大島奈桜

今までに考えたストーリーを、ここに残します。

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最近の記事

銃を乱射したいと書いた日

 25年前のことだから言えることですが、私は高校3年の時、学校のプリントに「銃を乱射したいです」と書きました。  当時、私の担任は、『今自分が思っていることを何でもいいので文章にしてクラスのみんなに発表しましょう』というのをやっていました。  週に1回、クラスの生徒1人が前に出て、書いてきた文章を発表し、聞いた人はその発表をどう思ったか、1枚のプリントに書いて提出する。  クラスの大半は「なんて面倒なことが始まったんだ」と不満そうにしていました。私は自分の番が来たらどんな

    • 『あのクズを殴ってやりたいんだ』感想

      恋愛ドラマが大好きな私。今期も色々な恋愛ドラマがありますが、 既に面白くてこれからが楽しみなドラマは「あのクズを殴ってやりたいんだ」です。(まだ今期の恋愛ドラマを全部見たわけではないです。) もう、主役の奈緒さんの演技がとにかく面白い!コミカルで可愛くて、ずっと目が離せません。 気持ちや身体の痛みまでが分かりやすく伝わってきます。オーバーなんだけど、そんな人いないでしょう?という程あり得ないわけではない。 歩く姿、走る姿、驚く姿、どれもが、役の「ほこ美」ちゃんが今どんな見

      • 高3の約束

        「ぎゃはははは。お前、マジでそれはねーわ!」 廊下を歩きながら、ツレが馬鹿笑いをしている。廊下を歩いていた周りの生徒は俺たちを避ける。それはまるでモーゼの海割りのようだ。俺は1軍男子だ。陽キャだ。そんな俺にドンッとわざとぶつかってきた女子がいた。 メガネの黒髪、スカートは膝よりだいぶ長い陰キャ、カースト最下位の女子、七菜香だ。 ぶつかった拍子にメモを渡された。俺はそっとそれを開く。 「今晩うちに来て」 メモにはそう書いてあった。 夜、俺は本棚を組み立てていた。昼間

        • オーディブルで『トットちゃん』

          ただいまオーディブルの無料体験期間中です。 色々な本を聞くことができています。 電子書籍では有料で読めなかった本もリストにあって、聞くことができてとても良いです。 中でも1番良かったのは、マイコプラズマ肺炎になった時。 体がだるくて何もできない。動きたくない、映像も見たくない。 そういう状態にオーディブルが大活躍しました。 横になって聞く。勝手に耳に入って来る。 その時に読んだのは「窓際のトットちゃん」でした。 著者である黒柳徹子さんご本人が朗読してくれます。ただでさえ、

        銃を乱射したいと書いた日

          キングオブコントで感じた7つのポイント

          とっても面白い、ロングコートダディからのスタートだった2024。 その後もずっと面白くて、これはどうなるんだろうのワクワクがすごかった。 でも審査って難しいんだろうし、好みがバラバラなんだろうし、合計点数に⁇が続いた。 順番の妙。色んなことが重なっての結果に、心から満足したかというとそうでもない。 2023のサルゴリラさんが圧倒的で爆発的だったので、それを期待してしまっていたせいもある。 今回感じたのを7つにまとめてみた。 ①大規模なセットは良くない ②小道具を使いす

          キングオブコントで感じた7つのポイント

          SAVE THE CATの法則買いました。

          以前からずっと気になっていた「SAVE THE CATの法則」という本を買いました。 本格的にストーリー作りをしよう決めてから、色々な本を読んだり、サイトの記事を読んだりしていると必ずと言っていいほど、オススメされている本「SAVE THE CATの法則」。 電子書籍もいいけど、老眼になりつつある私はやはり手に取って読みたくて、アマゾンで購入し、昨日届きました。 まだ買って数ページしか読んでいませんが、すでに買ってよかった! 時折、言葉の表現の仕方で何を言わんとしてい

          SAVE THE CATの法則買いました。

          トマトの達人

          ある野球少年は「太鼓の達人」がやりかった。 でも少年の両親はゲームを許さない。 少年は8歳。いまだ ゲームに触れたことがない。 でも彼は見てしまった。 クラスメイトが ゲームセンターで太鼓の達人をやっているのを。 楽しそうだった。もう夏は終わったとというのにお祭りのようだった。 やりたい。どうしてもやりたい。 あの赤いマル、(ドンちゃんというらしい)は、叩くと花火になるんだ。 少年は家の中を物色した。 プロ野球の応援バットが見つかった。これはバチになりそうだ。 目に

          トマトの達人

          サラリーマンは水鉄砲で遊ぶのか

          「あちーっ」 もうすっかり夏だ。飛び込み営業をしていた、俺は滴る汗をぬぐいながら、緑が生い茂る公園に立ち寄った。 寄って正解だった。木陰にベンチがある。 (よっこいしょ ……はぁ…… 疲れた) 座った途端、 ぴゅぴゅっ!ぴゅ―――!! 少し離れた場所で水鉄砲をして遊んでいた少年2人の水が、俺の髪にかかった。 (はぁ!?) 腹が立った。が、俺はもうすぐ30だ。ふぅ……と、深呼吸してびしょ濡れの少年2人に、手をあげ声をかけた。 「ねえ…… 俺の髪、濡れたんだけど?も

          サラリーマンは水鉄砲で遊ぶのか

          ラジオCMを聞いた感想

          「ラジオCM面白いよ?聞いてみたら?」 漫画家の夢をあきらめた私に、夫がこう言いました。 「短い時間でも引き込まれるし、聞いてて面白いんだよ」 私の中でラジオは、芸人さんのを選んで聞くくらいで、 ラジオCMはほんの数回しか聞いたことがなかったので、 ユーチューブで検索して、聞いてみることにしました。 聞いた感想は、「ラジオはラジオだ!」ということ。 当たり前だけど、音に特化している。 でも4つの気づきがあったので、書きます。 1.「たけしー!」 と、名前を叫んだり

          ラジオCMを聞いた感想

          ビビりで、弱虫で、お腹弱い上司

          (私の上司は、どうしてこうも頼りないんだろう……) 歩道の真ん中でうずくまっている。 プレゼン会場に行きたくないからだ。 「もう!課長、時間ないですよ!」 私がイライラして叫ぶと、 「イヤだ……行きたくない……胃が痛い……帰りたい……」 課長は小さな声でボソボソ言い始めた。 ( はぁ―― ) 無理やりでも立たせなければ……と私は思い、 課長に近づくと、課長はパッ!と立ち上がり、 「トイレ!」 と叫んで、真横にあったコンビニに消えた。 「それではっ…お手元の

          ビビりで、弱虫で、お腹弱い上司

          夏の日の図書館

          図書館が閉鎖されてしまった。 大学受験を控えているというのに。 家で勉強なんて無理。 弟が友達とゲームで騒いでてうるさすぎる。 ああ、どこで勉強しようか……。 畑中このみ は、勉強道具をトートバッグに入れて、 家の戸を開けた。 もうすぐ10月。暑さはいくらか和らいでいる。 でも、夏休みは良かった。 まだ図書館が開いていたから。 あれから毎日のように通った。 あの人元気かな。 どこで何をしているんだろう。 ミーン!ミーン! セミの鳴く声が、やたらと耳に突き刺さ

          夏の日の図書館

          事故物件の幽霊

          人の運命は生まれながらにして決まっているんじゃないだろうか そう思えてくる私の平たい手のひら。 手相の線はあまりにも薄く、 『あがいても、もがいても、何もつかめないよ』  と、語りかけてくる。 小説家を目指す木村真理子(きむらまりこ)は、 そう思って、掲げた手のひらを降ろした。 事故物件の部屋。 古いアパートの、西日だけがやたらと差し込む部屋。 畳の上にゴロンと横になって、何時間経っただろうか。 跡形もないし、安いし、幽霊なんて怖くないし……。 いっそ、ここに幽

          事故物件の幽霊

          体調崩してました。 病院に行ったわけではないけど、 2週間前にマイコプラズマ肺炎でしょうと言われた長女と、症状が似ているので。 たぶん同じかなと思います。咳がまだ辛いけど、やっと落ち着いてきました。

          体調崩してました。 病院に行ったわけではないけど、 2週間前にマイコプラズマ肺炎でしょうと言われた長女と、症状が似ているので。 たぶん同じかなと思います。咳がまだ辛いけど、やっと落ち着いてきました。

          異世界人に狙われた小屋

          青々とした木々に囲まれた、古い山小屋。 その縁側で、菊池さくらは目を閉じていた。 遠くで鳥が鳴いている。川のせせらぎも聞こえる。 木と、土のにおい。 ふと、気配がして、さくらは屋根に飛び上がった……と思ったが ダァーン‼ 首根っこを掴まれ、硬い土に、顔を押さえつけられた。 (一体何が起きた!?) さくらは手の主を見ようと、首を動かそうとしたが、 まったく動くことができない。 せめて瞳を端に寄せることで見ることはできないか…… 『なんだ。女か』 低い声がして、首

          異世界人に狙われた小屋

          ゾンビランド

          「桜島は立ち入り禁止です!入らないでください ‼」 警察官の小田剛士(おだ たけし)はキープアウトの前に立ち、 観光客に向かって叫んだ。 観光客はガッカリした様子で、その場を次々と後にしていく。 ただ1人、大男をのぞいて。 大男は小田に近づいてきた。 「あの、立ち入り禁止ってゾンビが出たからですか?」 「え?……ええ。そうです」 「見えないですけど、ゾンビ」 大男は、小田の背後に広がる草原をキョロキョロと見回している。 「正しくはこの先にある、廃業したホテルにゾ

          ゾンビランド

          誕生日の夕焼け

          「やっぱりロウソクもあったほうがいいな」 自宅までの道を少し遠回りして、篠崎沙知(しのざき さち)は、 100均に向かった。 休日出勤の帰り。 今日は沙知の誕生日。 コンビニでイチゴのショートケーキを買ったが、 誕生日だからやはり、ロウソクの火を息で吹き消したい。 100均に入って、沙知は入らなければ良かったと思った。 井上雅史(いのうえ まさし)がいたからである。 3年前まで沙知と社内恋愛していた雅史。 雅史はとても仕事熱心で、誰も弱音を聞いたことがない、 沙知

          誕生日の夕焼け