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アニメの評価基準は「ヲタク心に響くかどうか」という1点に尽きるという話

これまで「note」には各クールのアニメランキング記事を中心に投稿してきた自分ですが、改めてどういう基準でランク付けしているのかという話をしてみてもいいかなと思いまして…。よろしければ読んでやってください。

自分のランキング記事を読んでくれたことがある方は知っているかと思いますが、自分は各作品について「S-」や「A+」など、極めてシンプルな表現で評価値を示しています。「note」への投稿を始める前は仲間内だけで各クールのランキングを公表していたのですが、昔は自分も「作画」「ストーリー」「キャラ」という項目分けをしてそれぞれについて評価値を可視化し、その3つを平均化した「総合」という項目で最終的な評価値を示していました。そして、「総合」での評価値が高い順にランキングも上位になっていくわけですが、結果的に自分でもしっくりこない順位結果になってしまうことが度々あったのです。

特に「作画」の項目はやっかいでした。「作画」の項目では「静画はデッサンが崩れていないか」「動画はヌルヌル気持ちよく動くか」「キャラの表情や衣装や背景の描き込みにはどれぐらいこだわっているか」「シーンの切り取りやアングル表現は工夫されているか」「演出に係る撮影技術は優れているか」などの観点からどれだけ自分が「素晴らしい!」と思えたかどうかを総合的に評価していたわけですが、その「素晴らしい!」が必ずしも自分の中で「面白い!」に直結するわけではないということに徐々に違和感を覚えるようになっていったのです。

具体的な作品名を挙げると、『このすば』の愛称でお馴染みの『この素晴らしい世界に祝福を!』で完全にこの違和感が顕在化した気がします。この点についてはおそらく多くの方に同意してもらえると思いますが、本作品において「作画」を上記のような基準で評価していけば、「素晴らしい!」という感想を抱く人はそう多くはないでしょう。しかし、そこには圧倒的な「面白い!」がありました。その点はもちろん「ストーリー」や「キャラ」という項目で評価をすれば良いわけですが、結果的に「作画」の低評価が足を引っ張り「総合」ではそこそこの順位に落ち着いてしまうことになったのです。自分はこんなにもこの作品に満足しているにもかかわらず…。

もちろん、逆もまた然りです。「作画」は実に素晴らしかったのに、「ストーリー」や「キャラ」はそこまでではなかった作品の場合、自分の中での満足度はそれほど高くないにもかかわらず、「総合」ではそこそこ高順位に付けてしまうことがしばしばあったのです。これもあえて具体的な作品名を挙げるなら、『このすば』の1期と同時期に放送されていた『無彩限のファントム・ワールド』が好例といえるでしょう。両者の「総合」の評価値では、かろうじて『このすば』が上回りましたが、本当に僅差でした。しかし、自分の中での「面白い!」という満足度ではもっと圧倒的な差が付いていたというのはお察しのとおりです。

この辺り、自分と同様にアニメ作品をランク付けしようと試みている方々がこの違和感にどう折り合いを付けているのかには非常に興味があります。もし、各々の考え方を居酒屋で語り合う機会があったら本当にあっという間に時間が過ぎてしまいそうですね(笑

話を戻しますと、そうした理由から自分はアニメ作品の評価の際には詳細な項目分けは行わず、極めてシンプルに「S-」や「A+」といった表現で示すことにしました。この評価基準はただ1点、タイトルにもさせていただいたとおり「ヲタク心に響くかどうか」のみです。自分にとって「この作品を応援したい!」「来週の放送が待ちきれない!」「〇〇ちゃん、可愛すぎて死にそう…!」というようなワクワク感やドキドキ感による視聴意欲に繋がれば何でも評価の対象になり得ます。

そしてもちろんその中には、あえて項目分けしなかった「作画」「ストーリー」「キャラ」といった要素も含まれることになります。ここで重要なのは、それが上記の視聴意欲に繋がるかどうかです。例えば「作画」についても、技術的に素晴らしかったかどうかだけでなく、それが「ヲタク心に響くかどうか」という観点が非常に重要になります。具体的な作品名を挙げると、『明日ちゃんのセーラー服』の作画は、技術的な観点は基より制作陣のフェティシズムに対するこだわりが尋常ではなく、むしろ作画こそに作品としての主題、そしてストーリー性までもが内包されていました。今目の前にある「絵」が何よりも雄弁に語っていたのです。そういった作品を自分は愛したいし、いつまでも見ていたいと感じます。

あるいは、作画の技術的にはイマイチだったとしてもそこから独特の味が生まれており、むしろ崩れているからこそギャグとしての面白みが増すという逆転現象に繋がることもあります。『このすば』はまさにこの好例であり、本作品が今後むやみに整った作画になってしまった場合、かえって作品としての魅力が損なわれる可能性すらあります。こういうのって、本当に奥が深くて面白いと思いませんか…?

以上が、現在の自分が各クールのアニメ作品をどういう基準でランク付けしているのかという話になります。ここで述べさせていただいたのはあくまでも持論なので、叶うなら色々な方の意見も聞いてみたいですね。今後とも、何卒よろしくお願いいたします。

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