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拝啓 愛しき君へ 3.跪いての告白

永遠少年症候群さま(http://jushin.chu.jp/)からお題をいただきました。素敵なお題をありがとうございます。

夢の中にいるようだ。泡がゆらん、ゆらんと浮遊しては弾けていく。

静かな夜が次第に更けていく。

そして思考の海に沈んでいく。初めて会った日から君は僕のすべてを奪った。

ありきたりだけどそれが初恋だった。

心が奪われていく。

君にしか見えない世界を僕は欲しかった。狂い惜しいほどの感情。君に触れたいけど拒絶されるのが怖かった。

騒がしい日に俺は笑えなくなっていった。

ダメだ。

ダメだ。

笑っていなきゃだめだ。

君にしか見えない世界に居続けたいのだから。終わりにしたいとも思うこともあるけど君の隣で世界を知りたい。だって二人なら見つけられる世界があるだろう。

だから僕は君に告白をしよう。君が「さよなら」と言うならば笑ってこの物語に幕を閉じよう。心の中の靄のようにかかった霧が晴れていく。

冷たい朝が来た。

染みついた雨が僕の心のようだった。雨は一日中降り注いだ。

君へのサヨナラの代わりの一言は教室に静かに響いた。君は優しく笑った。冷たい雨は慈愛に満ちた優しい雨になった。

僕は君に手を差し伸べた。それは物語の始まりへの誘いだった。

僕の目に映る君はなんて愛おしいんだろう。

つないだ絆はもう離したくないよ。

二人は今、世界を知っていく。

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