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ひきこもりになった元役者

近未来。
仕事がまったくこなくなり、引きこもりになった元役者、田辺孝造(60)は、人が住める惑星・ラピ星へ移住できるCMを見て、家をすぐに売却。

妻の好子(50)と共に悠々自適の生活を送ろうとラピ星への移住を決意する。


しかしラピ星に着陸した時の衝撃で、好子はすべての記憶を失っていて、
「これからは一人で生きていく」と言い、田辺の元を去っていく。

一人になった田辺の元に、家族と離れ離れになったという宇宙人、
ピッピが現れる。

寂しがり屋で食いしん坊なピッピを仕方なく家へ招き入れ、
苦手な家事に奮闘しながら同居生活を送っていくうちに、
田辺は今まで好子が自分へ向けてくれていた愛情、
また自分の好子への愛情に気づく。

好子とまた暮らしたいと思った田辺は、聞き込みをし、
好子の居場所を突き止める。
地球人も多くいる、ショッピング施設の広場で好子を見つける田辺。

舞台上で全くセリフが出てこなくなった昔の記憶が脳裏をよぎるも、
好子を取り戻すべく、その場で田辺は演技を始める。

出会いやなれそめなど好子との過ごした日々を、記憶を取り戻すために
芝居で必死に伝える田辺。

大粒の涙を流す好子。
実は好子は記憶を失ってなどなく、演技から離れてしまい、
落ちぶれていく田辺を見ていられなかったと話す。

田辺は「今の芝居でまた役者魂に火が付いたから、再起をはかろうと思う。また地球へ戻って一緒に暮らそう」と、好子に告げる。

大きくうなずく好子。

小さなロケットで地球へ帰還する田辺と好子。
そのロケットには実はピッピが乗っていることを2人はまだ知らない。


ー おわり ー


上記は、
三宅隆太さんのスクリプトドクターの脚本教室・中級編を参考にして作った
オリジナルストーリーです。



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