3つの書の展覧会を観た
【第45回 現代女流書100人展、 同時開催 現代女流書新進作家展】
日 時:平成26年5月8日(木)~12日(月)
会 場:日本橋高島屋 8階ホール
一字書、俳句・短歌、詩や歌の歌詞、写経などいろんな文字があって、盛りだくさんの展覧会だった。作品だけ見ていると女性が書いたとはあまり感じられない。美しく品はあるけれど、それは人間の美しさであり、女が醸すソレとは違う。
書はその作品から作家の個性や性別など、あまり感じさせないアートだと思う。もちろん書く人によって作品は変わるが、パーソナリティを感じない。ただ、目の前にある作品にだけ集中できる。作品が持つ情報量が極めて少ないからだろうか。絵は作家の人格がよく出るから、特にそう感じた。
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【第15回 青祥会書展】
日時:平成26年5月27日(火)〜6月1日(日)
会場:東京銀座画美術館
大きい作品がほとんどで、圧倒された。自分の体よりも大きい紙に書くのはどれほどの体力がいるのか。まだ書いたことがないので想像がつかない。
松吉久美子先生の「月に乾杯おひとり様の白ワイン」(敏子)
金の紙が優しい月明かりっぽい。
句を読んでしまったせいもあるかもしれないが、現代の働く女性の仕事上がりの一杯、という感じで
オシャレとちゃめっ気を感じた。可愛い文字だった。
(上記の「現代女流書100人展」とは真逆の感想…)
5つの作品それぞれ文字と額装を変えていて、それは書いるている言葉の内容と合わせているように見えた。
三浦真澄先生の4作品とも、松吉先生と同様にそれぞれ全く違った印象を受けた。
「初蝶来鎌倉駅前花舗燦々」(自詠)
看板や書籍タイトルのタイポグラフィのようで、いつまでも眺めていたくなる。
「終章はボレロのをどり雪の果」(矢島恵)
理由ははっきり言えないけど、好きだと思った。
現代っぽい。「ボレロ」とカタカナがあるからそう感じたのかな?
「果」をなんと読むのか分からなくて、帰宅後検索した。普通に「はて」と読むらしい。
「雪の果」…春を迎えて、その年の雪の降り納めのこと。春の季語である。
松吉先生と三浦先生の作品は、作品一つ一つが違う表現をされている印象で、挑戦的だと思った。
この日は松吉先生と三浦先生とご挨拶ができたのでよかった。三浦先生と初めてお話した。額についてのお話を伺っていたら、鳩居堂の展示会の学はそれぞれオリジナルで凝ったものが多いから、見ると面白いですよと教えていただいたので、会場を後にして鳩居堂へ向かった。
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【第39回 書道玄海社選抜展】
日時:平成26年5月27日(火)〜6月1日(日)
会場:東京銀座・鳩居堂画廊三階 http://www.kyukyodo.co.jp/
漢字の作品展で、文字だけでなく額も伺っていた通り、アート作品として仕上げられていた。中には額が目立ち過ぎて、肝心の書作品が埋もれているように感じるものもあったが、書作品を更に引き立てるための脇役に徹している額装は素晴らしかった。
布を引くのではなく、クロコダイルのような革を引いたり、市松模様のパターンを引いたり、額の内側の凹み部分に、1cm未満の和柄のラインを引いたり…職人技のようだった。このような見せ方もあるのだと、大変勉強になった。目から鱗。
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