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隣人の名前も人となりすらわからないのに…

愛国者ならば国家を守る気概を持つべきだ。愛国者ならば富国強兵を考えなくてはならない。成婚率をあげて出生率を回復しなければならない。婚活アプリに補助金を出そう。出生率の為に充実した福祉政策を。独身者は非国民として扱おう。

上記の内容は旧ツイッターXで語られていることです。私にはそのどれもが宙に浮いた言葉に聴こえます。地に足がついていないような、砂の上のお城という感じですね。


現代を生きるわれわれの多くは隣の部屋の住人の名前や人となりさえもわからない。気軽にお醤油を借りれるような距離感もない。暮らし向きは便利で快適になったものの、孤立している人が殆どでは。大多数が国家という存在をイメージできないのです。だってそれは人と人との繋がり、現代に生きるわれわれと先人達の繋がり、その集合体のような存在だから、孤立してる人々が国を守れだのなんだの言われてもピンと来るはずがないのですよ。


現代を生きるわれわれは子供の頃から、自分の暮らし向きが経済的に豊かになるようにと、幼い頃から勉強に励みます。その向こうには人同士の連帯や情のやりとりもありません。受験勉強に時間を割くようにしいられるので、友達と遊ぶこともなく、社交性が身につかず、学歴は高いけれども挙動がおかしいとか、合意形成能力が著しく欠けている社会人になって、それでも就職できた人間はまだ恵まれている、何万人もの無職引きこもりを抱える国家になり果てたというのが現在の日本ですかね。


日本列島を横断するような愛国心を叫ぶ皆様方。皆様方には友人はいらっしゃるでしょうか。自然災害が発生した場合に助け合える隣人はいらっしゃるでしょうか。出生率の回復を望む皆様方。情を交わし合うことができなくなった現代日本人をどう思っていますでしょうか。情を交わすことができない男と女が性欲が赴くままに性行為に励み、出生率だけが回復したって子供は健全に育つことはできません。両親が愛し合っているからこそ、子供は安心して育つことができるのです。


庶民が政治を変える為にアクションを起こすのは難しい…けれども、仲間や恋人、地域住人同士で情で結ばれるということなら可能かもしれない。それなくして富国強兵や出生率の回復はありえないのです。国家という大きな揺り籠の前に、先ずは自分達の足元から見渡していきませんか。

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