取材メモを流出させた問題で、NHKの担当者が14日、若年女性を支援する一般社団法人「Colabo(コラボ)」(東京都新宿区)の事務所を訪れ、仁藤夢乃代表らに謝罪した。

https://mainichi.jp/articles/20231214/k00/00m/040/215000c

そして、Colaboは、当該の流出企画に関する「協力者」であったことが判明。

 仁藤さんによると、コラボが今回の取材に協力したにもかかわらず、情報の流出により放送できなくなったという。

https://mainichi.jp/articles/20231214/k00/00m/040/215000c

謝罪のためにColaboに訪れたのは、NHK首都圏局コンテンツセンターの佐々木貴志センター長

NHK首都圏局コンテンツセンターの佐々木貴志センター長は「流出は、報道機関としてあってはならない。大変申し訳ない」と謝罪した。

https://mainichi.jp/articles/20231214/k00/00m/040/215000c

ぶっちゃけいって、出世頭という地位ではなかろうか?

この日、面談は非公開で行われた面談後、仁藤さんは取材に応じ「この問題はコラボや女性支援全体への攻撃の一環でおきた。単なる文書管理が甘かった、という問題で矮小(わいしょう)化しないでほしいと要望した」と明かした。仁藤さんによると、番組の放送について、NHK側は「本来匿名であるはずの情報が公表された時点で放送できない」と説明したという。

https://mainichi.jp/articles/20231214/k00/00m/040/215000c

毎日新聞の速攻の取材経緯が不思議である。

この面談は2023年12月14日で、毎日新聞が報道したのが、同日 17:11。
毎日新聞は、どうやってこの面談を嗅ぎつけて、面談後の取材をしたんだろう?

Colaboの事務所は新宿区内だから、速攻で取材可能とはいえ、あらかじめ、Colabo側から取材のセッティングがあったのではないか?という疑念がわいてくる。なかなかの超速報道である。

この日、面談は非公開で行われた。面談後、仁藤さんは取材に応じ「この問題はコラボや女性支援全体への攻撃の一環でおきた。単なる文書管理が甘かった、という問題で矮小(わいしょう)化しないでほしいと要望した」と明かした。仁藤さんによると、番組の放送について、NHK側は「本来匿名であるはずの情報が公表された時点で放送できない」と説明したという。

https://mainichi.jp/articles/20231214/k00/00m/040/215000c

そして、基本的に、コラボ側の言い分を毎日新聞は垂れ流している。

さらに、夜になってジャーナリストの安田浩一氏からこんな写真がSNSに投稿されている。

この安田浩一氏のポストを仁藤夢乃氏がリポストしている。

これは、仁藤氏にとって「広く知られるべき構図」なのであろう

しかし、多くの日本人にとって、こういった形での謝罪シーンの晒上げは、「権力の誇示」や「脅し」ととられるために、記者会見でもない限りはあまり好まれるところではないだろう。

案の定ではあるが、謝罪シーンをアップした安田浩一氏のXポストは、2023年12月17日現在「1,294.3万表示、5624いいね」12月19日現在「1331万表示、5970いいね」と、滅多にないレベルの大炎上となっている。

膨れる謎

当初の企画が、中立的な立場からの「ネット上の誹謗中傷」をテーマとするものであったなら、Colaboが謝罪をうけるほどの取材協力する必要はないだろう。

となると、やはり、取材対象者の「語り」を通して、Colabo側の認識(女性支援団体が誹謗中傷を受けている)を広めることを目的にした企画であったのでは?という疑惑が発生してしまう。

だが、もしそうであれば、NHKは公共の電波と受信料を使ってColaboに阿る形の「世論操作」をしようとした、ということになってしまう。

今回の流出問題は、セキュリティやガバナンスの面からの問題は確かに大きい。

だが、取材メモ流出がおきなければ世論操作的な番組が放送されていたということになると、それはそれで大問題である。

「NHKの謝罪」に係る疑問

謝罪そのものにも疑問がわいてくる。

NHKは、Colaboに対して何を謝罪したのだろうか?

企画意図」は、NHK側から直接の形では明らかにされていないが、Colaboの仁藤氏がこういった内容であったと伝えている。

今回の流出についてNHKは、 誹謗中傷は深刻な社会問題だと捉えているからこその企画だった。Colaboに対する攻撃に加担した加害者が反省するという内容のものが、その誹謗中傷を扇動している加害者にわたってしまった。ただの流出とは考えていない。 とのことでした。
 
しかし、本企画については、匿名性をもって報道する予定だったものが出てしまったため、放送はできなくなったとの説明がありました。

https://twitter.com/colabo_yumeno/status/1735519878717780400

これが事実であれば、NHKの企画サイドは、暇空茜氏が誹謗中傷の扇動者であったという認識で放送の企画をしていたことになる。

つまりNHK企画サイドが、Colaboと認識を同じくしての企画であり、その目的が達成できなかったことについて、NHKが協力者であるColaboに謝罪したということになる。

となると、『ネット上での誹謗中傷問題』という体をとりながら、実質的には「扇動者」を問題にするという内容であったといえるだろう。

以上から次の3点が浮かび上がってくる。

  1. 当該の企画が、偏向報道にあたらないか?という問題。

  2. NHKで一部の活動家の認識に沿うような番組作りが常態化していなかったかという問題

  3. 企画提案に活動家が関与することがあったのではないかという問題。

Colaboに端を発して明るみになっていった問題は多岐にわたる。正直なところツッコミどころのオンパレードであるために、SNS等での批判のボリュームが増えるのは必然であろう。

一括して「気軽な悪意による誹謗中傷とその扇動」と判断できるようなものではない。

Colabo問題の話題の系統図

NHKがColaboに対して謝罪し、いくつかの新聞系メディアと、SNSにその謝罪シーンが掲載されるということ自体が、情報操作となっている懸念さえある。

Colaboを応援する人々と、その他の人々の認識が大幅に乖離しているという点もふくめ、情報操作疑惑にまで浮上してしまった。

乖離具合がよくわかるのは、メディアアクティビスト達の見解であろう。

こちらは勝部元気氏のポスト

そして、こちらはメディアアクティビスト津田大介氏のポリタスTVの動画。冒頭部分に謝罪シーンの動画が含まれている。

「暇アノン問題」という認識自体がいささか香ばしい。陰謀論に押し込めようとしているように見えてしまうのは気のせいだろうか。

NHKはColabo事務所に「説明に行った」が「謝罪」と報道されていた

「説明」が「Colaboへの謝罪」にすり替えられていく

上記ポリタスTV動画のColaboでの会談シーンの音声をライトゲーマー氏が書き起こしてくれた方のでそれを引用しておこう。

元ツイは下記

ちょっと読みにくいので画像で引用しておく。

どうやら、

①NHKは「ご説明」のためにColabo事務所を訪問した。
②Colabo側は「謝罪に訪れる」と認識し、報道陣を招いていた。
③毎日新聞、朝日新聞、神奈川新聞は「Colaboに謝罪」解釈で報道。
④ジャーナリストの安田浩一氏「NHKがColaboに謝罪」としてXに写真をアップ

ということのようだ。

各社の見出し部分のスクリーンショットを紹介しておこう。

しかし、会話から推定されるのは、ColaboがNHKになんらかのクレーム入れ、それに対応して「ご説明に伺う」といったことになった可能性が高いだろうといったことだ。
 
「ご説明」であればNHKの人の服装がややカジュアルだったことも、納得がいく。

福祉系の報道やドキュメンタリーの場合、放送後に「これはどういうこと?」と各種支援団体や支援者団体がクレームいってきて、担当者が「ご説明に伺う」は、しばしばあるらしい(ああ、風の噂ということにしておこう)。

とはいえ、放送中止ケースで、なおかつ不意打ちで報道陣を入れて、写真撮って印象操作は、相当珍しいのではないだろうか。

「ご説明」一考

こういう「ご説明」は、通常なら内々の話であり、表に出てこないものである。

しかし、ことによると表に出てこない「ちゃんと説明しろ」⇒「ご説明に伺う」が、NHK周辺で常態化していて、なんらかの圧力になっていたということもあるかもしれない。

それが今回たまたま表に出てしまったのではないだろうか?

 

NHK取材メモ流出問題まとめ

下記に図でまとめてみた。



2023/12月現在でのColabo問題おさらい

Colabo問題というのは、さまざまな党派と福祉行政が関与する問題であることはほぼ間違いないであろう。

暇空茜氏による東京都への住民監査請求⇒住民訴訟と、暇空茜氏vsColaboの民事訴訟という係争がある中で、何がどう報道されてきたかだけでなく、何が報道されなかったのか?という点が重要なポイントとなるだろう。

今回の取材メモ流出問題でも、依然、Colabo側にたった報道が目立つのである。

2023年春までのColabo問題まとめ図


暇空茜氏に対する批難等の人物関係図

これは、なる君が秀逸なのを作ってくれていた。

 

ぶっちゃけ、カルピスなんたら…とか…、余興ふやしてどーすんの?という印象しかない。 有能な野良調査員達の目が輝くだけなのではないだろうか。

 

繰り返しになるが、Colabo問題に端を発した問題群は、Colabo1団体だけの問題にとどまらない。

  • 国の行政、地方行政、大学、市民団体にまたがった公金チューチュー問題

  • NPOや社団法人が活動家の資金元になっていないか疑惑

  • 福祉政策の方向性が実効性のない方向に歪められていないか問題

  • 弱者支援に関わる不透明性の問題

  • マスメディアによる偏向報道・情報操作疑惑

ひとつとして、放置してよい問題はないだろう。

 


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