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悪魔とワルツを 3.もっとほしいの

永遠少年症候群(http://jushin.chu.jp/odai/)様から素敵なお題をいただきました。ありがとうございます。

夏が終わり秋が来た。夏の初めに生まれたから夏希と名付けられた私はまた一つ年を取った。誕生日プレゼントといっても過言ではないが初めて正社員での営業職の内定をいただいた。研修を終えてからは一人でひたすら車を運転してお客様に保険の営業をしていく。獣は獲物を逃さない。この会社に食らいついてやるんだ。

休日は電源が落ちたかのように寝ている。そして考えるんだ。鈴花のふっくらとした柔らかそうな唇に触れたい。そして願うならばあの細身の体を抱きしめ、ワイシャツ越しに膨らんだ思ったよりも大きな胸を優しく優しくもみほぐしたい。そしてあの涼やかな声で私をさげすんでほしい。

ああ、私はなんて欲深いんだ。鈴花とはやっと一か月前に二人きりで会ったばっかりだったのに。

キスしかしてないのに。

サヨナラの時の鈴花からのキス。

またキスをしたいよ。フレンチではなくて熱く燃えるキスを。獣はいつも飢えている。鈴花あなたが欲しいよ。もっと。もっと。もっと。あなたのすべてを私は愛する。世界があなたを敵に回しても私はあなたを守る。世界が私たちを祝福してくれなくても私はあなたを愛し続ける。だからあなたをもっとほしいの。

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