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くちを閉じてうたう。

311の震災のあと、計画停電ってあったの覚えてますか?地域別に、何日の何時から停電しますよ!みたいの。

構えて待っていても電気消えなかったり、1時間以上遅く始まったりだったから、油断してたんだけど、仕事の帰り道、予定通りの7時ぴったりに真っ暗になった日があった。
街灯も周りの家の電気も一斉に消えて、立ちすくんだ。真っ暗になると何も見えなくなるんだ!ってびっくりして、自分が消えてしまったみたいにぞっとした。

もちろん、もっともっともっともっと、怖い思いをした人たちがたくさんいるのは知ってるけど、わたしは、311って聞くとあの真っ暗な世界が丸ごと消えてしまったみたいな瞬間を思い出す。それに引っ張られて、割れた電灯の破片が散らばった部屋や、家族が怒鳴りあったりしたことや、あのニュースの映像や、そういうのが全部、一気に、来る。


大好きなゼロさんが、こんな素敵なことを書いてくれてました。きのう、夜寝る前に読みました。それで、このこと思い出して、怖かった暗闇から救ってもらった気がしました。いや、ほんとに、救ってもらいました。

暗闇は、傷を癒すための時間なのか。傷ついたものには、夜が必要なのか。
長く生きてると、明けない夜も止まない雨もあって、ならもう夜のまま雨に濡れながら、笑ってればいいじゃんって、開き直ったりしてた。
もがくのが嫌いだから、ずっとじっとしてた。
あーあれは、傷を癒やしてたのかって、なるほどって、腑に落ちた。

自分のなかの怖いものを減らしてくれる言葉に、また出会えました。

⭐︎


今のこの世界の状況が落ち着いたときに、この日々を思い出すものはなんだろう。これからもっとなにか衝撃的な怖いことがおきて、それがトラウマになったりするのかな。

今が暗闇で、これからもっと深い黒になるんだとしても、みんなでじっとして傷を癒そう。

みんなでぴったりくっついて大きい声で歌える日まで、ハミングして待ってよう。

みなさまよいお年を!

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