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建築という文化財が戦争への抑止力

“建築という文化財が戦争への抑止力となることに気付いたとき、私はイケイケドンドン風の建築観を改めました。”井上章一氏(国際日本文化研究センター所長)のことばである。詳細は PRESIDENT Onlineをお読みいただきたい。目から鱗である。

今週はわたしにとっての建築ウィークそのものであった。第一は先のネット記事。次なるは、今週から絶賛発売中の”BRUTUSの建築を楽しむ教科書”にも出会えた。コンビニの棚が少なくなっているのを見ると、その手軽な価格(\800)から売れ行きも好調の様である。レーモンドと教会、現代建築家と教会という斬新な切り口で合計8ページの台割は、この手の雑誌では初の試みだと思う。

大好きな故岡本太郎氏の岡本太郎記念館も写真入りで紹介されている。坂倉準三氏の設計と初めて知った。耳よりな情報として、青山の骨董通りの1本入ったところに記念館はあるのだが、これまで通り沿いの建物で見えなかった記念館のファサードが、前面の建物が一時的に無くなったが故、通りからばっちり見えるのである。再開発ですぐビルが建つと思うので、カメラに収めるなら、そう、今がチャンスなのでR。

これも初耳であったが、福井に年縞(ねんこう)博物館があることも知ることができた。銀座線渋谷駅のホネ骨ロック駅でお馴染みの内藤廣設計である。年縞とは、年輪の様に、長い年月で堆積した縞模様の地層のことで、内藤氏の意匠が盛り沢山つぎ込まれた建築であることが理解できた。なかなか行く機会がない福井方面だが、この1つの建築を見に、福井に行きたいと思わせる力は建築の可能性を改めて認識する事象である。

書を捨てよ町へ出よう、とは言いずらい時節柄ではあるが、大手を振って建築巡りができる日を待ち望みたい。

追伸 今回のBRUTUSでは世界で一番好きな南方熊楠翁の記念館新館(2017年竣工)と小さな名建築のページで、中学の大先輩でフランスパン伝説の故白井晟一氏も掲載されており、ご機嫌!である。

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