見出し画像

最近、読んだ漫画のヒロインが最の高すぎたので思わず紹介したくなったという話(@『あそこではたらくムスブさん』)

「コ〇ドームから始まる純愛があってもいい」
もし、こんなキャッチフレーズがあったら、皆さんはどう思われるだろうか?

「純愛」とは謳っているが、きっと、ズブズブでえちえちな展開を期待してしまう人が多いのではないだろうか。
しかし、本作品はその邪な想像の斜め上を越えてくる。

これは、「コンドームの制作会社」で働く男女のまごうことなき純愛物語なのである。


最初に作品の概要を軽くおさらいさせていただくと、今回紹介させていただく『あそこではたらくムスブさん』は、モリタイシ先生により2017年11月10日から小学館の「月刊少年サンデー」にて連載されている作品であり、2023年10月現在、単行本が5巻まで発行されている(なお、最新の6巻は2023年12月12日に発行予定)。

本記事では、既刊である5巻までの内容を基に、本作品の魅力とはなんぞやという部分を語らせていただくつもりだが、物語の核心に触れないように配慮はするがどうしてもネタバレ要素は含むので、本作品を未読かつまっさらな状態で読んでみたいと思ってくれた方は、ここからはブラウザバックを推奨したい。

(以下余白)













それでは、ここからは改めて本作品の魅力について語っていきたい。

上記でもさらっと述べたが、これは「コンドームの制作会社」で働く男女の純愛物語である。
本作品の魅力の大半も、そのインパクトのある設定と導入部に反して、主人公とヒロインの距離が徐々に縮まっていく過程を、丁寧かつリアルに描いている点にある(と自分は思っている)。

この「リアル」という部分については、読む人にとっての基準は千差万別であろうが、自分はこと「あまり恋愛経験が豊富でない男性が、頭の中でアレコレ自問自答と葛藤を繰り返しながら憧れの女性と心の距離を詰めていく過程の描写」という部分についてあるある感と共に大きなシンパシーを感じた。

つまりは、こういうのである。
一介の男としては実に心に刺さる描写であるが、意中の女性に対する「自分以外の親しい異性の存在」はどうしたって気になるもの。
旅先や合コンなどのその場限りにできる状況ならともかく、アルバイト先や職場が同じであったり、クラスやサークルが同じであったりと、物理的に同じコミュニティに属している異性であるなら、女性としてもその後の関係性にも配慮して「察してね」という表現になるのはあるあるだろう。
それを見えないふり、聞こえないふりするのは個人の自由であるが、本作品の主人公はそこまで無茶なタイプではない(かつちゃんと押すときは押す)ので、その塩梅が実にいいバランス感覚で描かれているのが、作者の技量もといシンパシーを大いに感じる部分なのである。


そしてここで、なんだか順序が逆になってしまった気がするが、本作品のヒロインについて、改めて紹介させていただきたい。

はい、もうお分かりの通りとにかくめちゃくちゃ可愛いのである。
ここまで可愛いと、これだけで立派な購読理由になってしまう。
紙面に彼女が描かれているだけで、それが既に立派なストーリーなのであり、主人公が一目惚れしたというのも無理もない話なのである。

そして、彼女の本名はなんと「近藤 こんどうむすぶ」である。
実にド直球でいいではないか。
かの『ナニワ金融道』に同名のキャラがいたとしても、何の違和感もないであろう。

彼女は「湘南ゴム工業株式会社」という架空の会社の「総合開発部」という部署でコンドーム開発の研究者として働いており、同部署に主人公が配転されてきたところから物語は始まる。

ちなみに、物語現在、主人公は24歳、結さんは26歳であり、つまりは2つ年上の先輩系ヒロインである。
このあたり、名作『めぞん一刻』の香りを感じなくもないのだが、自分はもし無人島に一作品だけ漫画を持ち込めるなら秒で同作品を選ぶほど最高峰にお気に入りの作品であるので(年齢がバレそう)、そうしたオマージュ感も含めて本作品を楽しんでいる。

ただし、結さんについては、未亡人である管理人さんとは違って、「(恋愛に関しては)無垢で純真な可愛い先輩」であることに、大きな魅力のポイントがある。

なので、恋愛の描写的には年下である主人公がぎこちないながらもリードしていく感じになる。
作品における恋愛の描写については、駆け引きの描写にリアリティがあるというのも魅力の一つにはなり得ると思うのだが、こんな風に自分の気持ちをありのままに素直に話せばいいと思える女性が目の前にいるという状況には、どうしたって憧れてしまう。
男性をこういう気持ちにさせてくれるのは、間違いなく結さんの可愛い先輩としての大きな魅力の一つであるといえるだろう。

そして、そんな麗しい結さんの職場での普段の様子がこちらである。

う~ん、この背徳感…(汗
「キャベツ畑」や「コウノトリ」を信じている可愛い女のコに…(以下略)は大袈裟だが、ある種のそうした下卑た快感を感じるのは否定できないところ。
もちろん、結さんはそれが何か知っているどころか、現役の研究者であるのだが、要は「それを自分で使ったことはない」というアンバランスさが肝なのであるのは言うまでもない(ちなみに主人公は非童貞)。

また、結さんは父親のワガママ意向により毎日実家から片道3時間かけて通勤しており、21時過ぎには終電を逃してしまうという正真正銘の箱入り娘である。
よって、仕事帰りに食事に誘うのは難しい代わりに、仕事に熱中するあまり帰りの電車が無くなってしまい、あらどうしましょうという展開が望めるのである。
その時に主人公とどうなるのかは、是非本編を読んで確かめてほしい。

最後に、本作品の白眉な点として、”男女の二人きりの空間における臨場感”が、実にゾクゾクする秀逸なリアリティを持つというものがある。

上に掲げた場面は、個室で二人きりで食事をしているシーンなのだが(セリフについてはネタバレ要素が強いので割愛)、”(物理的・精神的両面における)意識し合っている男女の絶妙な距離感”を実に上手くトレースした構図だと個人的には感じた。

また、こうした”シャワー後の濡れ髪をドライヤーで乾かす”という艶めかしい描写を、”自室”ではなく”男性の前で”行う(かつそれに見惚れる主人公)という構図は、普通の作品であれば頁数の都合等により省略されてしまうことが多いと思われるが、それにきちんと尺を割いて”必要な描写”であるという判断をしてくれる作者の心意気には最大限の賛辞を贈りたい。


以上、自分の感じた本作品の魅力をつらつらと書き綴ってきたが、皆さんにも無事伝わっただろうか?
おそらく、そこまでメジャーな作品ではないと思われるので、まだ読んだことがない人が多いと思われるが、個人的には本作品のヒロインの結さんは、歴代でもトップクラスにお気に入りの可愛い先輩系ヒロインである。

実際、読んでもらえれば、ここでは紹介しきれなかった様々な魅力に溢れた作品であるというのがお分かりになると思うので、是非一度手に取ってみてほしい。


この記事が参加している募集

好きな漫画家

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?