幸福なひと

NHK総合で放映された『幸福なひと』を観ました。

3月の時は気持ちにブレーキがかかってしまったのですが、今回は録画もし、向き合ってみたいと思ったのです。

体験者の声も誠実に扱い、丁寧に作成された内容だと思いました。

あの時の自分たちみたいだと、なぞることばかりで、リアリティがありました。事実、夫が言ったことと同じ言葉が繰り返し出てきて、
特に「誰のためなんだ」というのは私に向けて夫が叫んだ言葉だったので、私はなんてことをしてしまったんだろうと改めて思う部分もありました。

あの時から9年。医学の進歩を肌で感じています。

こんな辛い想いをする人がいなくなりますようにと心から願います。

『幸福な』という言葉がどう繋がっていくんだろう。

私が悔やんでも悔やみきれないジュースのシーンが後編の予告で流れていましたが、どう扱われるんだろう。

『前向き』『切り替え』という言葉は、今でも辛く感じることがあります。

生きていくために、私なりに切り替えてきたとも思っているのですが、それでも、心の奥には未だに消えない暗いものがあります。

辛さを安心して出せる場が欲しいなと思い続けています。

暗くてグズグズな時も受け入れてもらえることも大事だなと思います。

視聴後、やはり心が落ち着かなくなって、今朝は夫が眠る場所に行ってきました。

こんな時は、いつも、そこにある大きな木の下で、風で揺れる木の葉の音を聞いて過ごします。

ここが、私が唯一、安心できる場なのかなと思ったら、ちょっと鼻の奥がツンとしました。


全国胃がんキャラバン、多くの人にがん情報を届けるグリーンルーペアクションに挑戦しています。藁をもすがるからこそ、根拠のある情報が必要なのだと思い、頑張っています。