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「私があなたを選びました」

今、中3の長男のこと。

「私があなたを選びました」

長男が3才で発達障害だと診断され

た頃、私はこの言葉が嫌いだった。

周りの人達から

「神様は乗り越えられる人にしか

試練は与えないのだから」

「お子さんはあなたを選んで生まれ

てきたんだよ」

という、恐らく私を慰めようとして

くれたのであろう言葉をかけられ

ても、素直にそう思えなかった。

私はそんな強い人間ではないし、

そういうあなたのお子さんは健常児

じゃないかと思った。

彼がどんな風に大きくなっていく

のか、全く想像もできなかったし、

神様はこの世にいないと思った。

けれど長男が通っていた保育園、

小学校、そして中学校。

先生方や保護者の方々、長男の

同級生…本当にたくさんの人に

恵まれた。

言葉の遅れがある長男は、小さい頃

他動で、どこへ行くにも目が離せ

なかったけれど、今はその頃が嘘の

ように落ち着いていて、私の子育て

も少し楽になった。

純粋で弟想いの、本当に優しい子だ

と自負している。

10年以上たった今、思う。

やっぱり彼は私を選んでくれたの

だと。

もし私が人間として少しでも成長

しているのだとしたら、それは

長男のおかげなのだと。

長男の障害を受け入れられずにいた

時言葉の教室で先生に言われた言葉

を思い出す。

「◯◯くん(長男)と、ご家族のみな

さんが幸せになれる方法を考えて

いきましょうね」

私はもし生まれ変わっても、二人の

お母さんになりたい。

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