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#自由律俳句
自由律俳句まとめ 10月〜11月
雷に蝉止む
起きればダンゴムシの体だ曇天
雨音がなだめている夜明け
待っていた手海の冷たさ
風吹き声ちぢむ夕闇
一曲ずつ14歳辿る
酒薄くコートの中が寒い
呆れても夕暮れ
踏み出す弾けるヘッドライト
26時横断歩道で歌いたい
ビタミン剤飲み忘れたので今日は上の空です
もみじの切っ先あおを刺す
黒濃く晴れた夜
老猫だった時のにおいに顔浸す
◆◆◆無季定
自由律俳句まとめ 9月
窓閉じて君が脈脈と聞こえる
雫の道筋ゆびで追う
俯く足の雲晴れた
一年前のプレイリスト再生してしまった潮風のふたり
温泉浸かってしぶきすら可笑しいあたしら
あんたが笑うから笑っちゃうんだよミカン酒注ぐ
鍋に温泉に酒に口数減ってく女共
一言で散ってく五人
こんな日の真珠しらけてる
開け放して夜が入ってきた
明るい夜の雲はやくて秋
瞼が落ちない夜は永い
ひっそり鳴く蝉の木の葉が
自由律俳句まとめ 8月/『百縛百句』001〜015
鎖骨に金くさり揺れ夜がきた
会いに行く足10cm浮いている
影の中あるく影
よそんちの子の胸膨らんで沈んで日暮れる
夏猫遠ざける
昼の熱残す布団に伸びている
お囃子が右から左に抜けて秋
君とガイドブック見に行くだけの旅でいい
マシンガントーク耐えるイカ反る
見ているを見られて逸らす花
浮気の理由待って隣席ドリンクバー六杯目
駆けのぼるミニスカートに目線走る
捨てたい今日は燃
自由律俳句まとめ 7月
寝てない私だけ昨日が続いている
ハートのうちわで虫たたく
君と生理痛重なるリビングデッド
折り曲げた太ももじっとりカーテンは揺れていた
ミイイインときてミィィ…ンのあたりが電子音
切れぎれに試し鳴きみっみっみっ
まっさらの麦藁帽子でどこまでも歩く
お囃子の調子で腹痛
涼しい風吹いてオレンジの街灯つく道
ぼとぼと雨屑おとしたあとの静けさ冷やり
赤いスープ飲んだ帰りの月があ
自由律俳句まとめ 6月
効かない錠剤睨んだところで
透けた耳朶バイバイのとき
赤い花生けたい君の肌は南国色
分け目に上目遣い
帰りたくない束の間の青
三本の牛乳鉢合わせ
月背負って重たい雲影
うなだれて首痛める
バカ笑いしてちょっと晴れてた
濡れて太った足
霧雨湿ったジーンズ前に進めない
アレしてないコレしてない五月闇
水色じゃないと知る手が握ったみずいろ
気になる人いて髪少し伸ばす
首に巻き
自由律俳句まとめ 5月 中旬
墨の香りが背骨をまっすぐにする
誰も見たことのないもとのかたちに還りたい
靴擦れした足で駅まで遠い
定食屋みんなが見上げる先に宮根誠司
文句をいう老婆の声の柔らかさ
針金格子の間から日向に近づきたい桃色
そよぐ緑の向こうで他所んちの換気扇が廻っている
帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る帰った
自由律俳句まとめ 2013年3月〜5月
去年の9月に自由律な会「ア・ぽろん」に入会した。以来、全くがんばらず特に考えもせず。のんべんだらりと、どうしようもない自由律俳句をたまーに詠んでいる。それを一部まとめた。今後、備忘録として掲載していくつもり。実にナルシストな作業。だが、ちょっとおもしろい。
センター街を駆け抜ければ肺に湿気の膜がはる
さらりとした空気が血管を撫でる
固く鈍くなる指先に青信号を送れ
風にさらされた指先が発熱す