歌ならいつだってこんなに簡単に言えるけど。
寝る前ベッドのなかで衝動買いした絵本。
大好きな絵本コーディネーターの東條知美さんが紹介していて、あっ読みたい!って思ってポチッとして、そしたら翌日の午後にはもう手にしてた。便利すぎる時代。
✳︎
吃音に悩む男の子のことを描いた絵本。
なんだけど、川がね、すごくきれいだなあって思って読みたくなりました。川の水のどうどう流れてる感じとか。
で、やっぱり、本を閉じたとき、川がいいなって思いました。
わたしは吃音ではなかったけど、話すことにコンプレックスがずっとあって、ほんとは今でもあって、教室で注目される感じの怖さとかよく思い出すし、声を聞き取ろうとしてグッと耳をすまされる感じとかに傷ついたりする。
そんなときに、この男の子みたいに、好きな場所を思い出せたらいいなあって思いました。川のように話すって、スラスラ話すことじゃなくて、川も泡立って渦巻いて流れてるから、まるでどもってるみたいだから、ぼくと同じだから。
「円卓」っていう西加奈子さんの小説。わたしは読んでなくて、映画化されたのを観たんだけど、そのなかで、主人公のこっこちゃん(小学三年生)が、幼なじみのぽっさんの吃音をかっこいいって思ってマネしてたことがあって。ぽっさんが、「かっこいいって思ってマネしてるから嬉しい」みたいなこと言うんですよね。すごく印象的なシーンだった。
なんか、そういうことだよねって思う。
川みたいに話すひとがいて、鳥みたいに話すひとがいて、大きい声だったり小さかったり。いろいろ。それぞれ。
わたしは案外慌てもので、つい先を急いでしまうけど、もっとゆったりと、森みたいに話を聴いて、たまに雨みたいにぽつぼつと話したい。
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