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子ども相手に誤魔化さない、誠実で丁寧な夫

2歳の子にわざわざ、これから注射しに行くよなんて言う親はあまりいないのではないかと思う。泣いて嫌がる子を病院に連れて行くのはなかなか大変である。

「大丈夫大丈夫、すぐ終わるからね」となんとなく誤魔化して、診察室に入ったら腕出してチックン、はい終わり!よく頑張ったね!
この流れの方が、親としては楽なんじゃないかと思う。

しかし、うちの夫は、2歳相手にとても丁寧に説明する。
「15時になったら病院に行くよ。病気にならないためにチックンするんだよ。あとでママと赤ちゃんも来るからね。終わったら、おうちでゆっくり遊ぼうね」

夫曰く「パパはウソをつかない」と覚えさせ信頼関係を強固にすることで、いざという時に備えているのだとのこと。

あとでお菓子買いに行こうねとか、今度のお休みの日に公園行こうねとか、ちょっとした口約束も、うやむやにしない。

さて、予防接種の宣告を受けた娘の反応は、こちらが想像するよりずっと大人だった。
もう「チックン」が痛いことだと覚えているので当然嫌がったのだけど、話しているうちに覚悟を決め緊張した面持ちで待合室で待つことができたのだ。

12月に保育園の発表会があったのだけど、娘は数日前から「いやだ…」と漏らしていた。

昨年の発表会も、観覧席のママの姿を見つけて最初から最後まで大泣きして何もできなかったから、今年は出発前から泣くんじゃないかと覚悟していた。

当日の朝、やはり娘は行きたくないと言った。

なんとかなだめてパパの抱っこで保育園に行ったのだが、顔はずっとこわばっている。
集合時間になって引き離されたら絶対泣くだろうな〜

しかし集合時間になると、娘はスッとパパの抱っこから降りてスタスタ歩いて集合場所に向かったのだ。

「当日の流れ説明しといたんだよ。おつぶは賢いからね」と夫は言った。

娘も、パパの話をいつもよく聞いている。
親子関係は上下ではなく対等であるべきと言う夫の姿勢は娘にもきちんと伝わっているようで、娘も「尊重されている」と感じているように見える。

自分を信頼してもらうことばかり考えてしまいがちだけど、子どもを信じることこそがいい親子関係をつくるための1歩なのだ。

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